海と水槽

20240420

ダイビングが趣味で、世界一周のサブテーマとして、世界中の海に潜るとするくらいには、ダイビングが好きで。
ダイビングの中で見る海や魚が好きなのであって、魚を家で、飼おうとは思わない。同じ魚でも、見る世界が変われば、また、違った感覚、感情となる。
ダイビングという非日常の中で見るから魚は素敵なのだ。
家という日常の中で見る魚はただの魚なのだ。

でも、実際に家の中の水槽を置いて、その中の水槽に魚を放してみるまで、わからない。家の中に魚がいつもいるという現実に向き合うまで、わからない。非日常を日常にするまで、わからない。

そして、あるとき、ふと気付くのだ。魚って必要なのかな、魚っていらなくないって。見たかったのは、魚が泳いでる姿ではなく、旅先の海の中を自由に泳ぎ回っている魚の姿なのだと。魚は非日常の中で自由に泳ぎ回っているから、素敵なのだ。水槽に囲ったら、魚は自由さを失い、その魅力も損なわれる。

その魚を我慢して、飼うかもしれないけど、その魅力を知っていれば知っているほど、魚を放つ。魚を海に帰して、自由にさせてあげる。多分それが魚にとっても本人にとっても、良いことなのだ。

私は魚で、水槽は家庭なんだろう。
私を家庭という水槽で飼わずに、海に放ってくれたのだろう。
私は、自由人だから。
私に、水槽は似合わないから。

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