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【演劇】夜は昼の母(風姿花伝プロデュース)

 2024年2月3日(土)、風姿花伝プロデュースの舞台『夜は昼の母』を鑑賞しました。記録を残します。

■公演概要

(1)日時・場所

  • 日時:2024年2月2日(金)~2月29日(木)

  • 場所:シアター風姿花伝@東京・新宿区

  • 上演時間:約3時間20分(15分間の休憩を含む)

 シアター風姿花伝は、東京都新宿区にある客席数は100席前後の小劇場です。私は初めて行きました。Wikipediaによると、2003年8月にこけら落とし公演とあります。
 支配人を那須佐代子さんが務められています。那須さんが核となって(プロデューサーとして)行われているのが「風姿花伝プロデュース」のようです。同企画は2014年に始まり、今回が10回目(VOL.10)とありました。
 
 チケットは既に完売のようで、当日券が出る日は、X(旧Twitter)で事前告知されるようです。私は当日券で入ることが出来ました。

(2)キャスト等(一部だけの記載です)

  • 作:ラーシュ・ノレーン(Lars Norén)

  • 翻訳:ヘレンハルメ美穂

  • 演出:上村聡史

  • 出演:岡本健一、那須佐代子、竪山隼太、山崎一

■あらすじ等

(1)ラーシュ・ノレーンについて

 ラーシュ・ノレーン(Lars Norén、1944~2021)は、スウェーデンの作家です。あまり詳しく分からなかったので、Wikipediaのリンクを貼ってみます。(他言語でもう少し詳しいページもありましたが、英語のページです。)

Lars Göran Ingemar Norén (9 April 1944 – 26 January 2021) was a Swedish playwright, novelist and poet. His plays are realistic and often revolve around family and personal relations, either among people who are impoverished and rooted at the bottom of society, or people who live in material comfort but emotional insecurity.
(ラーシュ・ノレーン(1944年4月9日~2021年1月26日)は、スウェーデンの劇作家、小説家、詩人。彼の戯曲は現実的で、多くの場合、貧困で社会の底辺に根ざした人々、または物質的には快適だが精神的に不安定な生活を送っている人々の家族や個人的な関係を中心に展開する。)

Wikipediaより抜粋

(2)『夜は昼の母』について

 あらすじというか、導入部を配布チラシから引用します。

鳩が鳴く / ダヴィドは母のナイトガウンを着る / ここは父が経営する小さなホテル / 今日はダヴィドの16歳の誕生日 / 兵役を経験した兄 / 咳が止まらない母 / ひたすら喋り続けては空回りする父 / 家族が奏でる追憶の四重奏

配布チラシ等より

 父・母・二人の息子の家族劇でした。本作は「自伝的要素が強い」というインターネットの記事を見かけたりしました。
 『夜は昼の母(Natten är dagens mor)』という題名も面白いです。あくまで私の個人的感想ですが、昼間の生活・活動を、静かな夜が支えてくれる(癒してくれる、英気を養う)ような印象を受けました。インターネットの機能で英訳変換すると「The night is the mother of the day」でした。

■感想

(1)ストーリーを通じて

 家族劇ということで、私も自分の家族のことを振り返りつつ観る部分がありました。
 本作は「崩壊劇」という記載もあったぐらいでゴタゴタしているのですが、家族の会話の中に、家族旅行や新しい自宅を購入(賃貸?)する話なども織り込まれていて、「家族」という集団を懐かしく感じる部分もありました。①事実と②内面の描き方のバランスが良い作品・作家なのかな、と思ったりしました。
 また、シリアス一辺倒ではなく、クスリと笑える部分もありました。

(2)海外からの輸入作品

 本作は、1982年という比較的新しい作品の翻訳劇です。「風姿花伝プロデュース」では、過去も、こうした海外作品が上演されているようでした。
 私は、比較的身近なことから考えることが多い分、海外作品など遠い外の世界は手薄になりがちです。しかし、今回、「輸入する」「興味を持った分野に飛び込む」「引き寄せる」ということの面白さを何となく感じることが出来ました。こつこつ身近なことから考えることとはまた違った「憧れ」の力とでも言いましょうか。
 また、大学の教養課程などで、「文学作品の越境」などについて学んだことも思い出しました。言語の壁というのは大きいものですし、経済のグローバル化が一番先に進むのでしょうが、海外の文学作品等にも触れることで、物事をより俯瞰してみることが出来たり、国を超えた共通性を見出したりすることが出来るかもしれません。

■最後に

 冒頭の写真は、配布チラシにも使用されていた一枚の「絵」です。劇場に展示されていて、「撮影OK」でしたので撮影しました。サックスや瓶など物語に出て来るモチーフ(要素)が描かれています。記念に1枚といったところです。

 本日はここまでにしたいと思います。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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