マガジンのカバー画像

ふる里のゼロ地下で

20
エルトポ、寺山修司、ガレージパンク、カルトGS、シュールレアリスム好きな方と交流したいです。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

B♭→D

1 
きのう君が見たという夢の木に、
「果実はなっていたかい?」なんて、
学者ぶってたずねても 
俺らの関係、何ら進展はない。 
でも君の夢の木にもし、
果実が豊かに実っていたとしたら  
それはきっと   
俺らを笑っていることだろうな。

2
「ある意味で、」と前置きすれば 
世の中のたいがいのことは言えてしまう。
君は俺、俺は君を何とかしながら、
毎日というはるか昔生まれた
馬鹿デカイ敵と闘

もっとみる

Merroven

 朝、耳から血が吹きだす音で目がさめた。案の定メルロベンの葉っぱがまた庭で絶叫しているので、「そこまで無理しなくてもいいよ」と言いに行ったらなんとゲルリロが生ぬるい趣味の集いを開くついでに殺人事件まがいの果物ナイフでグサグサしていた。

 いっそのこと引っ越してしまおうかと思ったが、遷都するのも面倒だしなぁ。とりあえずグースカ立ったまま死んでいるビッグ蛙ママの腹の縫い痕に手を突っ込んで何か無いかな

もっとみる

トゥデイにささぐ

ボルテイジ先輩。
もう一度言いたい
「トゥデイにささぐ!」と
ストライク丼喰いながら、
シナチクの少なさに閉口しながら、
今、俺に出来ることは、
これなんだと言い聞かせつつ、
汗かきながら、ガッツ汁すするのだ。
そしてまた、今日を乗り切るのだ。

ダメはダメなりの、最低限の
自爆装置のボタンは押しとくんだ。
何故かは解らないが、
浪費をしまくった俺には、
今さら、そんなこと言える義理と

もっとみる

美しそうな日本語

ウン十年前の話。
「おいしそう」はあまり良くない。
と、現国の先生。
一風どころか2、3風変わってる。
あれは7風ぐらいまでいくと、逆に自分に吹いてくるルール?なんだっけ。

曰く、おいし「そう」じゃない、
「おいしい」んだ。
仮に食べていなくとも、そう言わなきゃ相手に失礼だ。
おいしそうだ、つまり、おいしい風だ、では、
カッコ、まずいかもしれない、カッコ閉じ、になってしまうだろ。

いいですかー

もっとみる

ジ・エンド

 空気の中に塵があり、それが淡い、儚い感じで漂っている時に
 「ピンポーン」って鳴ってお客さんが来た。

 「コロッケ5個だけどすぐできる?」って、
 こちとら近所の肉屋だから大チャンスだ。
 でもそんなチャンス、君にも掴めるはずさ。ショーケース世界に手を伸ばして御覧。ううん、そこには無いよ、もっと右。ポテトサラダ方面3スパゲティーサラダ方面7だよ。

 昼のラジオのお姉さんの声が仏間を通って聞こ

もっとみる

十月はまぁまぁだ

 ニセの季節はつまらない、いつか買ったカップを見てる。肩口から入ったアドヴァイスが、心臓で弾丸に変わる。「約束が違う」と詰め寄ると、アンチクショウめ、空き瓶に変わって風に吹かれて転がってった。それから元号が2回変わった。

 そんなこんなで遊んでいると、結び目の顔をした彼女はもう、サイレンと一緒に遠くへ引っ越した後のまつりだった。
「ビデオの中の鏡の中の雑誌の中のお便りの中で誕生会をする家を訪ねる

もっとみる

レッド

 レッドが今来る。確かに。耳を澄ませ。モラトリアム横丁を駆けてる。タ、タタ、タタタタタ「小説は何が好きなの?」って訊いてまわっている。奴はまだ学生気分。そうさ、学生気分が抜けきっていない奴。

 カラシ色のマフラーをなびかせてレッドが俺をコロ死にやって来る。隣で寝ているお前はその時俺を見捨てるだろうお前は。それを境に俺の全精神、全細胞は全方向的に奴の統治下に完全に入ってしまうのだけれどお前さん。そ

もっとみる

レコードを聴きながら

 もう一生会うことはないであろう田舎の叔父貴のスコップには、遠い昔に俺がつけた傷が今も残ってるはずで、刑事さんそれで、俺の無実が証明されるはずなんだが。

 たき火の向こうにニセの案内所が見えるだろうが、そこに行って訊いてくれ。
「道順はこのラジオが丁寧に説明してくれるはず」と、渡そうとしたら、豆腐みたいにグズグズ崩れやがって。

 アンテナだけが手のひらに残る。

 不快感と残念感いっぱいの俺を

もっとみる

ゲジロック

ゲジロックの弟ゲジゲジロックが
キミドリ色のチビッ子達を引き連れて
町へやってきました。

殺されてしまった兄の敵を討つために
メガホン片手にドクガス散布や
マシンガンでの一斉攻撃が 始まります。

町中ガイコツだらけになったけど
一口サイズでチョコ味なので
子ども達はポリポリおやつ代わりです。

大喜びで万歳しながらスキップです。
中にはオシッコしてる子や
落書きに夢中になって

もっとみる

サトキ・キヌマサに関する40年

どしゃ降りのラーメン屋で
希望という名のナルトをさがして40年 
サトキ

彼はサトキでありまたキヌマサでもあった
三面記事の行間で立ち止まる

ふる里行きのバスを待つ間
サトキ・キヌマサはしっかりと胸に刻む
「俺は、人間嫌いだ」と

日本晴れの酒をのみほしてため息ひとつ
捨てられたムードをまとう 
サトキ

記憶が始まってからずっと
そうさ彼はサトキ、
サトキ・キヌマサ

明日を鼻で笑って、

もっとみる

家庭のココロエ

ほうれん草のお浸しA軍が
怒りの交響楽と共に
全てのお茶の間をアルトラ暴力で
超破壊しに やってきた。

キンモクセイの香りの強大な力Bにより
周辺のトイレは全て吹き飛ばされてしまい
軽自動車のハンドルにぎりながら 、
俺と俺の排泄物との悶絶格闘していた日々。

上記の事に関連してかは分からないが、
首だけのソフビ怪獣Cに
息子が「うんこザウルス」という
名前をハッキリと付けた。

もっとみる

ほめる

 大した事無い、或いは、興味の無い事を言っている相手を褒めるのは立場上しょうがないが、幽体離脱し少し上空から見ると、気持ち悪いほど我が身がカッコ悪いですね。

 その時はもう十中八九、社会で生きていくうえでは欠かせない「悲しいニヤニヤ」という表情をしている。

 ふと思い出すのが、
「アルバム『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』1969年
 発表作品」
ということわざであるが、よく考えると

もっとみる