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女の子とウサとの哲学的会話

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2018年7月の記事一覧

女の子とウサとの哲学的会話「運命って、決まっているの?」

女の子とウサとの哲学的会話「運命って、決まっているの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ、運命ってあるの? 人生の中で何が起こるのかってあらかじめ決まっているのかな?」
ウサ「その、『あらかじめ』っていうのはいつの話をしているの?」
サヤカ「わたしが生まれる前だよ……あっ、でも、生まれる前なんて考えることができないわけだから……そうすると、運命なんて無いの

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女の子とウサとの哲学的会話「宇宙の始まりのその前はどうなっていたの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ。宇宙は、138億年前にビッグバンによって始まったって習ったけど、じゃあ、ビッグバンのその前はどうなっていたの?」
ウサ「うん、どうしてもそう聞きたくなるよね。ビッグバンの前にも何かがあったっていう人もいるけど、これだって同じことで、じゃあ、さらにその前はどうなっていた

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女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 5」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

ウサ「サヤカちゃんの中には、怖がる気持ちはあると思う?」
サヤカ「うん、あると思うよ。だって、夜中に目が覚めちゃったときとか、クモを見たときとかに、感じるもん」
ウサ「その、夜中に目が覚めちゃったときとか、クモを見たときとかに感じる、その感じと同じものを、他人も感じているかどうかっていう

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女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 4」

女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 4」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ。今日、学校で、脳の中に扁桃体っていう部分があって、そこは怖がる気持ちを担当していて、そこが壊れると怖がる気持ちが消えるって習ったんだ。これって、やっぱり、心が脳の中にあるっていうことだよね?」
ウサ「扁桃体が壊れると怖がる気持ちが消えるっていうのは、どういう風にして確

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女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 3」

女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 3」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

ウサ「もしも人間そっくりに作られたロボットがいたとして、体の中身は実は機械でできているんだけど、普通の人間と同じようにコミュニケーションが取れるし、悪口を言われたら怒るし、ケーキを食べたら『甘い』って言うとしたら、そのロボットには、心があるって言えると思う?」
サヤカ「えっ……言えないよ

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女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 2」

女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの? 2」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「うーん……心が無かったら、何も感じられないし、考えられないのはそうだと思うけど、でも、心しか無いなんて思えないよ。だって、心って、わたしたちの体の中にあるでしょ?」
ウサ「本当にそうかな。たとえばね、サヤカちゃんの体をすみずみまで解剖してみたとして、そこから『心』っていうものを取

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女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの?」

女の子とウサとの哲学的会話「心って、どこにあるの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ウサ、心ってどこにあるの?」
ウサ「『どこにある』じゃなくて、心しか無いのかもしれないよ」
サヤカ「心しか無い!? ……何言ってるの、ウサ。心以外のものなんて、たくさんあるじゃん。体もあるし、そこに鉛筆もあるし」
ウサ「うん、そうね。でも、そういうものって、心が無いと感じられない

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女の子とウサとの哲学的会話「幽霊って、いるの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「幽霊って、いるのかな?」
ウサ「いると思う?」
サヤカ「わたしは信じてはいないけど、でも、いるっていう人がいるからさ」
ウサ「そもそも、あるものがいるっていうのは、どういうことだろうね。どういう状態なら、『いる』って言えるんだろう」
サヤカ「見ることができたら、じゃないかなあ」

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女の子とウサとの哲学的会話「正直って損なの? 2」

女の子とウサとの哲学的会話「正直って損なの? 2」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

ウサ「前に、正直が損だっていう話をしたこと覚えている?」
サヤカ「うん、覚えているよ」
ウサ「サヤカちゃんは、ズルしたいと思う?」
サヤカ「思わないよ」
ウサ「どうして? ズルすると得できるんだよ」
サヤカ「だって、わたしが得した分だけ、誰かが損をしているんでしょ? そういうの嫌だよ」

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女の子とウサとの哲学的会話「正直って損なの?」

女の子とウサとの哲学的会話「正直って損なの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ。今日学校の掃除の時間にね、わたしの班は教室の担当だったんだけど、班の男子が一人、ずうっとサボっていたの。それで、残りの5人で掃除をしたんだけど、掃除が終わったあとに、先生が来て、『綺麗になってるね』って、わたしたちみんなを褒めたんだよ。そのサボっていた男子も含めて」

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女の子とウサとの哲学的会話「絶対確実なことってあるの?」

女の子とウサとの哲学的会話「絶対確実なことってあるの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ。絶対確実なことってある?」
ウサ「絶対にこうだって言い切れることね。サヤカちゃんは、どう思う?」
サヤカ「わたしは、そんなことないと思う。だって、どんなに頭がいい人が言うことでも、間違えることってあるでしょ」
ウサ「うん、確かに、どんなに頭がいい人でも間違えることはあ

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女の子とウサとの哲学的会話「どうして子どもは化粧をしてはいけないの?」

女の子とウサとの哲学的会話「どうして子どもは化粧をしてはいけないの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ウサ、どうして子どもは化粧をしちゃいけないの?」
ウサ「じゃあ、『してはいけないこと』について、考えてみよっか。『してはいけないこと』には、いくつか種類があるの」
サヤカ「種類?」
ウサ「うん。まずはね、人を傷つけること。たとえば、人の物を盗んだり、人の悪口を言ったりね。こういう

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女の子とウサとの哲学的会話「友だちって、たくさん必要?」

女の子とウサとの哲学的会話「友だちって、たくさん必要?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「ねえ、ウサ。友だちってたくさん作らないといけないのかな?」
ウサ「友だちってどんな人のこと?」
サヤカ「えっと……わたしが言っていることをちゃんと聞いてくれて、困っているときに助けてくれて、間違ったことをしちゃったときは叱ってくれて、わたしもそうしてあげたい人のことかな」
ウサ「

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女の子とウサとの哲学的会話「いじめをなくすためには、どうすればいいの?」

〈登場人物〉
サヤカ……小学5年生の女の子。
ウサ……サヤカが3歳の誕生日にもらった人語を解するヌイグルミ。

サヤカ「いじめをなくすためには、どうすればいいんだろう?」
ウサ「学校でいじめられたの?」
サヤカ「わたしがいじめられたわけじゃないんだけど、他のクラスでいじめがあったらしいんだ。どうして、いじめって起こるのかな?」
ウサ「いじめの原因が分かれば、それに対してどうすればいいかも分かるね」

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