スキージャンプ選手 内藤智文

スキージャンプ選手/東京都出身茨城県在住、スキージャンプとは縁遠い地域でプロスキージャ…

スキージャンプ選手 内藤智文

スキージャンプ選手/東京都出身茨城県在住、スキージャンプとは縁遠い地域でプロスキージャンプ選手として活動しています。http://tomofumi-naito.spo-sta.com/ 2018.2019ワールドカップ日本代表 国民体育大会 優勝

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内藤智文noteをはじめます。

はじめにはじめまして。 プロスキージャンプ選手の内藤智文です。ここでは主にFacebookの内容を書いていきたいと思っています。 プロフィール↓ 自己紹介 私は東京都の…

ワールドカップの舞台で飛ぶ

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22/23スキージャンプW杯 Titisee-Neustadt プレビュー

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おめでとう中村直幹 〜22/23スキージャンプ第4戦 Ruka レビュー〜

彼ならば、この初表彰台というステップはもう少し早く達成するだろうと個人的には考えていました。 高校生の頃から大倉山で表彰台に上がり 多くの国内、国際タイトルを獲…

ヒルレコードの戦い〜22/23スキージャンプ第3戦 Ruka レビュー〜

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22/23スキージャンプW杯 Ruka予選 レビュー

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22/23スキージャンプW杯 Ruka プレビュー

第2の開幕戦となるRuka フィンランドの極寒、強風の地で悪名高く ジャンプ、コンバインド、クロスカントリーとノルディック種目のワールドカップが全て行われます。 サ…

好ゲームの配信〜22/23スキージャンプ第2戦 Wisla レビュー〜

「踏切も空中スピードも違う」らしいKubacki(POL) ジャンプは実際に見ないとわからないことが多いですね。 昨年、私自身が小林陵侑に対して同じような表現をしました。 …

ああ魔風 〜22/23スキージャンプ第1戦 Wisla レビュー〜

土砂降りのWisla 真骨頂とも言える魔風と共に、冬限定だと思っていた着地の難しさを プラスチックマットでも再現してきました。 昨年も雨の試合は、私の記憶では2試合。 …

22/23スキージャンプW杯 Wisla 予選レビュー

私の練習拠点である蔵王。 こちらも現在行われているワールドカップと同じ仕様。 すなわち助走路は氷、着地地点はプラスチックに模様替えしました。 ただし、日光や高温…

22/23スキージャンプW杯 Wisla プレビュー

まだ11月1週目。世界中、氷河でもない限り雪景色とは程遠い季節。 スキージャンプワールドカップがポーランドWislaで開幕します。 夏模様での開幕助走路 歴史に名を残す…

もうワールドカップが始まるらしい

11月3日、文化の日。 本来であれば、この日にUHB杯が行われることが多い日程。 ところがどっこい、明日からスキージャンプのワールドカップが始まります。 しかも、今季は…

21/22 スキージャンプW杯 Planica プレビュー

W杯最終戦の地Planica。 言わずもがなのモンスターヒル。 長いシーズンもこれでようやく終了となります。 最大の注目は総合優勝の争い、Geigerと小林陵侑。 その差は66…

21/22 スキージャンプW杯 Oberstdorf フライング プレビュー

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【コラム42〜ジャンプ選手の苦悩〜】

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3,300

北京五輪を終えて

すっかり祭りは終わり パラリンピックの最中とはいえ、世界では大きな問題を抱えてしまい 五輪の話題はすっかりなりを潜め 出場した選手たちは各々の持ち場に戻り、戦い…

内藤智文noteをはじめます。

内藤智文noteをはじめます。

はじめにはじめまして。

プロスキージャンプ選手の内藤智文です。ここでは主にFacebookの内容を書いていきたいと思っています。

プロフィール↓

自己紹介
私は東京都の調布市出身で中学まで調布に住んでいました。

高校からスキージャンプの強豪校「下川商業高校」に入学し

大学も強豪校の「東海大学」に入り、スキージャンプを続けてきました。

大学卒業後は「国体選手」として茨城県に行き

金属加

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ワールドカップの舞台で飛ぶ

ワールドカップの舞台で飛ぶ

ワールドカップの出場が頭にちらついた時にレビューとプレビューを書くのが急に難しくなってしまいました。

この画面の向こう側でどう戦うのか。異次元の飛行をしてくる選手たちと同じゲートで、どんなジャンプができるのか。

「ワールドカップを見ること」をジャンプファンとして純粋な気持ちで楽しめなくなってしまい、一旦自分のジャンプに集中することにしました。

ワールドカップへの道のりつい4日前まで、ワールド

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22/23スキージャンプW杯 Titisee-Neustadt プレビュー

22/23スキージャンプW杯 Titisee-Neustadt プレビュー

最近は、代替試合の場所という印象のTitisee-Neustadt。
昨年は札幌の代替でこの地で試合が行われましたが
今季はロシア大会の代わりなのではないかと勘繰ってしまいます。。。

1週間前まで全く雪がありませんでしたが、わずか数日で雪をバーンに貼り付け大会開催に持ってきました。

格下のコンチネンタルカップだと中止になるので、やはりワールドカップ は凄いなと思います。

今年はこの地で男子2

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おめでとう中村直幹 〜22/23スキージャンプ第4戦 Ruka レビュー〜

おめでとう中村直幹 〜22/23スキージャンプ第4戦 Ruka レビュー〜

彼ならば、この初表彰台というステップはもう少し早く達成するだろうと個人的には考えていました。

高校生の頃から大倉山で表彰台に上がり
多くの国内、国際タイトルを獲得していてもワールドカップの舞台は重いみたいです。

彼が最も得意そうな条件で、ほぼ完璧なジャンプを2本揃えました。
巡り合わせがよければ、優勝してもおかしくないクオリティだったと思います。

しかし、それを圧倒的な経験値と実力を持つ2人

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ヒルレコードの戦い〜22/23スキージャンプ第3戦 Ruka レビュー〜

ヒルレコードの戦い〜22/23スキージャンプ第3戦 Ruka レビュー〜

常時吹くK点付近の風
その反面、横と向かい風入り乱れる序盤と中盤。

どんな高度と飛行速度でK点までいけるか?
低速の中で高度な技術と僅かな運が求められる、シビアな試合だったと思います。

そうした中で1本目のLanisek(SLO)、2本目のKraft(AUT)のジャンプは他を圧倒するスペクタクルなジャンプでした。

常時吹き付ける良質な下の風によって、多くの選手がビッグジャンプを繰り出し
着地

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22/23スキージャンプW杯 Ruka予選 レビュー

22/23スキージャンプW杯 Ruka予選 レビュー

サッカーワールドカップ的な話をすると

ポーランド人にとって「も」ジャンプどころではないでしょう。

そうした中、ドイツチームの荷物がフィンランドに届かず
予選が延期になり、先ほど予選を終えることになりました。

本戦が始まるのは、数十分後となります。

_______________
昨日のトレーニングは全く参考になりませんでしたが
今日の予選の成績はある程度参考になると考えられます。

流石に

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22/23スキージャンプW杯 Ruka プレビュー

22/23スキージャンプW杯 Ruka プレビュー

第2の開幕戦となるRuka

フィンランドの極寒、強風の地で悪名高く

ジャンプ、コンバインド、クロスカントリーとノルディック種目のワールドカップが全て行われます。

サッカーワールドカップ普段は日本時間ではかなり遅い時間で行われますが
サッカーワールドカップがカタールで開催されており、普段とスケジュールが微妙に違うのも、今回の特徴です。

というか、4年に1度のお祭りのサッカーワールドカップ。

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好ゲームの配信〜22/23スキージャンプ第2戦 Wisla レビュー〜

