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『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』の話がしたい

ついに『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』の放送が終わった。

いやー、ロスがひどいんじゃないかとか、号泣するんじゃないかとか思って、ドキドキしてたんだけども。
むしろ、年の瀬らしい、晴れやかで爽やかな最終回だったなー、と、しみじみした気分で、これをまとめている。

まさに、大団円という言葉がふさわしい。

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『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』とは

『秘密結社鷹の爪』は、人に地球に優しい世界征服を目指す悪の秘密結社・鷹の爪団の日常を描く、FLASHアニメシリーズである。

『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』は、『鷹の爪』シリーズの、
……えーと、『むかしの吉田くん』『. jp』『GG』は省くとして……
……8期(で、良いの?)にあたる、アニメ作品だ。

CM含めて15分番組。全12話。
TV版の『鷹の爪』シリーズにしては、めずらしく、ストーリーが続き物になっていて、FROGMAN監督、上野アサさん以外のゲスト声優さんが出演するのが特徴。
2020年10月~12月にかけて放送され、先日、めでたく最終話を迎えた。

この記事は、その歩みを振り返りつつ、全12話の総括的な感想を書きたいなあ、とか。
だいたい、そういう主旨です。はい。
とりあえず、これを書きたいがために、アカウント作りました。

全12話分、がっつりネタバレするので注意。

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はじまりはエイプリルフール

事の始まりは、2020年4月に遡る。

新型コロナウイルス感染症の影響で、なんとなく自粛ムードになっていた今年のエイプリルフール。
鷹の爪団戦闘主任・吉田くんのツイートが、鷹の爪ファンーー通称・鷹の爪在家団員たちを、ざわつかせていた。

すでにリンク先のページは削除されているが、
・タイトル未定
・ストーリー未定
・放送時期未定
・制作スケジュール未定
という、まごうことなき四月馬鹿。

【FROGMANコメント】
本日は2020年4月1日。
当然、鷹の爪は今年で14年
になりまして、
やっぱりテレビが見たいと
ルンバにすらに言われた
よし、ここはひとつ、
TVシリーズ復活だ!
V字回復鷹の爪団!

と、FROGMAN監督の不自然なコメントまで寄せられる徹底ぶり。

しかし、勘の良い在家団員の皆さんは気づいていたことだろう。
このコメントが、いわゆる「折句」「縦読み」と呼ばれる類の言葉遊びであることを。

「本当にやルよTV」

そして、月日は流れ、2020年8月11日。

新シリーズ『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』が10月4日(日)深夜より放送されることが、正式に発表された。

TVシリーズとしては4年ぶり、深夜帯の放送は11年ぶり。
突然の朗報に、TwitterのTLは祭り状態になり、在家団員たちは「鷹の爪音頭」を踊ったとか踊らないとか。

公式サイトによると、今回のストーリーは、

元祖クソアニメにして新感覚ピカレスク・ギャグ・ロマン、ウィズコロナ仕様で堂々復活!
悪の秘密結社「鷹の爪団」は、たった一言で人間を意のままに操れる太古の呪文「ゴールデン・スペル」を蘇らせることに成功する。
「これさえあれば、念願の世界征服もステイホームしながら簡単にできる!」と、はりきって「便意スペル」など様々な効果のゴールデン・スペルを開発するが、何者かによってスペルを開発プログラムもろとも全て盗まれてしまった!
ゴールデン・スペルが悪意ある者の手に渡れば、世界は大変なことになる。
盗まれたスペルを取り戻すため、調査を開始する鷹の爪団。しかし徐々に巨大な陰謀に巻き込まれていき…
守れ!世界とソーシャルディスタンス!

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』公式サイト
 https://xn--u9j429qiq1a.jp/gs/ )

ということであった。どういうことだ。

(↑発表直後に急いで描いたファンアート。黒輝くんが初期デザイン)

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私と鷹の爪団

さて、本題に入る前に、『私と鷹の爪団』の話がしたい。

(あ、ちなみに、この『私と鷹の爪団』というテーマは、『秘密結社鷹の爪DO』第8話「面倒くささで世界征服」にて、デラックスファイターが書かされた作文のお題から来ている。神回だから、みんな観て)

おそらく多くの人が、そうであるように、私と鷹の爪団の出会いは映画館だった。
かのTOHOシネマズのマナームービーである。たぶん、第2弾あたり。
「なんだかよくわからないが、なにげに面白い」というのが第一印象だったように思う。
それ以降、『鷹の爪』は、私にとって「べらぼうにハマるほどではないけど、ちょっと気になる存在」になった。

* * * * *

変化があったのは、2012年。
Eテレ版こと『秘密結社鷹の爪NEO』の放送開始である。
私は、この『NEO』の第1話を楽しみに迎えたものの、『ビットワールド』の番組内番組という特殊な放送故、毎週観るのはちょっと難しいかなー、なんて考えていた。

そこに訪れた朗報が、「夏の『秘密結社鷹の爪NEO』スペシャル」いわゆる総集編である。
それまでに放送された『NEO』第1~15話を、3週に渡って、まとめてTV放送するというもの。
その3週目……第11~15話のうちのどれかで、私はあるキャラクターに心奪われた、らしい。

「らしい」とか曖昧な言い方なのは、今となっては、それがどの話だったのか覚えてないし、どういう理由でときめいたのか、さっぱりわからないからだ。
私のことだから、たぶん第14話「一日世界の支配者」じゃないかなあ、と思うのだけど。
まだ観てない人は、この話も観てください。
どこにときめく要素があるのか、たぶんまったく理解できないから。

なんだかわからないけど突然「キュン」と来て、「……え、いま何にときめいた???」と困惑した記憶だけがある。

デラックスファイターに。

* * * * *

デラックスファイター
一度でも『鷹の爪』シリーズを観たことある人はご存知だろう。
鷹の爪団のライバルにして腐れ縁。極悪非道の正義の味方。
42歳(厄年)。既婚。2児のパパ。DXカンパニー社長。
一言でいうとクズ。

『NEO』におけるデラックスファイターの印象的なエピソードといえば、やはり怪人ヘルシータイガーとの関係だろう。
ヘルシータイガー『NEO』第24話「まじめに怪人づくり」で初登場した鷹の爪団史上最強と呼ばれる怪人だ。
デラックスボンバーの効かないヘルシータイガーに、ボコボコにされたデラックスファイターは、子どものように泣きじゃくり、すっかりイップスになってしまう。
(その様子が、あまりに気の毒なので、ヘルシータイガーは、後に鷹の爪団の間で禁じ手とされた)

第27話「復活のファイター」では、そんなデラックスファイターを、DXカンパニーの重役鷹の爪団が協力して、立ち直らせる。
なんとも世話の焼ける話なのだが、そんな「なんだか放っとけない」「憎めない」不思議な魅力のあるキャラクターだと感じた。
可愛いというか。華があるというか。

