vol.10 谷崎潤一郎「春琴抄」を読んで 16 西野 友章 2018年10月4日 21:04 佐助のドMさにのけぞりながら読み進めるうち、二人だけの愛の世界がそこにあった。それこそが谷崎文学の真骨頂か。「痴人の愛」のナオミの無茶ぶりに快感を受けた河合譲治のように、春琴の「お師匠様」ぶりに不気味なほどに寄り添う佐助。自らの失明は、「心頭を滅却すれば火もまた涼し」なのか、いやちょっと違う。やっぱり佐助は、心身ともにシバかれることでしか愛を感じないドMなのだ。谷崎文学、いとおかし。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 推薦図書 42,048件 読書感想文 183,126件 #小説 #読書 #読書感想文 #本 #読書記録 #推薦図書 #読書日記 #読書メモ #読書好きな人と繋がりたい #純文学 #読書の秋 #近代文学 #谷崎潤一郎 #古典文学 #春琴抄 16 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート