杜埜 純/Jun Morino

札幌でひとり暮らしの30歳。物書きを目指して日々言葉を綴っています。過去にローカルWE…

杜埜 純/Jun Morino

札幌でひとり暮らしの30歳。物書きを目指して日々言葉を綴っています。過去にローカルWEBメディアの編集をしていたことも。noteでは、雑文エッセイ、書籍や映画のレビュー、私の好きな珈琲や北欧についてのコラムが中心になります。ぜひご覧ください。サポートもお待ちしております。

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  • 雑文集

    自分が書いた雑文をまとめています。取り留めのないものばかりなので、暇つぶしにどうぞ。

最近の記事

僕が職場復帰出来た訳~昨年の振返りと2023年抱負とともに

昨年の振返り あまり詳しく書くつもりはないが、一昨年の9月頃にまた体調を崩し、仕事を休むようになった。年を明けて復帰しても、続かず休むの繰り返し。僕自身、めちゃくちゃ焦っていて、その気持ちが見事に空回りしていた。 “ここで踏ん張れなかったら、たぶん仕事は辞めなくちゃならない”  言葉にはしなかったが、それは上司も僕も分かっていた。 「夕張、行く?」  ゴールデンウイークの明けた5月の中旬、上司からそう声を掛けられた。職場としても僕としても、文字通り最後のチャンスだった

    • 「持続可能な」消費生活のすゝめ

      最近、よく聞くようになった「持続可能な」とか「サステナブル」とかという言葉。昨年の菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」も話題になりましたね。現実に2050年までにカーボンフリーは実現できるのかはさておいて、「持続可能な」社会に向かっていくことは大切なことではないかな、と思います。 農業に目を向けてみると、私たちの知っているこれまでの農業というのは、地球温暖化に結構大きな影響を与えているのです。農業というと、自然と常に向き合っていて、気候変動の影響を受けることはあっ

      • 「障害」という言葉自体が障害なのだと気がついて……

        去年の8月、僕は「発達障害(ADHD)」という診断を受けた。僕のことをよく知ってくれている人は、(えっ、一体どこが?)という想いを抱くだろう。つまるところ、そういうことなのである。 「障害者」という呼称は、「健常者」が正常で、「障害者」が異常かのような価値観を、“グロテスク”に具現化したのだ。例えば、身体的障害者を初めて見る時、他の多くの人とは違うその姿に「気持ち悪い」という感想を抱くかもしれない。ただ、その気持ちを抱くこと自体は自然なことだと思う。初めて見るものに対して恐

        • 新政に恋をして

          第一章「新政との出逢い」僕が新政と出逢ったのは、ちょうど君に出逢った冬の頃だったと思う。その年の秋、ちょうど僕が26歳になる誕生日。札幌で僕が好きなアーティストのライブがあった。そして、君と出逢った。 君は可愛らしいお洋服に身を包み、もうすぐ冬になるというのに、半袖と短いスカート、軽いジャケットを羽織って、旭川から札幌のライブに来ていた。 ライブの後の高揚感もあり、知り合って直ぐにご飯に行った。その時はライブの余韻に浸っていた。すぐに連絡を取り合う仲になり、何回かデートを

        僕が職場復帰出来た訳~昨年の振返りと2023年抱負とともに

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          5本

        記事

          人が生きていく、ということ

          生活するために必要なこと 僕は無職だ。今は失業保険で生活している。その支給も今月末で終わる。これから生活していく為には「お金」が必要で、それを手に入れるためには「仕事」が必要だ。つまり、生活していく為には「仕事」が必要なのだ。好きでも嫌いでも、上司に叱られても、毎日会社に行って仕事をしなければならない。会社に行かない人もいるかもしれない。家でこうして文章を書いて生活している人や、動画を上げて広告収入を得ている人もいるかもしれない。「お金」を稼ぐ方法は自由で、好きなことを仕事に

          人が生きていく、ということ

          2021年初投稿

           年が明けた。2021年の幕開け。昨年の振り返りは散々したので、これからのことを綴ろうと思う。そうだね、これからの希望や期待も込めて、僕の夢の話でも書いてみようか。  「夢」と言っても、昔ほどきらきらとしたものではなくなった。昔はもっと、夢を叶えようと頑張る気概みたいなものがあった気がするのだが、気がつけば「叶えばいいな」程度のふわふわとしたものになっていた。 夢の中へ 僕は、街の喧騒から離れ、ひとり静かな離島の丘に住んでいる。小鳥の囀りで目を覚まし、熱々の珈琲を淹れる。窓

          12月31日の夜ご飯はカレー

          今年の振り返り 今、夕飯のカレーを煮込みながら、この文章を書いている。気がつけば今年ももう終わり。果たして、自分にとって2020年はどんな年になったのだろうか。ひと言で振り返ってしまえば、自分にとって一生忘れられない一年になったのは間違いないだろう。  1月、うつ病がきっかけで仕事を辞めた。それから一旦実家に戻るが、父親と喧嘩して家を追い出された。4月の半ば、ひとりまた札幌に戻り、失業保険で何とか生活をする日々。あの頃は、失業保険も来年の1月まで支給されるのだから、それまで

          12月31日の夜ご飯はカレー

          職場体験日記

          12月1日 入職日朝、6時前にセットしたアラームとともに目が覚めた。目覚めると同時にストーブの電源を入れ部屋を暖める。今日の天気は快晴。初日から吹雪でなくて良かった、とほっと胸をなでおろす。身支度と着替えを手早く済ませ、タッパーにご飯と作り置きしておいたおかずを詰める。 不安でも楽しみでもなく、昨日から続いていた一日かのように、初日の朝は始まった。大丈夫、と自分の心に言い聞かせ、落ち着いて時計の針を確認する。これからどんな一日が待っているのだろう。明日からどんな日々が続いて