決定打となったのが、『NEO』のクライマックスである、第37話「さらば鷹の爪団 中編」
鷹の爪団の名を騙るテロリストが、(レオナルド博士を脅して作らせた)ヘルシータイガー軍団と大量の兵器を携えて武装蜂起し、群衆がパニックを起こすという場面。
普段、ヒーローらしからぬ乱暴者のデラックスファイターが、群衆を叱り飛ばし、往年のライバルたる鷹の爪団を救いに行く姿に、私はめでたく「沼入り」を果たした。

「奴らはどれだけ貧しくとも、誰もが幸せになれる世界をひるむことなく目指して戦ってきたんだ!
 パニックになって本当の敵を見失ってるお前らなんかが、偉そうに正義を語るんじゃねえ!」
 待ってろ……。俺がなんとかしてやらあ」
「……できるのか?」
「俺は正義の味方だぜ? できるかじゃねえ! やるんだよ!」

(引用:『秘密結社鷹の爪NEO』第37話「さらば鷹の爪団 中編」)

この回の、エンディングテーマ「ポルカde鷹の爪」のイントロの入りがハチャメチャにかっこいいんだ、また。

そんな、ヒーロー然とキメた次の週で、自販機の下の小銭が見つからなくて逆ギレしてるブレなさも、ポイント高かった。
やる時はやるようでやらないクズヒーロー最高。

(↑こういうこと言いがちなので、たまに他の在家団員さんに心配される)

* * * * *

『NEO』の頃、就職が決まらずに悩んでいた私にとって、貧しいながらも理想を曲げずにまっすぐ生きる鷹の爪団や、本当は打たれ弱い泣き虫なのに虚勢を張って「正義の味方」やってるデラックスファイターは、とても大人に見えた。
その後、次の『MAX』が始まる直前に、今の職場に拾われたのだけど。

それから、大急ぎで過去作を履修し、『ビットワールド』を毎週チェック、同時期に放送していたWebシリーズも観るようになり、劇場版が公開されれば足を運び……4年間のEテレ版が終わって、さらに4年経った今も、細く長く、在家団員を続けている。

ただ、『鷹の爪』は何しろ展開が手広いので、コアなファンの人ほど細かくチェックはできてないと思うし、ノリが合わずにあえて距離を置いていたコンテンツもある。
あと、気が多いので、常に他のジャンルと並行して、追いかけている。

そういう、ムラの多いタイプのゆるいファン(デラックスファイター担当)が書いたということを念頭に置いて、この先を読んでほしい。

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ウィズコロナの世界

『ゴールデン・スペル』は、徹底的にコロナ禍の現代が意識された構成になっている。

新型コロナウイルス感染症の流行により、エンタメ界も多大な影響を受けた2020年。
アニメの放送が一時中断し、ライブやスポーツは無観客方式になり、過去の感染症小説が流行り、リモート撮影を使ったドラマ作品も生まれた。

しかし、ここまでしっかりと、コロナ禍の社会現象と、ギャグ・コメディとしてのエンターテインメント性を結びつけたアニメ作品は、『ゴールデン・スペル』が初めてではないだろうか。

なにしろ、まだ世の中はコロナ禍の真っ最中なのである。
エンタメとして消費するには早すぎるし、そのまま描けばただのノンフィクションになってしまう。

時事ネタ・社会風刺をこれでもかと盛りこみながら、ギャグアニメとしての余裕・遊びの部分を崩さない、『鷹の爪』シリーズのギリギリのバランス感覚には、毎度、舌を巻かされる。

* * * * *

第1話「ゴールデン・スペル」では、

■人間の精神と肉体に直接作用する古代の呪文「ゴールデン・スペル」を使って、リモートワークならぬリモート世界征服を始める鷹の爪団

■インターネットを使った新たな商売、もといリモート正義の味方を始めるデラックスファイター

■リモートワークに興味はありつつも、ネットに疎い商店街の人たち

を通して、今年、日本全国で起こったであろう悲喜こもごもの日常風景を、鷹の爪節で描く。

ネットに疎い上司に振り回されたことのある人は、商店街と秘密基地を何往復もする総統に、同情を禁じえないだろう。
デラックスボンバーをデリバリーサービスよろしく、リュックに入れて運ぶというのも、今年ならではのネタだ。

そして「ゴールデン・スペル」は、謎の人物・シュガーに盗まれ、悪用されることによって、「リモートワークの道具」から「拡散するウイルス」のメタファーへと変化する。
悪意ある「ゴールデン・スペル」を無効化するには、人の善意の言葉を集めて「アンチ・スペル」なる対抗呪文……すなわち、治療薬を作らなくてはならないのだ。

* * * * *

また、第3話「赤ちゃん言葉・スペル」のエピソードは、イギリスを拠点とする覆面アーティスト・バンクシーが、サウサンプトン総合病院に寄贈した作品『Game Changer』が、モチーフだと指摘される。

『Game Changer』とは「変革をもたらす人」「ゲームの流れを変える人」などの意味。
マントを羽織ったナースの人形で遊ぶ子どもと、カゴに押しやられたヒーロー人形を描いた作品だ。
新型コロナウイルス感染症の現場で戦う医療従事者への敬意、資本主義的なヒーロー像に対する皮肉、福祉予算の削減により医療現場を圧迫してきた政権への批判などが込められた作品だと解釈されている。

* * * * *

「資本主義的なヒーロー像」と言えば、まさに、我らがデラックスファイターの出番だ。

デラックスファイターの本質ってなんなのかというと、アメリカ資本主義のメタファーなんです。自分たちの正義が絶対だと思い込んでいるという存在ですね。ただそうはいってもアメリカが100%憎むべき巨悪なのかと言われると、世界からは憧れの存在でもあって、どこか憎めない部分もある。そういうアメリカの良い部分と悪い部分をコミカルに書ければいいなぁというのは最初にありました。

(引用:『秘密結社鷹の爪オフィシャルガイドBOOK』「FROGMANが語る、キャラクター誕生秘話」,祥伝社/刊,2013年,P59)

第3話で、小児病棟の慰問にやってきたデラックスファイター鷹の爪団
「ギャラが安くとも、今のうちに子どもたちを洗脳すれば、将来グッズを買ってくれるはず」と、のたまうデラックスファイターは、どうやら頼まれてもないのに、自ら売りこんできたらしい。
(スパイなのに、すっかり鷹の爪団の友人になった)森田は「サラッとクズみたいなこと言った!」とツッコんでいたが、「クズみたい」でなく「クズ」で充分である。

それはそれとして、グッズは売ってください。私が買うから。
あと、握手とサインとヒーローショーもお願いします。

ところで、ヒーローショーといえば、こちらもコロナ禍で痛手を受けたイベントの一つである。
私は、特撮ヒーロー作品のファンでもあるので、ヒーローショーの醍醐味である応援の声出しや、客席の通路を使った演出、ショー終了後の握手会が、だんだんとなくなっていき、ついにはショー自体が中止になってしまったことが、とても寂しかった。
最近やっと、感染対策しつつ、ショーを開催しているところもあるようだが、元のような演出ができるようになるのは、まだ先になるだろう。
近い将来、皆が大手を振ってヒーローたちを応援できる日が来ることを祈っている。
ガワ(着ぐるみ)と濃厚接触したいよう。

そういえば、デラックスファイターも第1話で「コロナ自粛のおかげで、めっきり仕事が減って」と嘆いていた。
この混乱期に、新たに人を雇い、新事業を始めるのは並大抵のことではない。
ましてや、デラックスファイターが雇ったのは、世界的なIT企業・クロッター社で働いていたエンジニアたち。
彼らがヘッドハンティングされたのか、リストラされたところを拾い上げられたのかは、劇中では描かれていないが、いずれにせよ、それなりの条件でなければ、ITビジネスのノウハウのない会社にわざわざ雇われたりしないだろう。
(まさか、DXを読み間違えたとか言わないよね……?)

デラックスファイターが、金の亡者であるのは紛れもない事実だが、同時に彼は、たくさんの社員を抱えたリーダーであり、一家の大黒柱である。
そんな彼が、若者の雇用を生み出したり、自ら売りこみに出て積極的に仕事を増やしたりする姿勢は、評価に値する、というか、資本主義のプラス面である、とも言える。
めっちゃ迷惑がられてたけど。
○○グループの集金とか、聞こえなかったことに、しとくけど。

* * * * *

思えば、ヒーローというのも因果な商売だ。
都合の良い理想像を押しつけられ、当然のように献身を求められ、そこから少しでも外れると叩かれる。
そういう意味では、医療従事者に対する世間のイメージと共通するものがあるのかもしれない。
『Game Changer』のナース人形のモデルと思われるフローレンス・ナイチンゲールは「犠牲なき献身こそ真の奉仕」と言い、自分のイメージを神格化され、都合の良い広告塔として利用されることを嫌ったという。

さて、子どもたちに「インチキヒーロー」だと嫌われているデラックスファイターは、色々あって、看護師の杉原さん(CV上野アサさん)と一騎打ちになる。
得意のグレイシー柔術で、(ヒーローショーなのに)うっかりデラックスファイターを倒してしまう杉原さんは、病院をクビにされそうになるが、戦う杉原さんの姿に勇気をもらった子どもたちは、彼女をかばう。
まさに杉原さんこそ、子どもたちの真のヒーロー。
デラックスファイターがクズであればあるほど、杉原さんの強さ・かっこよさが光るのだ。

だが、それは、杉原さんが、日頃から子どもたちに寄り添い、プロの仕事をしてきたからこそ。
彼女が真に戦う場所は、ショーステージの上ではなく、子どもたちが待つ病室だ。
一時の英雄的行為だけをショーのように無邪気に消費するだけでなく、医療従事者の働く環境をより良くするために、私たちができることはなんだろう。課題は多く、深い。

* * * * *

そして、「ウィズコロナ仕様」の極めつけは、第9話「怒りのスペル」以降のクライマックスで登場人物たちが直面する、「ゾンビ・スペル」の脅威。

事の経緯は、後ほど詳しく書くが、この「ゾンビ・スペル」というのが、非常に厄介な代物で、「音声だけで効果を発揮する」という「ゴールデン・スペル」の特徴を備えたゾンビ・ウイルスのようなもの、なのだ。
人から人へ、声で感染し、うつした相手をゾンビ化させてしまう。

「見た目だけじゃゾンビはわかりませんよ。
 ひょっとすると、お隣さんや友達、会社の上司もゾンビ化しているかも。
 みなさん、ちゃんと囁かれないように、ソーシャル・ディスタンスを取って、耳栓で対策してくださいね。
 ウィズ・ゾンビ時代は自衛ですよ」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第10話「ゾンビ・スペル」)

このシュガーの演説が非常に鬼気迫っていて、恐ろしいので、ぜひ文字だけじゃなく音声で聞いてください。

ウィズ・ゾンビ時代に突入した世界は、大混乱。
この混乱の中で、「ゾンビ・スペル」を無効化――いや、すべての「ゴールデン・スペル」が効かない体になる呪文「アルティメット・アンチ・スペル」というワクチンを作るための善意の言葉を、果たして、鷹の爪団は集められるのか。というのが、物語の最後の鍵となる。

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「日清食品宣伝大作戦」と『鷹の爪』の身内感

もう一つ、『ゴールデン・スペル』を語る上で欠かせないのが「日清食品宣伝大作戦」だ。
これについては、私が説明するよりも公式動画を見てもらったほうが早い。

当初、「新アニメのスポンサーが決まらない!」と在家団員をやきもきさせていた鷹の爪団だが、あの日清食品が手を上げてくれて一安心……と思いきや、「吉田くんのCMの出来が良ければ、提供費を払ってくれる」ということで、どうも一筋縄ではいかない。

アニメと同時進行で「果たして、日清食品は提供費を払ってくれるのか」というメタストーリーが展開するのだ。

* * * * *

古くからの鷹の爪ファンは、ご存知だろう。
『鷹の爪』シリーズでは以前も、「TVシリーズが始まるのに、提供がつかない」ということがあった。
シリーズ2期『秘密結社鷹の爪カウントダウン』における「SUNTORY提供獲得大作戦」である。
毎週、鷹の爪団がサントリー商品のCMを勝手に作り、提供スポット枠で「サントリーは提供しませんでした」と流れる。

もちろん本当に非提供だったのかというと、そこは「この物語はフィクションです。大人だからわかりますよね?」ということなのだが。

* * * * *

今回の「日清食品宣伝大作戦」は、その再来とも言える。
私は『カウントダウン』の頃をリアルタイムで観ていないので、『ゴールデン・スペル』で、あの伝説の追体験ができる! と、とてもワクワクした。

視聴者が「え、この番組スポンサーないんだ?」と気になって、番組終了後、WEBに行くと「今日もダメだったね」という反省会を総統と吉田くんが開いている。視聴者はリアルに「ダメだった」吉田くんに共感せざるを得ない。回を重ねるごとに「今週はサントリー、スポンサーになってくれたかな?」と気になってしまう。そしてついに最終回のみ「提供はサントリーです」と伝えられる。それを見た視聴者はいつの間にか『鷹の爪』の身内になっていた。最終回の放送は「いまだかつて伊右衛門のCMにこんなに感動したことがあっただろうか」という声がネットにあふれた。

(引用:『必修科目鷹の爪』内藤理恵子/著,プレビジョン/刊,2013年,P82-83)

この「身内感」こそ、『鷹の爪』シリーズの最大の武器である、と私は思う。
たとえ『鷹の爪』がオタクからファミリー層まで名の知れ渡ったメジャーコンテンツになろうと、ネットの社交場がBBSからSNSに移ろうと、それは変わらない。

理想と現実の間であがき、時に怠惰に流されながらも、優しさと信念を忘れない鷹の爪団は、私達と同じ時代を生きる友人のようなキャラクターなのだ。

FROGMAN:劇中の鷹の爪団って貧乏で力もなくて、誰もが憐れむ対象じゃないですか。そんな彼らが「お金がほしいから」という一心で必死に宣伝をしている姿を観ると観客は「いっちょ彼らのために宣伝してる○○を買ってやるか」という行動をしてくれるんですよね。そういう意味では『鷹の爪』という作品はあまりメジャーになっちゃいけないのかなという気もしています。

(引用:映画『鷹の爪GO』パンフレット「Special対談(FROGMAN、サンキュータツオ)」,2013年)

事実、今回の「日清食品宣伝大作戦」の一つ、「日清食品みんなで宣伝大作戦!」キャンペーンでは、アニメやCMの感想だけでなく、自らCMの商品を購入し、食リポする在家団員たちの姿が、たくさん見受けられた。

まあ、これは、アニメ放送時間中に行われていた、監督・スタッフの生配信(TwitCasting、Youtube LIVE)に合わせて、一緒に食べるという目的もあったのだが。

生配信の一部は、Youtubeの鷹の爪公式チャンネルにアーカイブが残っているので、これから『ゴールデン・スペル』を観る人は、そちらも合わせて観ると楽しい。

毎週、日曜の深夜という時間帯にも関わらず、楽しいトークをしてくださったFROGMAN監督、谷プロデューサー、ディレクターの轟おうるさん、また、配信を影で支えてくださった成島プロデューサーや、FROGMAN監督の奥様には、本当に頭が下がる。
だって、日曜の深夜である。何度も言うけど。深夜っていうか日付変わって、本当は月曜日だ。
こっちは趣味だから、いくらでも観るけど、あちらは仕事なのである。

* * * * *

ファンを指す「在家団員」という言葉も――たしか、以前、TOKYO FMにて放送されていた「鷹の爪団の世界征服ラヂヲ」あたりから出てきた言葉かと思うが――「身内感」を演出するのに一役買っている。

「俺も手伝わせてくれ。俺、アンタの仲間にさせてくれよ。赤いもの身に着ければ良いんだろ」

(引用:『秘密結社鷹の爪』第11話「ファイナルアタック 後編」)

共に「世界征服」を目指す仲間であれ、と。

こういうやり方は、結構、好き嫌いの分かれるところだろう。
だが、ファンというのは基本的に勝手な生き物だ。
勝手に好きになり、勝手に憧れ、勝手に失望し、勝手に飽き、勝手に去っていく。
心が離れたわけではなくても、諸事情でファン活動ができない時もある。
私個人としても、『鷹の爪』がこれまで歩んできた道に100%ついて行けたわけではない。

それでも、好きで居続けられたのは、FROGMAN監督ないし『鷹の爪』のキャスト・スタッフ陣が、ちゃんとファンのほうを向いて、ファンの声を聞いて、作品づくりをしてくれていると、肌で感じ、信じられたからだ。

こうやって、長く付き合える、好きでいられる作品と出会えたことは、とても幸せなことだと思う。

* * * * *

さて、結局『日清食品宣伝大作戦』は、どうなったのか。

最終回のCMを、なんとラ王の「まるで生麺」食感にちなんで、BS11とTOKYO MXの放送時間に生放送でやる! と豪語した吉田くん。
「生にこだわってWebでも上げない」という宣言には、賛否両論巻き起こった。

テレビCMというのは色々と制約が多いらしく、絶対にミスの許されない中、事前に絵コンテを公開する吉田くん
相変わらず、自らの首を締めていくスタイルである。

いよいよ、本番。
総統吉田くんの着ぐるみ、日清食品の麦山部長に続き、声優の中田譲治さん、中谷一博さんが、担当キャラクターのコスプレで登場。
和やかな雰囲気で撮影は進み……。

「この番組は、日清食品の提供でお送りしました」

そう! これが聞きたかった!
生放送CM大成功&アニメ全話分の提供決定おめでとうございます!!

実は、本編でも、ちょいちょい登場していたラ王。
どんな活躍を見せたのかは、あえてここでは書かないが、『鷹の爪』らしい見事な伏線回収だったと記しておく。

販促の上手いアニメは名作の法則。

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総統の信念と、黒輝の正義

そもそも、鷹の爪団が、目指す世界征服とは何か。

「なんて愚かじゃ……。
 なぜ世界征服を企むのか。くだらん国境を取り払って、世界を一つに結び、疑いやいがみ合い、傷つけ合うことなく、格差をなくし、誰の子どもも自分の子どもと同じくらい愛するのが、世界征服の意味じゃないのか」

(引用:『秘密結社鷹の爪』第11話「ファイナルアタック 後編」)

なぜ総統が、そう決意するに至ったのかについては、映画『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE ~総統は二度死ぬ~』を観てください。

一方、今作のキーパーソンであり、世界的IT企業・クロッター社の社長にして、秘密結社シャイニング・ブラックの総帥、黒輝誉(CV:中田譲治さん)は、こう語る。

「愚かな連中が世界を破滅させる前に、俺が強く正しく導くのだ。
 お前もそうだろう、鷹の爪団の総統」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第7話「吉田の策略」)
「我々は死神だ。正義の死神だ。
 この窒塞した世界の中で、古い秩序に縋って生きる亡霊どもを地獄に送り、新たな秩序をあまねく地上に行き渡らせるのだ。
 そのために行われる行為は、すべて許される!」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第9話「怒りのスペル」)

今ある社会秩序を壊し、その上に「自分が思う、より良い新たな秩序」を築こうとする、総統黒輝
現代社会から見れば、二人とも間違いなく「悪」である。
どちらの世界征服が実現したとしても、その過程で傷つく人は必ずいるはずだから。

しかし、その動機には大きな違いがある。

* * * * *

この二人、実は中学時代の同級生なのだが、40年前、二人の差を象徴する事件が起こっていたことが、第5話「お世辞を言われると服を破る・スペル」にて判明する。

優等生であることの重圧によるストレスから、喫煙をしていた少年時代の黒輝。喫煙を総統に見つかった上、誤って火事を起こしてしまった黒輝は、総統を脅し、罪をなすりつけていたのだ。

ちなみに、このシーン、「中田譲治の少年ボイス」という非常にめずらしい演技が聞ける貴重な場面でもある。

おそらく、挫折なき人生を送ってきた黒輝にとって、その事件は、少年時代の唯一の汚点、黒い思い出として残っていたのであろう。
総統と再会した黒輝は内心、40年前の件で恨まれているのでは、と気にしていた。もしかしたら、多少の後悔もあったかもしれない。
しかし、当の総統は「あの程度のことは、わしの人生じゃ日常茶飯事」と、すっかり忘れていたのだ。

私は、このエピソードに、総統の優しさと強さ、そして、幾ばくかの残酷さを感じた。

幼少期より、周囲に蔑まれ、踏みつけられ、いじめられてきた総統
前妻に逃げられ、息子と生き別れ、身に覚えのない娘ができ、年金も払えず、積み立てた保険も解約して、バイト先では年下の上司に怒鳴られる。

表向きには哀れな弱者であり、その心には深い慈愛を秘め、とは言え、聖人君子というわけでもなく、存外、俗っぽい。「未練が残るから妻子は持たない」と言いつつ「エロい嫁ほしい」とか言うし。

実は、映画『鷹の爪GO』で、総統は、トリドン星の王族の出身であった可能性が高いことが判明している。
自らの利益よりも他人を優先するのも、いくら怪我してもすぐに回復するのも、尖った耳も、トリドン人の特徴だというのだ。
いわゆる「貴種流離譚」ってやつである。

もっとも、いくら、元は高貴な身の上とは言え、何かと不幸な幼少期を過ごしてきた総統が、まっすぐに生きてこられたのは、育ての親である栃木の両親の影響もあるだろう。

総統――小泉鈍一郎という男は、英雄のサガか、他人から忌み嫌われる宿命を背負って生きてきたが、一方で、彼が本当に愛する人達は、彼に惜しみない愛情を与え、鈍一郎もまた、愛を返した。

彼の世界征服には、そこで生きる者……特に、どちらかというと「弱き者」への愛が軸になっている。

「何が正義じゃ。何が悪じゃ。
 世の中には、わしみたいな努力したくても努力の仕方もわからないような愚か者がおるんじゃよ。
 子どもの頃からウスノロと笑われ、大人になったら能無しと言われ、散々殴られた。
 何をやっても失敗ばかり。トーストだっていつも焦がしてしまう。
 あげくに大事な仲間も助けられなくて、ただメソメソ泣くばかりじゃ。
(中略)
 わしがお前たちと違うのは、わしは誰も恨んでおらん。
 みんなが幸せになれば良いと思っておる。
 そう、わしらの世界征服には、愛が溢れとるんじゃーい!」

(引用:『秘密結社鷹の爪DO』第38話「さらば、愛しきロクデナシ 後編」)

この、努力したくても努力できない、社会的に弱く、でも支え合って生きている総統のような「愛しきロクデナシ」を慈しむ視線、というのは、FROGMAN作品の一つのテーマとなっていて、歴代『鷹の爪』シリーズでも、総統以外に、虐げられる弱い立場の者が必ず登場し、世界を救うために立ち上がったり、逆に支配階級に噛みついて世界を恐怖に陥れたりする。
『ゴールデン・スペル』では、主に、シュガー岩佐澄平(CV中谷一博さん)が、それにあたる)

(↑このインタビューとか、その辺が詳しく語られてて、おもしろい)

『鷹の爪』のレギュラーキャラたちは、みんな、総統の生き様に影響を受けて、集った者だ。
影響の受け方は、人それぞれだが、みんな、なんだかんだで総統のことが好きで、彼の傍にいる。

デラックスファイター
「駄目だよ……仲直りしないと。
 僕さあ。ここに来るのが楽しみだったんだ。
 いつも楽しそうに世界征服しているみんなを見ていると、僕まで幸せな気分になれたんだよ。
 鷹の爪団のみんなには、いつまでも仲良しでいてもらいたいんだよ。
 お願いだよ。仲直りしてよ」

(引用:『秘密結社鷹の爪EX』第6話「正直スプレー」)
吉田
「違いますよ! 総統が大好きだからですよ!」
(中略)
「僕だけじゃありませんよ。博士もフィリップも菩薩峠も、総統が本当の親父だと思うくらい大好きですよ。
 じゃなきゃ、こんな貧乏で弱っちい、泣き虫あご太郎に、命がけでついていくもんですか!」
(引用:映画『鷹の爪GO ~美しきエリエール消臭プラス~』)
フィリップ
「俺の父親も、オキテマスに負けず劣らずのロクデナシのダメ親父なんだ。
 だから、こんなことは慣れっこだ」
(中略)
「いい歳こいて夢みたいなことばかり言って、自分が食べることにも困ってるくせに、世界中を幸せにしようとする馬鹿野郎だ。
 でも、みんな、そんな親父が大好きだから、こうやって戦ってる」

(引用:映画『鷹の爪GO ~美しきエリエール消臭プラス~』)

(ちなみに、総統本人は気づいていないのだが、フィリップは、総統と前妻の間に生まれた生き別れの息子(本名:岡本和夫)である)

そんな総統の記憶からこぼれ落ちてしまった黒輝は、所詮その程度の男だったのであろう、と私は考えた。
いや、総統の中での黒輝は、いつまでも「優秀な同級生」で、それ以上でもそれ以下でもないのだ。
黒輝誉にとっての人生最大の汚点は、小泉鈍一郎にとっては取るに足らない日常の1ページだった。
それだけのことだ。

…………そう、思っていたのである。第11話までは。

ところが、最終回、第12話「アルティメット・アンチ・スペル」で意外な事実が判明する。
これについては、作品の印象を左右する、非常に重要なシーンなので、後半で語りたい。

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆

デラックスファイターの正義と悪(と金)

デラックスファイターのことを思う時、全然関係ないのに、なぜか頭をよぎる話がある。

直木賞作家・三浦しをん先生が、20代の頃に書かれたエッセイ『桃色トワイライト』の中で、しをん先生とご友人が、野球選手の対談番組の感想を語るエピソードだ。

「この二人が、野球の神に選ばれた人間なのは間違いないよね」
「ありませんね。でも、選ばれかたがどこか違います」
「うん……。イチローさんは、野球を高い次元で表現する使命を与えられ、苦しみながら試練を越えていくよう運命づけられたひとだよ。だけど松井さんは、もっと単純に、ただただ野球の神に愛されているひとだよね。野球神も『ういやつ、ヒデキ』ぐらいに思って、いつもニコニコと彼のプレーを見守ってる感じがする」

(引用:『桃色トワイライト』三浦しをん/著,太田出版/刊,2005年,P89)

なにが言いたいかというと、
「もしも『正義の神』『悪の神』という存在がいるならば、デラックスファイターは双方から、めちゃくちゃ甘やかされて育ってるよね(真顔)」
ということなのだが。

そんなデラックスファイターのポテンシャルが、最大限に発揮されるのが、第4話「手助け・スペル」だ。

レオナルド博士が作った秘密兵器「ノーアイデンティティ」を使って、公園で世界征服を企む鷹の爪団のもとに、突然デラックスファイターがやってくる。
……そういや、この男、アイデンティティと関係なく、親の家業を継いだ人だ。

なぜか、「泉のように純粋」な瞳で、鷹の爪団の世界征服を手伝いたいと言い出すデラックスファイター
悪の秘密結社のスケジュールが、正義の味方(デラックスファイター)と、よその秘密結社のスパイ(森田)に、共有されている……。
鷹の爪団と共に公園での世界征服を始めたデラックスファイターは、悪の才能がありすぎて、「DXの爪団」の総統を名乗り、暴走してしまう。

デラックスファイターを心配して、探しに来たDXカンパニーの重役たちは、事の次第を鷹の爪団に聞いて青ざめる。

「いかん。社長に悪をやらせたら、歯止めが効きませんぞ」
「正義の味方だったから、かろうじて悪を抑えていたんですから」
「どういう正義の味方だよ!」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第4話「手助け・スペル」)

どうやら、これは、善悪関係なく、むやみに人助けをしてしまう「手助け・スペル」ではないかと気づいた鷹の爪団「DXファイターズ」を名乗り、「DXの爪団」を止めに行くのだった。

