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自転車という自由


20231016


自転車が好きなのではなくて、

自分の移動手段を復活させて、

自分の行動範囲が広がったことが、

嬉しいのだ。


18歳で原付を手に入れてから、すべての乗り物を処分して、世界一周の旅に出るまで、ずっと乗り物を持っていた。


いつだって、自分の意思でどこかへ行くことができた。

好きなときに、好きなところへ行くことができた。

そんな自由を持っていた。


でも、旅に出てから、価値観が一変した。

いつだって、どこかへ行く自由の定義は、「 明日、世界一周へ行く 」となった。

そのためには、荷物は極力少ないほうがいい、車もバイクも、駐車場が必要なだけでなく、手放すのにも時間がかかる。費用もかかり、大きな荷物となる。


だから、乗り物がない生活に違和感がなくなった。


そして、私には、時間があった。

無職なので、時間があった。

急ぐ必要なんてなかった。

すべてが自分の時間で、自由に使える時間だった。

乗り物で、急ぐ必要はなかった。

だから、必要性を感じなかった。


働き出してから、時間に追われるようになって、だんだんと、世界が変わり出した。


あれだけあった自由な時間は、なくなった。


急ぐ必要が生まれたけど、それでも、別に、公共の交通機関で問題なかった。


ちょっとした、移動のときに、レンタルチャリを利用したことがきっかけだった。


病んで電車に乗れなくなったときに、レンタルチャリで通勤した。


そこから、運動も兼ねて、レンタルチャリで、通勤するようになった。だんだんと、自転車が、自分の生活圏内に存在するようになった。


レンタルチャリは、片道だけという利用ができるから、非常に便利だった。朝乗って夜乗って帰るのは、面倒で、朝だけ乗りたくて、夜は電車で帰りたい。


極めつけは、友人から乗らないチャリを譲り受けたことだ。


そこから、私の自転車生活が始まる。


自転車で、出勤してみたが、やはり、片道だけ乗りたいのであって、往復だと、呑みに行きたいときに、呑みにも行けずで、行動が制限されて、嫌だった。レンタルチャリでの通勤がベストだった。


自転車は、休みの日に活躍した。普段は行かないような二駅先くらいの町中華も、行動範囲となり、いろいろな店の食べ歩きが、始まった。


ちょうど引越すこともあって、引越したら、もう二度と行く機会がないかもしれない、そうやって、自転車で、出かける生活が日常となった。


休みの日は、自転車に乗って、どこかへ出かける。電車に乗る煩わしさがなくなった。好きなときに、好きなところへ行けるようになった。行きたいときに、行きたいところへ、行けるようになった。


「 明日、世界一周へ行く 」よりも、目の前の今日や明日に、どこへでも自転車で行ける自由が、今の生活には合っているみたい。


乗り物という移動手段が、今の自分の行動範囲を広げた。たかが、自転車一台、されど自転車一台、でも、今の私の生活には、欠かせない相棒となった。


20年以上保持し続けた乗り物のことをすっかり忘れてしまうくらいには、世界一周の1年は、価値観を反転させた。


「 明日、世界一周へ行く 」ことは、いつでもできるけど、「 明日、世界一周へ行く 」よりも、自転車で、美味しいものを食べに行くくらいの生活が、今の私に合っている。


今の生活での自由、地に足が着いた生活の中での自由さが、今は心地よい。


今は、旅が、私を呼んでない。

いつか、また、あの旅に呼ばれる衝動が、私を突き動かすまで、今の自由さを堪能したい。


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