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【本要約】0ベース思考

2021/9/16

概要

フリーク
・常識の枠に収まらない人
・既存の慣習に囚われない人

自分の利益と、みんなの利益が相反するときは、口では何と言おうと、自分の利益を優先する、それが人間という生き物だ。

問題を解決する方法には、「正しい方法」と「間違った方法がある」と考える人がいる。これでは解決できる問題も解決できない。フリークみたいに考える。

報酬を正しく理解すること、読み解くことが、問題を考える鍵になる。

・データを道具として用いる。
・一般通念は大抵間違っている。
・相関関係と因果関係は別物だ。

既婚者が独身者より幸せそうだからって「結婚したら幸せになるのか?」そうとは限らない。幸せな人は、もともと結婚する可能性が高いことがデータからわかる。

直感や主義主張を排除した経済学的アプローチである。データを基に世の中の仕組みを理解し、報酬や資源について明らかにする。物事の本質を捉えるだけだ。

人間は、政治的・思想的・文化的・その他のバイアスで先入観を持ってしまう。
現実の新しい情報よりも、自分が元々持っている情報に偏った思考をしてしまう。

人間は、みんなと同じは楽だから、現状に満足して、新しい考えを取り入れようともせず、考えることすら放棄して、人任せにする。

人間は、実際の料金を払わずに済むと、無駄な消費をしがちなのだ。食べ放題で、いつもよりたくさん食べるように。医療が食べ放題形式で提供されても同じことが起こる。料金を請求される場合と比較して、消費量が増えてしまう。

知らない

「自分は知らない」と言うことは、難しい。一方で、「自分が何を知らないか」を認めない限り、必要なことを学ぶことはできない。

「知っている」とはどういうことなのか?

・科学的に検証可能な知識は、既知の事実である。
・科学的に検証不可能な知識は、信念である。
信念 … ひとりひとりが「本当だ」と信じているけれど、検証が困難なモノ

私たちが意外に知らないのは、世の中のことだけじゃない。自分のことさえよくわかってない。人は、他の誰と過ごすよりも自分と過ごす時間の方が長いのに、自分のスキルや能力のことを驚くほどよくわかっていない。自分は、何かがうまいからといって、何かもうまくできるわけじゃない。

・「自分に能力がある」と思い込んで、「知らないことを知らない」と認めずにいると、手痛いしっぺ返しをくらう。
・私たちは、「知ったかぶりをして、間違いが判明したときのダメージ」より、「知らないと白状したときのダメージ」を大きく感じてしまう。

私たちは、大人になるにつれ、誰もが自分なりの固定観念を持つ。
そして、問題を解決しようとするとき、その固定観念が邪魔をする。

・本質を見えなくなってしまう。
・答えがわかっていて「善悪がはっきり線引きされている」と思い込んでしまう。
・「問題について知っている」と思い込んで、それ以上学ばなくなる。

何かを学ぶべきの鍵は、フィードバックにある。ある行動の結果を参考にして、次の行動を修正するプロセスを経なければ、何も学べない。

問題の捉え方

・「自分が知らない」と認めるのは、勇気がいる。
・「正しく問題を理解できていない」と認めるのは、もっと勇気がいる。

どんな問題を解決しようとするときでも、たまたま目についた気になる部分だけに取り組んでいないか気を付ける。時間と資源を使い果たしてしまう前に、「問題を正しく捉えること」「正しく捉え直すこと」が肝心だ。

私たちは、日々、物理的・経済的・時間的など、いろいろな障壁にぶつかっている。本物の障壁の場合もあるが、多くは自分が作った人為的な障壁である。問題を解決するだけでも難しいのに、最初から「無理だ」なんて障壁を自分で作っていたら、解決できるものもできなくなってしまう。

根本的問題

「問題を解決しよう」とするとき、1番近くのわかりやすい原因に目が向いてしまうせいで、新しい解決方法を見つけることができないのかもしれない。

飢餓とは、十分な食べ物が手に入らない人たちが存在する状況であって、そこに十分な食べ物が存在しない状況のことではない。腐敗した権力者が統治する国家では、食べ物が必要としている人の手に渡らない状況がある。
資本主義がヨーロッパに起こったのは、プロテスタントが「勤労」という世俗的な概念を、神から与えられた「使命」として受け入れたからだ。

望遠レンズを通して世界を見ると、現代人の行動が何世紀も前の根本原因によって左右されている例が目に付く。

現代は科学の時代だが、科学をもってしても、健康にまつわる迷信は打破できない。「病気への偏見」や、「医療は道徳的問題があるという決め付け」は、今も残る。

人間の体にいる微生物の数は、人体を構成する細胞数の10倍で、数百兆とも、数千兆とも言われる。微生物が人体最大の臓器で、微生物に人間の病気の根っこが潜んでいる可能性が示唆されている。病気は「腸内の微生物のバランスが崩れることで引き起こされている」という研究が進められている。抗生物質で治せない感染症の治療に、糞便移植が有効であることも報告されている。