結局、デラックスファイターの暴走は、フィリップの機転で抑えられる。
デラックスファイターには金。
さすが、デラックスファイターに密かに憧れていたこともあるフィリップだ。あの馬鹿の扱いをよくわかっている。

その後、鷹の爪団は、しばらく「DXファイターズ」として活躍することになることになる。

第5話「お世辞を言われると服を破る・スペル」で、グルテン王国女王をもてなす宮中晩餐会に、「DXファイターズ」として招かれた鷹の爪団デラックスファイターは、警察から、ジャジャッカルなる国際テロリストから女王を護ることを頼まれる。

で、もちろん、サブタイトルの通り「ゴールデン・スペル」をめぐる一騒動が起きる。それはもう、景気良く、服を破る。

この回に登場するジャジャッカルは、フレデリック・フォーサイスの小説を原作とした映画『ジャッカルの日』のパロディのようだ。
……私は、不勉強で、この作品は未見なのだが……1960年代のフランスを舞台に、シャルル・ド・ゴール大統領の暗殺未遂事件という史実と、「秘密軍事組織」が雇ったプロの暗殺者ジャッカルによる新たな暗殺計画というフィクションが描かれた作品であるらしい。
史実とフィクションが交錯する『ゴールデン・スペル』ジャジャッカルが登場したことにも、意図的なものを感じる。

* * * * *

デラックスファイターという男は、本当に不思議なキャラクターで

「え? なんで知らない人、助けんの?」

(引用:『秘密結社鷹の爪NEO』第32話「逆に言えば」)

と本気で言ったかと思えば

「人助けするのに資格とかなんとか関係あるかよ!」

(引用:『秘密結社鷹の爪EX』第9話「1級正義の味方技能士」)

と捨て身で飛び出していったりもする。

『ゴールデンスペル』では

「悪のアイデンティティだって? 俺にはハナから善悪の基準なんかねえんだよ!」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第4話「手助け・スペル」)

なんて言っていたが、善悪の基準がないと言うよりは、良くも悪くも、その時の純粋な気持ちに従って行動している、という印象だ。
まさに「気分次第」なのだろう。あと、金。

そもそも、デラックスファイターは、好きで正義の味方になったわけじゃない。先程も書いたが、親の家業を継いだだけなのだ。
「手助け・スペル」の件で顕著になったように、本人の性格からすれば、一見、悪の道のほうが向いているようにも見えるし、存外、臆病者なので、危険な仕事はしたがらない。

そんな、彼が正義の味方を続けている理由の一つが、鷹の爪団だ。

19歳の頃、日本にやってきて、当時、鷹の爪団の2つ前の組織「黒い爪団」総統をしていた小泉鈍一郎と出会ったデラックスファイターは、そこで総統から大金をせしめたことで、「正義の味方って儲かる」と学習してしまったのである。
そこから、総統デラックスファイターの長い腐れ縁が始まるのだが、前身である「竜の爪団」が壊滅し、鷹の爪団が設立してしばらくは、わりと本気で戦い合う関係だったように思う。
戦い方は、主に一方的なデラックスボンバーとカツアゲだったけど。

総統吉田くんフィリップ(と、一部戦闘員と怪人?)だけだった鷹の爪団に、レオナルド博士菩薩峠くんが加わり、疑似家族のような和気あいあいとしたチームが出来上がるのに伴い、デラックスファイターも、だんだん鷹の爪団の「わがままな末っ子」ポジションにおさまってきたのではないだろうか。
作中の発言からして、彼が、総統の理念を知ったのも、鷹の爪団が今のスタイルになってからではないかと思う。

デラックスファイターは、ヒーローになるべくして生まれ、おそらく、本人の意志とは関係なく、ヒーローとして祀り上げられる宿命を背負って生きている。
彼が、どんなに悪辣な振る舞いをしても、結果として英雄的行為と世間に捉えられてしまう。
それは、ある種のチート能力であり、同時に呪いのようなものでもある。

ヒーローとは孤独な生き物だ。
デラックスファイターは底抜けの馬鹿なので、その孤独を表に出すことは少ないが、時々、家族にすら理解されない寂しさやプレッシャー、己の力不足への嘆きを、台詞の端に吐露することもある。
彼が、時たま、鷹の爪団の前で素直になる姿は、とてもいじらしく、愛おしい。

「でも、みんな仲良しで楽しそうで、大きな夢を抱えて生き生きしている。
 俺は、そんな鷹の爪団を見ていると、なんだか羨ましくて、ついつい奴らに意地悪してしまう。
 この居心地のいい秘密基地に、どんな些細な理由でもいいから長くいたい。たとえ嫌がられても」

(引用:『秘密結社鷹の爪DO』第8話「面倒くささで世界征服」)

それでも、デラックスファイターは、自身のスタイルを崩すことはない。
いつでも、胡散臭い笑顔で堂々と立ち、行く手を阻むすべてのものを吹き飛ばす。
傍若無人で根拠のない自信に満ちたデラックスファイターが、私は大好きだ。例の怪人ではないが「いのちの輝き」を感じる。
彼にかかれば、日常のちっぽけな不安感なんて、全部「はーはっはっはっはっはー!」とボンバーの塵にしてくれそうで。

どんなにクズ野郎でも、泣き虫の弱虫で、金の亡者でも、たとえ今期の出番が、後半ほぼなくて視聴者に「何やってんだ」とか言われても鷹の爪団の傍でケラケラ笑っていてくれる限り、デラックスファイターは私のヒーローだ。

(まあ、前半で、お釣りが来るくらい活躍したからね)

いつぞや、作中で、デラックスファイターのファンの少女が言っていた。

「底抜けにダッサダサで、地獄の亡者のような欲の深さ。自分が正しいと完全に思いこんでる勘違いっぷり。そうだよ。それでいいじゃない」
(中略)
「でもね。デラックスファイター見てるとさあ。なんか『生きてる~』って感じがするんだよね……。こんな大人だっているんだから、まだこの世は、大人になるだけの価値はある、って」

(引用:『鷹の爪 .jp』第4話「戦え!DXファイター」)

デラックスファイターには、これからも正義も悪も超越した唯一無二の存在であってほしい。
そして、その隣には、いつまでも歌とお菓子が大好きな「悪の秘密結社」がいる。そんな美しい夢物語を、願ってならない。

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆

ザハル×美冬の恋、ゾンビ・スペルに見る「言葉の力」

ところで、『ゴールデン・スペル』中盤において、視聴者の話題をさらったのが、クロッター社の副社長にしてシャイニング・ブラックNo.2の、アドリアン・ザハル(CV津田健次郎さん)と、内閣特命捜査室(NTS)室長の鳳美冬(CV佐藤利奈さん)による、敵同士のラブストーリーだ。

