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立春大吉【二十四節気・立春】

2/4は、立春の日。まだまだ寒暖の差が激しい時期は続きますが、暦の上ではもう春です。

立春2/4の前日、2/3の節分に行われる豆まきは「追儺(ついな)」という、旧暦12/30の大晦日に鬼を払う行事が元になっています。

しかし、「立春」は太陽の動きを元に、旧暦1/1は月の動きを元にしていることから、立春と旧暦1/1は、その年によって重なったり、前後したりすることがあります。昔の新年は、ちょっとややこしいですね。

見出しの画像は、立春の日、京都の御寺・泉涌寺にて見かけた彩雲です。
今年も良い一年になりますように。

「立春大吉」とは?

禅寺で行われる厄除けの習慣として、立春の早朝に「立春大吉」の四文字を書いた札を玄関などに貼るものがあります。

この「立春大吉」の四文字は全て左右対称になっているのがポイントで、玄関などから中に入ってきた鬼が振り返って「立春大吉」の札を見た時、裏(内側)から見ても、外から見たときと文字が同じように見えることから、「まだ中に入れていない??」と鬼に勘違いさせて、出入口へと引き返して行くよう仕向ける、という仕組みとの事です。
鬼さん、ちょっと可愛くないですか。

「立春」の内の七十二候

東風解凍(はるかぜこおりをとく)2/4-2/8頃
暖かい春風が吹き始め、冬の氷を溶かして行く様。
「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじ無しとて春を忘るな」という菅原道真の和歌にもあるように、寒さの内に咲き始める匂いやかな梅花の香りを運ぶ「東風」は、古くから春の訪れを表す言葉として使われています。
黄鶯睍睆(うぐいすなく)2/9-2/13頃
春を知らせる鶯(うぐいす)の声が聞こえ始める頃。
ウグイスには「春告鳥」「匂鳥」「歌詠鳥」など、沢山の別名があり、その年最初に聞くウグイスの声は「初音(はつね)」と言い表されます。

【小話】『初音の調度』の香道具
香道具の名品に徳川美術館所蔵の『初音の調度』というものがあります。

『初音の調度』とは、徳川家光の長女・千代姫のために作られた婚礼調度の一式のこと。源氏物語「初音」の帖にちなんだ意匠と、優れた漆芸技術が光る逸品として知られていますが、その中には、たいそう華やかな香道具も含まれています。

▼「文化遺産オンライン」にて画像をご覧いただけます
http://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/192763/4

当時、将軍家や有力大名家では、このような豪華な嫁入り道具を設える習慣があり、香道具も多く含まれていました。
魚上氷(うおこおりをいずる)2/14-2/18頃
暖かくなるにつれて、冬の間に張り詰めていた池などの氷も溶け、水面を魚が跳ねる姿が見られる様子を示したとされています。

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次回「雨水」は2/19頃にお届けする予定です。どうぞお楽しみに。

madoka 拝

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