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#労働なき世界
眠れない夜があってもいいじゃないか
眠れない夜があることは、何もおかしなことではない。例えば今日。
おかしいのは、眠れない夜がやってきても、次の朝いつもと同じ時間に目覚めなければならない世界の方だろう。
僕は今年の8月。眠れない夜を2度経験した。その次の日には仕事を休んだ。そして「それくらいで休むな」と言われた。
腹が立って、なんやかんやあって、精神科に行った。すると、適応障害だと診断された。たった数日、眠れなかっただけだとい
ベーシック・インカムの最大の弱点は「アホっぽい」ということ
ベーシック・インカムという発想は、一見するとアホっぽい。「もうさー、お金配れば良くね?」「え、お金もらえるの?超ラッキーじゃん!みんな働かなくて済むじゃん!」と、世の中の仕組みをなにも理解していないアホが短絡的な思考の末に言いそうなことに見えるのだ。
世の中の大人の大半は、自分を賢いと周囲に見せつけなければならないという強迫観念に駆られている。
僕はベーシック・インカムが実現しない最大の理由は
権力論 ー なぜ改善する人は煙たがれるのか?
職場の生産性を向上するために問題点を指摘し、なんらかの改善案を提示する。こういう人が嫌われることはよくある。
が、よくよく考えると不思議な話である。「あなたは生産性の向上を望みますか?」と質問して「望みません」と答える人はほとんどいないはずだ。誰しも口先では生産性向上を望んでいる。
問題点を指摘し改善案を提示することは、明らかに生産性向上に資する行為だ。仮にその意見が的外れだったとしても、単に
ホモ・ネーモへの独占インタビュー:哲学者でありアーティスト。2023年、世界の音楽界を揺るがせた男。
アンチワーク哲学者を名乗り精力的な執筆活動を続け、多くのフォロワーを獲得しているホモ・ネーモが、『World without Work』を引っ提げて2023年音楽界に彗星のごとく現れた。いや、それは彗星というより、音楽界という生態系を破壊し尽くす隕石のようなものだろう。しかし、破壊の後に創造がある。ホモ・ネーモが新たに思い描く音楽界、いや世界とは一体どのようなものなのだろうか? 『夜明けの歌』のリ
もっとみる仕事とはなにかを考える(『Teardown』をダシにしながら)
目下、このゲームにハマっている。
「地面以外の全てを破壊して強盗するゲーム」などというセールストークに踊らされた僕は、脳筋破壊プレイでストレス発散できるという期待に胸を膨らませながらこのゲームをダウンロードした。だが、プレイ開始後、1時間ほどで痛感させられることになる。
壊せばいいってものではない。
まず破壊に必要なリソースはそこまで豊富ではない。初期装備のハンマーでは木材やガラス、漆喰くら
ゲームとアンチワーク哲学
ゲームの何が面白いって、きっと自分が成長できることだと思う。
人間というか生き物は、世界に何らかの変化を起こすことと、変化を起こす能力が向上していることに快感を覚える性質を持っている。変化を起こす能力の向上のために、人は道具を発明したり、自転車を練習したり、他人を手足の如くこきつかったりするわけだ。そして、変化を起こすことや、能力向上を疑似的に体験させてくれるのがゲームなのだろう。
そう考えれ
『葬送のフリーレン』と、僕たちの永遠
『葬送のフリーレン』ほど考察したくなる物語も珍しい。誰しもが馴染みのある金太郎飴のような剣と魔法の世界を舞台にしつつ、明らかに現代社会に対するメタファーを含んでいそうなストーリーが展開されているからだ。
最近は僕のフォロワー、フォロイーたちも、葬送のフリーレンを考察し始めた。僕も便乗して、この物語を僕なりに分析してみよう。
真っ先に思いつく問いは、「フリーレンとは誰なのか?」だ。
人間と比べ
労働がない人生は退屈か?
労働の効用として4番目か5番目に出てきがちな主張がある。それは「労働がない人生は退屈」というものだ。
労働とは、何らかの目的に向けて自分を律し、アプローチし、達成し、フィードバックを得るというプロセスでもある。このようなプロセスがごっそり人生から抜け落ちてしまえば、人生はダラダラとヒルナンデスを眺めているような時間で埋め尽くされてしまい認知症まっしぐら、というわけだ。
この主張自体は、一理なく
洗濯機は人類に必要なかったのかもしれない
僕は洗濯があまり好きではない。洗濯機に放り込んで回し、干して、畳む。この行為が嫌いすぎて、洗濯しなくていいシャツを購入したくらいだ。なんなら全身洗濯しなくていい服で固めたいとすら思っている。
しかし、この前、おねしょした息子のパジャマを手洗いしているときに感じた。この作業、意外と楽しい、と。
服を縫製する作業もそうだけれど、服を手洗いするときも、服をよく観察できる。言い換えれば、作業を通じて服
アンチワーク哲学Q&Aのコーナー
アンチワーク哲学についての入門であり、総まとめのような記事を書いたら、ありがたいことに反響と質問をいただいた。
馬鹿馬鹿しいくらいに常識外れなことを主張する記事を書くと、誤解曲解を招くのが常だ。ところが今回に関しては今のところそういったコメントはなく、むしろ理解していただいた上で、アンチワーク哲学にさらに磨きをかけてくれるような質問をいただいている。ありがたい。
いただいた質問に対する返答はn
アンチワーク哲学 入門講座
※これはアンチワーク哲学の入門記事である。アンチワーク哲学という名称こそ新しい物を使っているが、普段から僕が書いていることとほとんど同じなので、僕をフォローしてくれている人にとっては、目新しいことは何も書かれていないと思われるので、ご注意を。
※入門講座なので、必要最低限の情報に絞って書いているが、より詳しい情報を知りたい方向けに、随所にリンクを貼ってある。が、必ずしも読む必要はない。
■はじ
テクノロジーとしてのアナキズム
人類が火星まで有人飛行を行ったことはない。だが、そのことを根拠に未来永劫まで人類が火星に到達することはないと主張する人はいない。それが10年後なのか、100年後なのかは意見が分かれるとは言え、なんらかのイノベーションによってテクノロジーが発達すれば、そのうち人類は火星に到達するだろうと、誰もが考える。
一方で、社会の組織化方法となると、誰もが極端に前例主義的になる傾向がある。「これまで、国家のな