ザハルを一連の事件の黒幕ではないかと疑う美冬と、NTSを「倒すべき敵」とするザハルは、それぞれ、鷹の爪団に相手と引き合わせるよう命令する。
図らずも二重スパイのような立場になった鷹の爪団は、というか、主に吉田くんは、変装して相手に近づくようザハル美冬を促し、なぜか学園ラブコメを演じさせた結果、二人は本当にお互い惹かれ合ってしまう。

美冬に本気の恋心を抱いてしまったザハルと、ザハルに惹かれつつも、立場上、その恋心を利用するべきか悩む美冬
鷹の爪団のセッティングで、もう一度、顔を合わせるザハル美冬だったが、生真面目で恋愛経験の少ない二人は、吉田くんの指示のままに操られ、珍妙な行動を取る。

ちなみに、生配信での監督の発言によると、第8話「裏切り」美冬が(吉田くんに指定されて)持ってきたニワトリは、井伏鱒二の『丹下氏邸』のイメージが反映されているという。

『丹下氏邸』は、姫谷焼の窯跡発掘のため、村にやってきた「私」の視点から描かれ、村の収入役である丹下氏に雇われている男衆・谷下英亮が、仕事をサボったとして丹下氏に折檻されるシーンから始まる。
英亮を目にかけている丹下氏は、英亮が、よそへ奉公中の妻・オタツになかなか会えないことを気の毒に思い、材木仲買人を通して、あえて英亮が折檻されたことをオタツの耳に入れ、オタツが丹下氏邸を訪ねてくるように仕向ける。
その時、オタツがみやげに持ってくるのが竹籠に入れたニワトリの雛だ。
二年ぶりに再会した夫婦は、質素な挨拶を交わすのみで満足したようで、傍から見るとぎこちない。
英亮はオタツのみやげを、きまり悪げに「いなげ(変)なもの」と言い、オタツ自身も貧弱なみやげ物を恥じる。

ザハルとのデート(?)に美冬が持ってきたニワトリは、素朴な市井の人々、また場違いでぎこちないものの象徴、といったところだろうか。
本来、エリートであるはずのザハル美冬が、鷹の爪団と同じ位置、むしろちょっと下へと下りてきて、なんともチグハグな喜劇を演じる、おかしさと愛おしさ。

しかし、二人は、デート(?)の最後には自分の言葉でお互いの気持ちを確かめ合い、見事に結ばれるのだ。
この「自分の言葉で」というのが、結構、重要なポイントである。
思えば、ザハル美冬は出会った時から、お互いの身分を偽り、吉田くんを介して再会してからは、ずっと吉田くんに与えられた台詞を喋っていた。
そんな二人が、立場を超えて惹かれ合い、本音を交わすシーンでは、津田さんと佐藤さんの、まさにプロの仕事が見られる(聞ける)。

チューした! ギャグアニメなのに!
そして、赤ちゃん、もとい、卵が生まれた! ニワトリの!

美冬ザハルを「私の彼氏」と紹介された金子(CVバイク川崎バイクさん)以下NTS職員が、「おめでとうございます!」と、あっさり祝福するのもまた良い。
ちなみに、この金子、「赤ちゃん言葉」や「死亡フラグ」への造詣が深く、なかなか知的で愛らしいキャラクターだった。
「言葉の力」がテーマである作品において、いい感じにバランスを取ってくれていたように思う。ゾンビ化した時も、菩薩峠くんを肩車して遊んでくれていたので、部下の面倒見も良いのかもしれない。
演じる、バイク川崎バイクさんが、コロナ禍で書いたというショートショート集『電話をしてるふり』(ヨシモトブックス/刊)も、叙述トリックやトンチが効いていて面白かった。恋愛話が結構多めなので、ザハル美冬のラブコメが好みだった人は、こちらも合わせて読むと良いかもしれない。

* * * * *

「言葉は情報だけを伝達するものじゃない。
 人間の肉体や精神に密接に作用する。
 暴言で人は死ぬ時もあれば、どん底の中で救われたりもする」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第1話「ゴールデン・スペル」)

第1話でのレオナルド博士の台詞だが、このアニメ全体のテーマでもある。

今年は、つくづく、政治・報道・インターネットと、言葉の「善意/悪意」「重さ/軽さ」が問われた年でもあった。

* * * * *

ザハル美冬のラブコメに対し、「言葉の力」の負の面が現れたのが、クライマックスでの「怒りのスペル」事件~「ゾンビ・スペル」事件の、一連の流れだ。

謎の人物・シュガーの正体であった岩佐
幼少期、親に捨てられ、学校でいじめられ、先生に見放された岩佐は、ネットの世界に自分の居場所を見出し、エンジニアとしての才能を開花させていった。
黒輝にその才能を買われ、共にクロッター社を立ち上げた岩佐は、黒輝を心から慕っていたが、会社が大きくなるにつれ、岩佐以上に優秀なエンジニアが集まり、社内での居場所をなくしてしまう。

シュガーの起こした一連の事件は、主にクロッター社員へのちょっとした嫌がらせと、クロッター社に復帰させてほしいという岩佐の陳情だったのだ。
しかし、岩佐の弱さを嫌った黒輝は、「ゴールデン・スペル」生成プログラムを入手すると、岩佐を用無しとして追い払う。

気を落とした岩佐は、しょんぼりと帰宅するが、クロッター社が運営するSNSからのお知らせメールに添付されていた動画を、うっかり再生してしまう。
それは、シャイニング・ブラックが世界征服のために、バラ撒いた「怒りのスペル」だった。

通常時は、ボソボソと喋っていた岩佐から、しょんぼりした時の憐れみを誘う声、更に怒れるシュガーの「悪の華」らしい声色への変化という、中谷さんの演技の幅が、また素晴らしい。

スペルにより、黒輝への恨みを増幅されてしまった岩佐は、再びシュガーの仮面をかぶり、あらかじめ作っていた「ゾンビ・スペル」を街に拡散。
東京の街は、怒って暴徒化した人と、ゾンビ化した人で大混乱に。

ゾンビ化した人を先導し、クロッター社を制圧したシュガー「ゾンビ・スペル」は、ウイルスのように世界中に蔓延していく。

人々は怯え、疑心暗鬼に陥り、耳栓の高額転売が起き、SNSでは「若者が拡散している」「東京にこもってろ」と罵詈雑言が飛び交う。
そう、まるでコロナ禍で、マスクの高額転売や自粛警察が問題とされた時のように。

「勝手に怖がって、勝手に人を疑って、勝手に喚き散らしてる。
 それが、ゾンビ・スペルよりも恐ろしいってことに気づかない、馬鹿な連中さ」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第11話「決戦」)

地方に住んでいると、東京って、どこか別の世界の話のように感じてしまうことがあるが(まあ、いわゆる「東京都下」には、ちょっとだけ住んだことあるんだけど)、例の他県民排除的なニュースを、当時(今もか)、東京にいた人々は、また違った気持ちで聞いていたのだろう。

しかし、コロナ禍のSNSで飛び交ったのは、罵詈雑言ばかりではなかった。
誰とはなしに、励ましの輪も広がっていったことは、まだ記憶に新しい。
作中の「ゾンビ・スペル事件」においても、諦めの悪い連中が立ち上がっていた。もちろん、鷹の爪団だ。

