記事一覧
フィクションと実在の狭間で 〜大好き! ドゲンジャーズ〜
『シン・ドゲンジャーズ』放送開始に寄せて
子どもの頃から、フィクションの世界が好きだった。
絵本から始まり、小説、アニメ、ドラマ。
それらは、わたしの薄ぼんやりとした、平凡で窮屈な人生の隣を走る、良き友人であった。
「特撮」というジャンルに出会ったのは、二十歳を過ぎたころだ。
「正しさ」とか「努力」とか「自己責任」とか、そういったものに劣等感があったわたしに、
「別に、正義の形なんて一
推し短歌 極悪非道の正義の味方編
誘蛾灯のごとギラギラ君臨す暴君ひとり高笑いの音
今日だけは君を救うと決めたからこれみよがしの正義を騙る
粉々に砕けた僕のプライドものりでつないで治ればいいのに
もし俺が魔王で君が勇者なら世界征服なんてすぐだな
望月やすきま風吹く摩天楼嫌われ者の正義の味方
着想のモデルは、世界征服を企む悪の秘密結社の日常を描くFlashアニメより、水色筋肉な自称・正義の味方。
気分次第で動くので、ただの
推し短歌 2007年の日曜朝編
星空に釣り糸垂らすかのごとく青き流し目伊達眼鏡ひかる
砂粒のように乾いた調べかな「先輩」と呼ぶ声のあざとさ
取調室さえ君のステージか二枚舌のトークライブよ
龍宮にいざなう亀のヒレゆらり言葉の海を突っ切っていく
戻らない電車に乗って去る人の「またね」の嘘を信じている
着想のモデルは、日曜朝に戦う仮面のお兄さん・お姉さんたちのドラマから、2007年の青い亀。
わたしにとっては、特撮ドラマに
推し短歌 世界一有名なビーグル犬編
スヌーピーの鼻先に見る町並み今日からここが我が家になるの
あたたかな子犬を抱く昼下がり幸せの香はチョコクッキーか
炎天下のソフトクリームみたいなサマーキャンプの恋儚く
うさぎ跳ねる跳ねる跳ねる跳ねる跳ねる跳ねる跳ねる原稿用紙
苛烈なるその怒りさえ愛と呼ぶのかルーシーという名の少女よ
端と端握り引っぱり合う朝よライナスの安心毛布
五線譜の先はどこまで届くのかトイピアノのベートーヴェン
推し短歌 2006年の日曜朝編
夕焼けの街が赤く赤く染まる目が眩んだか女王蜂の死
憧れは憎しみに似てどうしても許せなかった花の移ろい
あの春に捨てた誰かの歌声が遺言のようにリフレインして
借り物の翼をひろげ飛べるのか堕ちていくのかイカロスの僕
誰もいない誰もいない誰もいない俺を見たのはあんただけかよ
ダンボールにふたり分の体温「相棒」の声にはまだ慣れず
欲しい物など何もないただ一度子犬のように褒めてほしかった
カッ
推し短歌 喋る怪人編
危うげなガイコツマイクのハウリング紫煙に巻かれる心の隙間
さあどうぞ共に奈落へ参りましょうここから先は有料ですが
たわむれのジョーク刺さりし傷跡や遅効性の毒がにじんて
通販のセーラー服にねじこんだ遠い季節の乙女の幻
Tシャツの喉のかすかなためらいが物珍しき初夏の午後かな
のぞき窓「こちらを見て」と誘う声なにも見えないこの腕の中
はじまりは今夜も君のタイミング博多駅前ブロードキャスト
推し短歌 『沼底推し問答』
便箋に滲んだ「好き」の重さよブルーブラックのさじ加減悩まし
甘すぎず、無難すぎず、品よく。
便箋を選んで、インクの色を選んで、言葉を選んでも、あふれだしてしまう巨大感情に頭を抱えたくなる。
ファンレターは難しいものです。
白軸の万年筆が知っている三千回の「ご自愛ください」
実際に「万年」書けるわけじゃないでしょうが、永く使えるといわれる筆記用具・万年筆。
わたしも何本か愛用していて、ファンレ
『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』の話がしたい
ついに『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』の放送が終わった。
いやー、ロスがひどいんじゃないかとか、号泣するんじゃないかとか思って、ドキドキしてたんだけども。
むしろ、年の瀬らしい、晴れやかで爽やかな最終回だったなー、と、しみじみした気分で、これをまとめている。
まさに、大団円という言葉がふさわしい。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』とは『秘密結社鷹