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軟水のたそがれ【フォトエッセイ】

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毎週日曜日の夜に更新 社会心理学の立場から感じたことをツラツラと… 日常が冷たく流れてしまうその前に、身近な温もりに気づいてもらえるような、そんな文章を意識しています。 写…
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2021年1月の記事一覧

僕は自然の移ろいと情愛を表現したい

僕は自然の移ろいと情愛を表現したい

新潟県長岡市から岡山県笠岡市へと移住して6ヶ月目を迎え、僕は今も毎日写真を撮っている。

笠岡は港町。

家から歩いて5分で港があり、瀬戸内海の穏やかな海を眺めることができる。

今まで慣れ親しんだ日本海のような荒波は起きないけれど、水面に映る陽の光や夕焼け空が、とても美しい。

内海の水面はいつ見ても穏やかで変化が少ないけれど…

季節や気温、大気の状態や時間帯によってゆらりゆらりと移ろう空模様

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スキが重なる瞬間を何度でも

スキが重なる瞬間を何度でも

現代は、スキが多様化している。

ひと昔前のように、「日曜日の夜8時は皆があのTV番組を観る!」というような習慣も減っているはずだ。

個々人がピントを合わせるチャンネルが多様化しているから、「昨日のあの番組観た?」と仲間に聞いても「いや、観てない」と返ってくる確率が、昔よりはるかに高い。

他者との間で、共通の話題を持ちにくくなっている。

地上波のTV、Netflix等の有料配信、YouTub

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酒場の記憶は忘れても、一緒に呑んだ相手への愛着は忘れない

酒場の記憶は忘れても、一緒に呑んだ相手への愛着は忘れない

僕は、お酒が好きだ。

酒場という空間が好きだ。

今まで居酒屋の接客業を10年以上やってきたのは、「酒場に集まった人々が醸し出す雰囲気を側で感じたかった」という理由が大きい。

酒場にはクセの強いお客さんがたくさんいるし、人の個性を垣間見ることができて、義理と人情に溢れているから。

新潟で働いてた時の写真

僕ら人間は酔いが回ると、一般的には『共感能力』が低くなって、他者の気持ちに鈍感になった

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義理だけの世の中なんて御免こうむる

義理だけの世の中なんて御免こうむる

人間味があって筋の通った人のことを、「あの人は義理人情に厚い」と表現することがある。

”義理”と”人情”には、互いに相反する意味があるからこそ、どちらを選ぶべきか?という葛藤を乗り越える強さとやわらかさを持った人に対して、この言葉を向けるのだろう。

”義理”とは、他者との関わりの中で行うべき道徳や規範。

”人情”とは、人の自然な情愛。

例えば、江戸時代に人形浄瑠璃の脚本を書いた近松門左衛門

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