          28歳独身男の話

          今年の1月末のこと、僕は仕事に行けなくなった。新しい仕事を始めてたった2か月しか経っていないのに、職場に行くのが酷く憂鬱だった。特に、Y氏がいる日は最悪だ。毎日ギリギリまで布団の中にいて、結局タクシーで職場に向かう。支払いはいつもクレジット。利用額はその身に溜まるストレスの如く膨れ上がっていた。ああ、このまま死ねればいいのに。死にたいな。そんな妄想が頭から離れなかった。 そうして、僕はあっさり仕事を辞めた。覚悟も何も無かった。 それと同時に、目の前の現実を全て壊したくなっ

          28歳独身男の話

          日記「19XX年7月7日」

          コンビニで弁当を買い、君の家に向かっている。ぽつりぽつりと夕方の雨に降られたが、幸い本降りにはならなそうだ。最近続く雨のせいで頭が痛い。もう会わないと心に決めたのも何度目だろうか。それでもまた、僕は君の「遊びに来ない?」という誘いに応じて君の家に向かっている。 306号室のボタンを押し、君を呼び出す。君は僕の名前を呼び、ドアが開く。何も言わずに僕は中に入り、荷物を下ろした。君は下着姿で洗濯物を干していた。少しは女性としての恥じらいを身に着けてほしいものだ。それは未だに僕のこと

          日記「19XX年7月7日」

          日記「19XX年6月30日」

          私には中学生から下の記憶が無い。気がついたら、私はおばあちゃんの家から近くの高校に通っていた。毎日、徒歩30分の道を、大雨の日も大雪の日も歩き通した。もう高校3年生。秋には大学の推薦入試がやってくる。私は道内の医科大学に進むつもり。“医科”と言っても医者になる訳じゃない。看護の方。でも、なんで私が看護に行くことにしたんだっけ? 私が看護師になんか向いてないって、自分でよく分かってる。死にたいって、いつも思ってる。手首をカッターで切ったこともある。赤い血がすーっと流れて、見て

          日記「19XX年6月30日」

          欠けたウィスキーボトル

          君が誰と寝て、僕が誰と寝るなどという問題は、人生を送る上ではほんの些細な問題なのかもしれない。僕は隣で柔らかい寝息を立てて眠る君を見て思った。僕は布団から静かに出て窓辺の椅子に腰を掛けた。ついでに冷蔵庫からヴィンテージ物のウィスキーをショットグラスに注いだ。眠れぬ時の睡眠導入剤だ。 僕は最近夢を見る。僕が君を殺し、最後には僕も死ぬ。死に方は毎回変わって、溺死だったり首吊りだったり、バラバラにしてシチューにして食べてしまうなんてのもあった。これは何かの暗示なのか。 駅のホーム

          欠けたウィスキーボトル

          ウチウ岬の噂話 その1

          時折思い出すのだ、あの港の景色を。もうどうやって行くのかも思い出せないが。 僕は音も立てずにすっと飛び降りた。翼を閉じて出来るだけ体を細く小さくする。もっと早く、もっと!! 青く煌めく海面が眼前と迫ってくる。不思議と恐怖は無い。もしぶつかったらどうしよう。ふとそんな考えが頭をよぎったが、僕は海面にぶつかる直前、翼を広げ風を掴む。風に乗った僕は、ぐんぐんと相手との距離を詰めていく。手が届きそうな距離まで近づいた。よし。一気に相手に降り立ち掴もうとするが、相手も一筋縄でいかない

          ウチウ岬の噂話 その1

          雨宿りのかもめ

          もう何度目だろうか。またこの港に戻ってきてしまった。 遥か彼方に霞んで見える島への連絡船が、いつ出航するかも分からないのに。ただ、相変わらず、夕陽に照らされた君は美しく、愛おしかった。 「ねえ、僕はどうすればいいんですか?」 堤防に腰掛けて釣りをしているおじさんに話し掛けてみる。 「さあね。自分のやりたいようにやればいいさ」 視線を変えずにおじさんはそう返してきた。まあ、誰であってもそう言うさ。自分のやりたいようにやる、か。 「釣れてます?」 「いいや、さっぱりだ」 空っぽ

          雨宿りのかもめ

          僕は「ヒーロー」になりたかったんだ

          僕は、その時が来たら、きちんと自分の運命を選択できるだろうか。 僕には愛している人がいた。ずっとずっと心の底から愛していた。でも、ある日、その人を傷付けてしまった。それから僕らの運命は別々の道を歩みだした。周りから見れば幸運とも言えるのかもしれない。「一緒に地獄に行くことなかろう」そう友人たちは言う。そう、その通りだ。ただ、僕には君を救うことが出来なかった。その事実が心にぐっと引っ掛かっているのだ。「救う」なんて、誰かと付き合う上で奢った見方なのだろう。 あの夜、真っ赤な

          僕は「ヒーロー」になりたかったんだ

          『ロリヰタ』に生きる女の子

          あなたは、『ロリヰタ』と聞いて、その価値観あるいは世界観を想像できますか? その価値観の下に生きる女の子のことを理解できますか? おそらく多くの日本人は、理解はおろか想像すらも出来ないのではないでしょうか。 もしあなたの周りに、人知れず誰にも理解されることなく生きてきた彼、彼女がいたとしたら……。彼、彼女らは、決して孤独が好きなのではありません。誰かから愛されたくて溜まらない(本当は世界すべてから愛されたい。でもそれは秘密)。だけど、自分を打ち明けるほどに人は離れていく。離

          『ロリヰタ』に生きる女の子