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文学と尺八📖

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古文書・地誌・狂言・詩集などに登場する尺八、虚無僧をご紹介♪
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#尺八の歴史

古代尺八のその後☆猿楽篇📖 『世子六十以後申楽談儀』

古代尺八のその後☆猿楽篇📖 『世子六十以後申楽談儀』

正倉院にある尺八は、 節が三本あり、前に五つ、後ろに一つの計六孔。
古代尺八、もしくは雅楽尺八と称されている。

その頃の尺八は、盛唐期の宴饗楽・讌楽用の楽器の一つとして我が国に伝えられ、これによって吹奏された音楽は当時の中国音楽・唐楽であり、其の演奏者は大陸からの渡来人や帰化人とその系統の楽人であった。

大陸から遠路はるばる日本にやってきて演奏していたということだ。

古代尺八は、前に投稿した

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文学と尺八☆『源氏物語』

文学と尺八☆『源氏物語』

尺八の日本到来は西暦600年頃。

唐代の宮廷の燕饗楽で使われたという楽器が雅楽として日本に伝わった。

本来尺八はそれぞれが十二律の各々に応ずるように作られた十二本一組の縦笛でありました。

絵画に描かれた古代尺八は、古くは平安時代の舞楽、雑楽、散楽などの様子が描かれた巻物である『信西古楽図』があります。

そして平安時代の文学と言えば、かの有名な『源氏物語』。

その『源氏物語』に、古代尺八が

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吉川英治の名作『鳴門秘帖』を読む📖隠密虚無僧☆法月弦之丞!

吉川英治の名作『鳴門秘帖』を読む📖隠密虚無僧☆法月弦之丞!

吉川英治作、長編時代小説『鳴門秘帖』とは。

大正15年8月から翌年の昭和2年10月まで、354回にわたって大阪毎日新聞に連載された、吉川英治の前期の代表作のひとつ。まだ大衆娯楽機関のあまりなかったその頃、「鳴門秘帖」のたぐいない面白さに、夕涼みのお内儀さんから使い走りの小僧さん、また花柳界の女性まで夕刊を待ちわびて愛読したそうな。

主人公は、多情多恨の青年剣士である法月弦之丞。

あらすじ

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とりわけ憎んで厭うべし?!虚無僧ならぬ虚無族の実態が書かれた草茅危言を読む📖

とりわけ憎んで厭うべし?!虚無僧ならぬ虚無族の実態が書かれた草茅危言を読む📖

18世紀末頃の普化寺や虚無僧たちの所業の実態について書かれた書物に、中井竹山(積善)著 『草茅危言』(1789年)があります。

中井竹山とは、江戸時代中期の儒学者。大坂の学問所 懐徳堂の四代目学主として全盛期を支えたそうな。
詳しくはこちらをどうぞ↓

『草茅危言』とは、

因に、四字熟語の草茅危言の意味は、

と、言う事で、批判満載の書物なんですね。虚無僧に関してもなかなか厳しい苦言が呈されて

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文学と尺八📖『年山紀聞』

文学と尺八📖『年山紀聞』

『年山紀聞(ねんざんきぶん)』という随筆に『尺八」の記述があります。

年山とは安藤 為章(あんどう ためあきら)の号です。

安藤 為章(1659年 - 1716年)は、江戸時代初期から中期にかけての国学者。伏見宮に仕えたが、水戸光圀に召され『大日本史』編纂にかかわる。契沖の指導も受けたとのこと。契沖とは江戸時代中期の真言宗の僧であり、国学者。

こちらが『年山紀聞』↓

○尺八

源氏末摘花に

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ニンジャの虚無僧?!『絵本高木英雄伝』📖

ニンジャの虚無僧?!『絵本高木英雄伝』📖

またまた虚無僧キーワードで探しておりましたら、明治時代の珍しいイラスト出てきました。

『絵本高木武勇伝』 寛永舎 1885年刊

表紙です。

こちらは見出し画像の挿絵。

「二人の虚無僧、八幡宮の社前にて武術試合す」

よく見ると二人の虚無僧が忍者みたいな武器を持ってます🗡✨

文章には「妙安寺門下」「一月寺の門流」と書かれています。関東対関西の虚無僧寺の争いでしょうか🤔

そして、

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虚無僧をさがせ!『絵本慶安太平記』

虚無僧をさがせ!『絵本慶安太平記』

「虚無僧」をキーワードに探し物をしておりましたら、このような絵本に行き当たりました。絵本とありますが挿絵はとても少ない…。が、漢字のふりがなはバッチリです。

まずは、

『慶安太平記』とは?
慶安の変を題材にした実録本・講談・歌舞伎などの題名または通称。

『慶安の変』とは?江戸時代の前期1651年、軍学者・由井正雪 (ゆいしょうせつ)が、槍の達人だった丸橋忠弥(まるばしちゅうや)らと共に、幕府

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