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【本要約】「好き嫌い」と才能


2021/11/10

わからない

あらかじめ決められたモノなんて、大したモノじゃない。

芸術を、小説や音楽というフォーマットを借りて、その形式に乗せて、予め自分の持っていた力を超えるところまでいかないと、何事もおもしろくない。

今の時代は「わからないことが悪」という風潮が強い。「要するに、何なのか」が常に求められている。正解がない中に居続ける余裕みたいなものがなくなっている。もちろん、答えが出せるものは、早く出せればいい。

でも、本当に私たちが人生を費やして考え続けなくてはならないものは、答えのない問いだ。考えても考えても結局答えは出ないんだけど、考え続けることでしか、近付けない何かなのである。

予定調和が人にある種の安心感を与えることは事実である。自分の想定内の範囲だから「理解できて嬉しい」という喜びを与える。しかし、次のフェーズに行くためには、理解し難いことを考え抜かないと進めない。

経営

経営者

経営は、人に任せて、一切、関知しないことだ。

経営というのは、
・人を信じてやるしかない。
・みんなの力を合わせてやるしかない。
→個の力よりも、最後は絶対にチームワーク

人材にはないモノねだりは止めて、良いところを見ていくしかない。

困っても誰も助けに来ない、調子が良くても自分でよりがんばらないと大きくならないのが、自分の足で立つ経営である。

企業というのは、法人なので、自分の足で立たないといけない。

判断力は思考なので鍛えているうちは衰えないが、行動力は年齢と共に衰える。

どこの国でも、急速な成長期の経済開発と既得権益はセットで出てくる。永遠の成長期はない。規制があったら、モノゴトが効率的に回っていかないのは当たり前である。その中に「損得勘定を超えて理屈抜きで、既得権益を守ろう」と抵抗する人がいる。

実際は、自分の体が健康で、世の中が平和で戦争がなければ、何をやっても何とか生きていける。しかし、人は、規制の外に出た後のことを想像できないから、恐れる。

大きなリスクをとって一発勝負した方が、現状に縛られず、固定観念に囚われない。

初めから、自分事として捉える。自分は「何をやるか?」何か自分が向き合うべきことがあって、うまくいくかよくわからないけど、とりあえず当たってみる。

会社と心中するくらいの気概で取り組む。

・目標に対してぶれない、絶対に諦めない。
・商売はやってみないとわからないから、やりながら考える。
・そこから学んで、次にチャレンジする。
その繰り返しで組織は強くなる。

自分がいなくても、やれる仕組みを作る、やれる人材を育てなくてはならない、やれる理由を説明しなければならない。その結果、得られる利益を説明しなければならない。それを腹落ちしてもらって、みんなでやる。いくら伝えようとしても、2割くらいしか伝わっていない。強烈な言葉と映像で示さないと伝わらない。

商売には波があって、気合と根性だけでは難しい時がある。客観的に見て、波がどうなっているのかを理解した上で、今ある現状を否定して、もう一度、分解して組み直したり、重きを置いているところを切り捨てて、波の立っている事業を主体にもう一度やり直したりといった戦略が必要である。

柳井戦略
新しい人間をボコボコ入れて、昔からいた役員に全部ご自分で説得して退いてもらい、若返りを図ったのです。そうやってガラガラとかき混ぜないと、次のステージには行けない。柳井さんは意図的に組織内に化学反応を起こした。強烈な化学反応によって会社が変わっていった。それを柳井さんがビジョンと目標の軸をぶれさせない強烈な経営者としてマネージしていく。

経営手法については、さまざまな理論があり、理論をベースにした科学的なアプローチは可能である。しかし、経営に関する理論自体は再現性がないため、科学ではない。あくまでも科学的に留まる。

好きと諦め

努力を強いられてやっていることは、うまくいかない。
それよりも、好きなことをやった方がうまくいく。

・本人が、努力だと認識した時点で、それは義務感で取り組んでいることで、自発的ではない。
・本人が努力だとも思っていない、好きなので、やっているだけだ。
・他人から見ると努力だが、本人にとっては、娯楽に近い。
・そのくらい好きじゃないと、他人と競えない。

諦めなければ夢は叶う。
しかし、夢以外は諦めなければならない。

重要な意思決定や決断は、常に何かを諦めている。

ビジョンとカルチャーという、会社とか個人の価値観、好き嫌いが先で、スキルは後から付いてくる。

経営の本質は多様性より統合である。仕事の組織として成果を出す以上、経営において一義的に大切なモノは、統合である。経営者は、共通の価値観で人々をしっかりグリップしなければならない。会社はいろんな強みや弱みとか持った人たちが、統合されていることが存在意義である。人々が共通の価値観を持ったときに初めて、ダイバーシティが大事になる。

経営は、ヒト・モノ・カネというリソースを、いかに配分するかという意思決定が仕事である。

マーケティング4.0

マズローの欲求で、最も高次元の自己実現であり、顧客の自己実現につながるマーケティングが主流になる。そこには、報酬すら存在しない、他者とのコミュニケーションや共感である。