大家の叱咤激励で、ゾンビの口をふさぐ「とりもち銃」を片手に、戦いへ乗り出す鷹の爪団NTS
苦戦し、仲間たちが倒れる中、鷹の爪団を応援する人々も現れた。

現実世界で助け合い、SNSでは励まし合う人々の声が鷹の爪団に届く。

「ありがとう! がんばってね!」

(引用:『秘密結社鷹の爪 ~ゴールデン・スペル~』第11話「決戦」)

作中にも出てきたこのメッセージは、コロナ禍で鷹の爪団が行っていたキャンペーンのテーマでもある。

そして、突破口となるのが、「鷹の爪コール」だ。
これは、音声ライブ配信サービス「Spoon」とのコラボ企画で募集していた一般エキストラ+αの声。
なお、鷹の爪団員にとって、この「鷹の爪コール」最敬礼に当たる。
ちなみに、私の声も入っているはずである。

そういえば、「たかのつめのポーズ」をしながら武器は持てないんですよね。

(引用:『必修科目鷹の爪』内藤理恵子/著,プレビジョン/刊,2013年,P37)

街中に、SNSにあふれる応援……「鷹の爪コール」の善意により、ついに「アルティメット・アンチ・スペル」を完成させた鷹の爪団は、最終決戦へ挑む。
その顛末は、アニメのほうで確認してほしいのだが……。

「作画のすごいところ大体」担当だというFLASH職人・西脇さんのアクションシーン。
覚悟を決める吉田主任レオナルド博士の言葉少ないやり取り。
フィリップの能力を最大限に活かした作戦。
緻密な伏線が張られた、スポンサーへのアピール(&アナログ武器の強さ)。

場面を盛り上げるmanzoさんの楽曲。
後日談のバックで流れる、ネクライトーキー「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」。
作品の最後を締める、EIKO+ERIKO「Chili Peppers」。

……からの、日清食品生CMまでの流れ。そのすべてが本当に見事だ。

* * * * *

そして、なんと言っても特筆すべきは、総統黒輝の、最後の会話である。

40年前の少年時代、黒輝に「何をやってもダメなやつ」と馬鹿にされていた総統は、なんとか黒輝を陥れるネタを探しており、彼が喫煙している事実を突き止め、事件の日、黒輝の決定的証拠を抑えるために待ち伏せしていたというのだ。
結果として、濡れ衣を着せられた総統は、人を恨んだことによる自業自得だと自分を戒め、その後、「誰のことも恨まない人生を歩もう」と心に誓うのである。

「あの」総統にも、人を恨む心があったのだ。
『鷹の爪』への思いが強い人ほど、この事実は衝撃であろう。

……いや、まあ、たまに「ぶっ飛ばしてえ……」とか言うけど。総統

しかし、彼はそれを自分の意志で乗り越え、今のような境地に至った。
最終決戦後、真っ先に「黒輝くん、大丈夫かね」と駆け寄る総統の、なんと優しく美しいことか。

* * * * *

一方、少年時代の黒輝は、総統が、いつか本当のことを周囲に話すのではないかと怯え続けた。そして、総統に罪をかぶせた己の弱さを憎んだ。
良心の呵責。それは自分だけでなく他人にも向けられた。
人のずるさや弱さを憎むようになった黒輝は、その憎しみから、シャイニング・ブラックを設立した。

己の間違いを悔い、岩佐に「心から」謝罪した黒輝は、総統に「お前こそ世界征服にふさわしい」と微笑む。
ただの悪ではない、黒輝の本心がやっと見えた瞬間だった。

FROGMAN監督は、当初、黒輝をもっと冷徹で人の心のない悪役(第1期のフェンダーミラー将軍のような)にしようと考えていたらしい。
確かに、物語開始時の黒輝は、自らの正義を疑わず、当たり前のように人を顎で使い、不要と判断した者をあっさり切り捨てていく男に見えた。

しかし、そこに人間的な深みを加えたのが、中田譲治さんの演技力。
中田さんの演技に合わせて、監督は、黒輝のキャラデザインや性格を変化させたという。
(ちなみに、ご存じの方も多いだろうが『鷹の爪』のアニメは、いわゆる「アフレコ」ではなく、絵よりも先に声や音を録音する「プレスコ」「プリレコ」と呼ばれる方式を採用している)

おそらく、この40年、黒輝が築いてきた人脈は、利害関係によるものが多かったのだろう。
しかし、そんな黒輝にも、心から慕ってくれた者はいたはずだ。
少なくとも、部下であるザハル岩佐は、黒輝を信じて忠義を尽くしてきたように見えた。

ザハルは物語の中盤で「愛」の素晴らしさに気づいて黒輝から離れ、岩佐黒輝本人に追い出され、シュガーとして牙を剥いた。
しかし、二人とも、最後には黒輝のもとに戻ってくる。

エピローグ、クロッター社の謝罪会見のシーン。
黒輝CEO(最高経営責任者)の左隣に座る、岩佐CCO。
CCOとは「Chief Customer Officer」の略で、「最高顧客責任者」と訳されるようだ。
これは、福祉事業のIT化をすすめる企業として、再出発したクロッター社が、もっと顧客の声に耳を傾けるという意志の表れであろう。
また、岩佐に対し「顧客に近い存在」として信頼を置くと、黒輝が認めた証のようにも感じた。

そして、黒輝の右隣に座るCFO(最高財務責任者)。顔は見えないが、スーツの袖の色と、一部だけ見えている名前からして、おそらくザハルだろう。人を愛する心を知った彼が、今後どういう仕事をしていくのか、非常に興味深い。
恋の「ゴールデン・スペル」は、クックドゥードゥルドゥー。

色々なすれ違いや、わだかまりがあったが、「仲直りできて良かったね」と素直に思える、とても素敵なシーンだ。

* * * * *

『鷹の爪』が意外と感動路線イケることくらい、ファンは、もちろん百も承知なのだが、こんなにも、あたたかでキラキラした宝箱のようなラストになるなんて、想像もしてなかった。

『鷹の爪』は、いつも、私の知らない景色を見せてくれる。
これだから、在家団員はやめられない。

◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆

2020年。
色々なことが起きた、そして、あるはずのことがなかった一年であった。

だけど、数年後に振り返る時……2020年の私の記憶は間違いなく『鷹の爪ゴールデン・スペル』と共にあるのだろう。

鷹の爪団と同じ時代を生きてきた。そして、これからも、きっと。
そのことが、とても嬉しい。

* * * * *

最後に。
こんな素敵なアニメを届けてくれた、監督・キャスト・スタッフ、それから色々な皆さま、本当にありがとうございました。

一緒に、あれこれ感想を語り合ってくれた、在家団員の皆さま、これからもよろしくお願いします。

そして、こんな感想だかなんだか、よくわからない怪文書を、最後まで読んでくださった貴方も。
来年は、より良い年になりますように。

さあ、また一年、張り切って世界征服!!
(f・д・)f た~か~の~つ~め~

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