見出し画像

「持続可能な」消費生活のすゝめ

最近、よく聞くようになった「持続可能な」とか「サステナブル」とかという言葉。昨年の菅首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」も話題になりましたね。現実に2050年までにカーボンフリーは実現できるのかはさておいて、「持続可能な」社会に向かっていくことは大切なことではないかな、と思います。

農業に目を向けてみると、私たちの知っているこれまでの農業というのは、地球温暖化に結構大きな影響を与えているのです。農業というと、自然と常に向き合っていて、気候変動の影響を受けることはあってもそれに悪影響を及ぼしていただなんて考えもしませんでした。

でもね、僕が今勉強している「自然栽培」の農地と農薬も化学肥料も普通に使う「慣行農法」の農地とを比べてみると「あー、なるほどな」と腑に落ちる訳です。「自然農法」の農地では、地面には雑草が茂りタンポポも気持ちよく綿毛を飛ばしています。一方で「慣行農法」の農地を見てみると、地面は綺麗に草ひとつなく、整然と作物が植えられています。私の祖父も新潟で農業をやっていて幼い頃から野菜作りや米作りなどを見てきましたが、それが普通だと思っていました。でも、明らかに「自然」ではないですよね。虫も寄り付かない。草も生えない。

例えばこの記事
https://www.pnas.org/content/110/45/18185

通常、作物を大きくしたり収穫量を上げるために肥料を使います。その肥料は全て作物に吸収されるわけではありません。30~50年という長い期間にわたって土壌に残り続け、あるいは地下水に漏れ出します。地下水に漏れ出した肥料の窒素酸化物は川から海へと流れ、沿岸の富栄養化を引き起こします。

また、土壌から大気中に放出された一部の窒素酸化物・アンモニアは、他の工業的プロセスから発生した化合物と結合し、2.5マイクロメートル以下の微粒子を形成します。これは人間の肺や心臓に悪影響を及ぼし、病気や死亡の原因になります。所謂「PM2.5」の問題です。

画像1

EUは「Farm to Fork戦略」を昨年打ち出し、2030年までに農薬の使用量を半分にしたり化学肥料を少なくとも20%削減したり、所謂「有機農法」への転換を図っています。2030年までに農地の25%を有機農法にするとしています。

アメリカも「農業イノベーションアジェンダ」を発表し、日本も「みどりの食料システム戦略」(https://www.maff.go.jp/.../kankyo/seisaku/midori/index.html) を打ち出すなど、各国は「持続可能な」食糧システムの構築に躍起です。
じゃあ、個人で出来ることはあるのか?という時に、僕は最近、株式会社坂ノ途中さんが提供する「旬のお野菜セット定期宅配」を始めました。これは化学合成農薬や肥料に頼らずにつくられた野菜が毎週もしくは隔週届く、というものです。サイズもひとり暮らし向けからファミリー向けまであり、使いやすいです。普段スーパーには並んでいない野菜も送られてくるので、普段の料理が少し楽しくなります。
https://www.on-the-slope.com/

画像2

情報やモノに溢れる現代社会。政治みたいに大きく国を動かすことは出来なくても、ひとりひとりの消費選択が、将来の社会の在り方を形作るのだということを普段から意識してお金を使いたいですね。選択が豊かになったからこそ、僕らひとりひとりがどういう社会を選んでいくのか、その責任が問われている気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?