ゴルフのスイングを変えるためには、練習場だけでは、スイングは変わらない、本番でやらないとダメだ。考えているだけでなく、実際に行動に移して初めて、できるかできないかがわかってくるのだ。仕事と同じである。新しくするためには、まず、既存の行動を捨てることだ。そして、とにかくやってみることだ。しかも、練習で極めるのではなく、本番で実践して変えていく。

前例がないやり方を試したときの結果は、自分の想像を超えているので、どんな結果でも、失敗ではない。誰もやったことないなら、思うようにいかないのは当然である。原因を調べて、自分の仮説にないモノは、新たな解決策を考えていくことだ。そうすると、だんだんと道筋が見えてくる。失敗ではなく、実験である。

業務領域が持っている、暗黙の前提に拘らない。どんな仕事でも、その仕事を前提に自分を合わせるのではなく、自分が好きで得意なパターンをその分野に持ち込めばいい。

自分の会社や経営を外から見たときに、他社と違いがあることが大切で、他社と一直線上に並べられてしまう人気ランキングには意味がない。就活生の人気ランキングは、ラーメンを食べたことない人による人気ラーメン店ランキングである。

マーケティングは、新しいカテゴリ・セグメントを、創ることだ。横にずらすことだ。人々の行動が変容したなら、イノベーションである。

仮説と時代の変化をどこまで読み通せるかが、ビジネスの成長を決める。

山登り

登れると思ってから、登り始める。登り始めたら、諦めない。登る前に、自分が取り組む事業の成功に夢中になれるか、自分自身が納得して、事業を続けていくことができるかを、自分と対話する。他人とは競わない、自分の山、自分の事業だけを見る。

アメリカの成功パターンは、Google、Twitter、Facebookのような、水平方向にネットの巨大なインフラを構築する。日本で成功しているネット会社は、ZOZOやメルカリのような、垂直方向でサービスや商品を深掘りしているところだ。

以前なら「この時点ではここまでは到達しておきたいな」といった目標があったが、会社を続けていくにつれて、「ゴールが大事なのか?それまでのプロセスが大事なのか?」が、わからなくなってきた。それで今は「毎日 " 夢中であること " が大事ではないか」と考えている。そのためには、「行き当たりばったりに進んでいく」のがいいのではないかと。夢中でいられるために「行き当たりばったり力」を上げていきたいと思っている。どうしても、新しいことをやらないと夢中にはならない。

法則

法則を持ち出して「こうするとうまくいくよ」というのは、心配事を煽る商売である。深層心理にあるネガティブな状況を浮き彫りにして、それを解消することである。

行動心理学のプロスペクト理論
人は、嬉しい気持ちと悲しい気持ちを比較すると、悲しいことを強く感じる。非対称である。

商売

商売の原点は、価値の転換である。

価値の転換を、社会とつなげ、実際の行動につなげる。常に工夫して試行錯誤する姿勢が、仕事をおもしろくするコツである。

商売は、やってみないとわからない。熱意で相手を説得する。

昨日の満足は、今日の不満であり、今日の満足は明日の不満である。毎日、寿司や焼肉は飽きる。一つの成功に安住してはいけない。

分業ではなく、一気通貫によって、顧客からのフィードバックがあるので、商売体験 = 経営体験によって、モチベーションを高く保つことができる。

事業は、まず、自社の強みが活きるかどうかで、負けるケンカは最初からしない、相手を見極める必要がある。

商品ありきのプロダクトアウトではなく、問題や不便を見つけて解決するというユーザーインで商売すれば、需要が創造でき、市場を拡大できる。

価格競争に晒されないために、常に独自のアイデアで差別化を図り、自社の価格で勝負していく。

経営者は、常に相手の立場に立つ。
・自分が勤めるなら、正しく評価してくれる会社に勤めたいか?
・自分が消費者なら、どんな商品なら買いたいか?

売上は手段、目的は利益

自分にとってのおもしろさと、商売として儲かること、両方実現すればベストだが、どちらか一方なら、おもしろさより、儲けを重視する。初期の頃は、おもしろさよりも、お金がまわることを優先させないと、結局は楽しめない。

お金は血と汗で稼ぐが、使うときはアートである。

仕事

「好きこそものの上手なれ」が最強の原理原則だ。

自分を向いた趣味と違って、自分以外の誰かの役に立っての仕事となる。人に価値を提供しなければ、仕事にならない。人の役に立てるということは、そのことについてよっぽど上手だということ。じゃあ、なぜそれほど上手なのか。有り体に言って努力を投入してきたから。しかも、長い間やり続けているということだ。結局のところ、努力量の積分値が大切に決まっている。

「努力の長期継続」といっても、実際のところ普通の人にとっては、なかなか難しい。娯楽なら何の苦もなく続けられるのに、努力は続かない。「努力」をしようと思うから続かない。「努力が努力じゃない状態」になればいい。すなわち「努力の娯楽化」が仕事のカギだという発想です。客観的には努力であることが、その人にとっては娯楽に等しくなる。その理由は、要するに「好きだから」。

以上の一連のロジックの最初と最後を取ると「好きこそものの上手なれ」になる。

好きなことをするよりも、嫌いなことをやらない。

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