ゼロベース

大きくではなく、小さく捉えて、小さく考える。

大きな問題は、昔から歴史的な天才たちが考え抜いていてきた問題である。それが、まだ解決されず問題のまま残っていることから、扱いづらく複雑であることを容易に推察できる。

自然のすべてを説明するのは、たった一人の仕事や、たった一時代の仕事としては荷が重すぎる。少しのことを確実にこなし、残りは後世に託した方が、何事も確かめずに憶測を基にすべてを説明するよりずっといい。
ニュートン

【小さな問題の長所】
・小さい問題は、競合が少ない
・大きな問題は、小さな問題の集まりである。
・大きな問題の小さな問題に取り組んだ方が、前進できる

何かを変えようとするのは難しい。
大きな変化より、小さな変化を促す方が容易である。

相手のビジネスの事情を知らない、ゼロベースの状態で、問題を考えることで、役立つアイデアが生み出される。

全くの無知は、中の人が思いもつかない、前提を疑ったり、指摘できたりする。

報酬

「自分が、どんな報酬を欲するか」を考えるように「相手が、どんな報酬を求めているか」を考える。お金を求めているかもしれないし、人に好かれたいとか、嫌われたくないとか、目立ちたいといった願望が報酬になることもある。

相手が、相手自身の求めている報酬がわからないこともある。
そして、言動と行動が異なることもある。

【実験】省エネの要因
・お金の節約になる ( 金銭的報酬 )
・環境保護になる ( 道徳的報酬 )
・社会のためになる ( 社会的報酬 )
・みんながやっている ( 群集心理報酬 )

ダントツ一位は、群集心理報酬であった。群集心理は、人の行動の様々な側面に影響を及ぼしている。群集心理は本能であるから、有用である。

公共サービスのメッセージは「社会的に望ましくない行動をしている人が大勢いること」を伝えて、人々を望ましい方向へ動かそうとする。
「こんなに多くの人が飲酒運転をしています、これを止めなくてはいけません」
=「自分と同じような多くの人々が、飲酒運転をやっている」というメッセージを流している。望ましくない行動を正当化している。

真新しさ・率直さ・コントロールによって、戦略を成功に導く。

【枠組みを変える】
・金銭的枠組み ( 金銭の売買 )
・敵対的枠組み ( 戦争や武道の勝負 )
・友好的枠組み ( 友人や家族の関係 )
・協調的枠組み ( 仲間やスポーツチーム )
・権威主義的枠組み ( 親・教師・警官・上司 )

境界を意識することなく、いろんな種類の枠組みを気軽に出入りしている。また、どの枠組みにいるかで行動が変わったり、報酬の働き方が変わることを自然に理解している。

自分と似た考え方をする人についてなら、どうすれば、行動を変えられるかをイメージしやすい。しかし、行動を変えたい相手というこは、自分のような考えをしていないから、期待したような反応が得られない。

相手の行動が今こうだから、この先もずっとそれが続くと思い込みがちだ。報酬の性質上、ルールが変われば行動も変わるし、期待しているような方向に変わるとは限らない。

人は、操られている感を覚えると反発したくなる。

相手の行動を変えたいなら、相手を礼儀正しく扱うのが1番である。礼儀を尽くせば、協調的枠組みに引き入れられる。

人は動かない

相手の考えは事実や論理よりも、固定観念や群集心理に根ざしていることが多い。だから、相手は自分が気付いてもいないバイアスを基に行動している。

人は明らかなことに気付かないこともある。
自分で気付いていないことに気付かないこともある。

万能の解決策なんて絶対に存在しない。自説の欠陥を隠そうとするのは、それ以外の部分も疑ってくださいと言うようなものだ。

・反論を利用して適切に返すことで自分の主張を強めることができる。
・原則や規則を繰り返し説いても効果がない。
・物語を語ることが相手を説得するもっとも良い術だ。
物語の全体は部分の総和より大きく、物語は、人物に感情移入しやすく、自分ごと化させやすい。

やめること

【止めることをためらわせる3つの力】
①止めるのは失敗を認めること
②サンクスコストの誤謬 ( コンコルドの誤謬 )
③機会費用の喪失

資源は無尽蔵にあるわけではない。今日の失敗を打ち切りにしなければ、明日の問題は解決できない。

・失敗をは無駄じゃない、失敗からも貴重なフィードバックが得られる。
・鍵は「さっさと安く失敗する」ことである。シリコンバレーの格言だ。
・失敗は束の間の挫折である。

止めるでなくても、捨て去るでもいい。いろんなことを止める。何を捨て去るべきか、捨て去るべきではないかを見極める。


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