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【掌編ホラー】職人手作り★一点ものです★
あのぬいぐるみさ……何?そう、お前からこの間貰ったやつ。王道なテディベア。こんなうだつの上がらない生活してる中年にプレゼントするもんじゃないとは思ったけどさ、そこじゃない。いやありがたいとは思ってるよ、だって俺の誕生日祝ってくれる奴ってそういないから。兄さんでさえ忘れてたからね、俺の誕生日。別に日付変わるときにおめでとうって言って、贈り物してほしいわけじゃないけどさ。特別されると嬉しいってだけ。
もっとみる【ホラー掌編】個性で済ませて
音ズレてたの気づいた?そう、まあわかるよね。うん、そりゃ俺も気を付けたいけどさ……あればっかりは俺にもどうしようもないんだよ。自分の指だったらさ、矯正のしようがあるんだけど。勝手に生えてくるんだよね、ライブ中に。あとはお菓子食べてるときもたまにある。たまに生えてきてさ、弦押さえるんだよ。
心当たりって言えばね、こないだ弟が死んだんだよ。事故だったんだけどさ。あいつもギターやりたがってたんだよ
自己紹介とかした方が良いんだろうか
つぶやきの機能を知った深夜テンション
【創作小説】同じこと
前作「誰にも言えない」の続きです。
「父さん、叔父さんの連絡先って知ってる?」
ちょっとした用事で電話をしてきた父に、切られる間際そう聞いてみた。急用があるわけではないけれども、俺と同じ――死体が見えるひとだったから、一応、何かしら繋がりを思っておきたいと、ふと思ったのだ。
「そりゃあるけど、お前あいつとそんな仲良かったっけ?」
「ちょっとね」
「男同士の秘密ってやつか?そういうのがある年頃
【創作小説】誰にも言えない
前作「落ちる、堕とされる」の続きです
酔って道端に落ちている人は良く見るが、死んでいるのを見るのは初めてだった。
死人は葬儀で見たことがある。あれは体裁を整えられていたのだなと、改めて実感した。驚いたように見開かれた両の目は白濁して、何かが見える状態ではないのに、こちらを見ているような気がした。焼き魚だとこんな感じだなとにべもないことを考える。棺の中で目を閉じられるのは、これを見せないため
【掌編ホラー】度を越えれば迷惑に
生徒職員その他諸々に人気のある同僚の国語教師はいつでも人が傍にいるような人たらしなのだけれども、たまに黒い影が隣に立っていたりだとか、肩口に長い髪が掛かっていたり、足元を青白い手に掴まれたりしていて、たまたま二人きりになったときに思い切って尋ねれば昔からなんだよと困った顔をするので、横から刺さる視線については今だけは不問にしようと思った。
【掌編ホラー】お暇なら一服いかが
寝付けないのでベランダで煙草をふかしていると通りに白い服の女が立っていることに気づいて、そいつがこちらを見て手を振るので思わず振り返してしまったのだが、その途端、女の首が目の前まで伸びて柔らかく笑いつつ挨拶をしたと思うと他愛のない世間話を始めて、煙草を強請るので咥えさせてやるとまた微笑んだので、良い話し相手が見つかったと思いつつ、今は盆だと気づく。
【掌編ホラー】よその縁、家のうち
父の実家には母屋にあるものとは別に物置になっている離れにも古びた仏壇があってそこにもきちんと位牌とそれなりの供え物なんかが置いてあるのだけれど、そのそばに無造作に置かれている遺影写真に映るうちの家系に似ていない気のする見たこともない人たちの顔が皆母屋の仏間に並んでいるものよりも断然若く見えるのが気になったのでそれが誰のものなのか叔父に聞けば、お前には関係ないのだから気にするなと優しい口調の割に二
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