好ゲームの配信〜22/23スキージャンプ第2戦 Wisla レビュー〜

「踏切も空中スピードも違う」らしいKubacki(POL)
ジャンプは実際に見ないとわからないことが多いですね。

昨年、私自身が小林陵侑に対して同じような表現をしました。

どうやら今季のKubacki(POL)はその領域にいるみたいです。

簡単に総合優勝を手にするのか、はたまた強力なライバルの追随によって徐々にズレが生じるのか。

力があってもわからないのがスキージャンプというスポーツです。

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ああ魔風 〜22/23スキージャンプ第1戦 Wisla レビュー〜

ああ魔風 〜22/23スキージャンプ第1戦 Wisla レビュー〜

土砂降りのWisla

真骨頂とも言える魔風と共に、冬限定だと思っていた着地の難しさを
プラスチックマットでも再現してきました。

昨年も雨の試合は、私の記憶では2試合。

ノルウェーと陵侑が無双したKlingenthal

そして、ジャンプ週間オープニングの予選。
どちらも小林陵侑が勝っています。

ただ、冬の時期の雨とは違って
この日は秋の嵐のような感じがしました。
故に「助走路の滑りの重さ」

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22/23スキージャンプW杯 Wisla 予選レビュー

22/23スキージャンプW杯 Wisla 予選レビュー

私の練習拠点である蔵王。

こちらも現在行われているワールドカップと同じ仕様。
すなわち助走路は氷、着地地点はプラスチックに模様替えしました。

ただし、日光や高温で氷の状態が悪くなるため
飛べる時間は7〜9時、17〜19時となっています。

その両方の時間帯で練習しようと思うと
今週は趣味のワールドカップ観戦が、中々難しい状況です。

故に、昨日の予選はライブでは見ていません。。。

今日もどう

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22/23スキージャンプW杯 Wisla プレビュー

22/23スキージャンプW杯 Wisla プレビュー

まだ11月1週目。世界中、氷河でもない限り雪景色とは程遠い季節。

スキージャンプワールドカップがポーランドWislaで開幕します。

夏模様での開幕助走路

歴史に名を残す一戦となるこの試合。

ついに雪景色ではなくても、ワールドカップを行うことを決定した国際スキー連盟。

助走路は氷を敷き詰められているものの、着地する斜面はプラスチックのバーン。

故に景色は、多くの人々に馴染みのないサマージ

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もうワールドカップが始まるらしい

もうワールドカップが始まるらしい

11月3日、文化の日。
本来であれば、この日にUHB杯が行われることが多い日程。

ところがどっこい、明日からスキージャンプのワールドカップが始まります。
しかも、今季はなんと最終戦が4月2日。

開幕戦が終われば、3週間の中断期間があるとはいえ、半年に及ぶ戦いが幕を開けると思うと、少々気が遠くなりますね。。。

ここ2年、ワールドカップが始まると共にプレビューと毎日投稿を続けてきました。

今年

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21/22 スキージャンプW杯 Planica プレビュー

21/22 スキージャンプW杯 Planica プレビュー

W杯最終戦の地Planica。

言わずもがなのモンスターヒル。

長いシーズンもこれでようやく終了となります。

最大の注目は総合優勝の争い、Geigerと小林陵侑。

その差は66点。

Geigerとしては、かなり苦しい点差となりましたが

首の皮1枚といったところでしょうか。

状況は極めて厳しいです。

40点差以内に抑えられれば、2度の表彰台に乗りつつ陵侑を上回ることによって

総合優

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21/22 スキージャンプW杯 Oberstdorf フライング プレビュー

21/22 スキージャンプW杯 Oberstdorf フライング プレビュー

色々ありまして、毎日投稿を諦めました。

このシリーズも見れるかわかりませんが復帰です 笑

フライング3連発の真ん中、Oberstdorf。

ご存じジャンプ週間の開幕戦と同じ場所。

ここにはフライングヒルも聳え立っています。

現行、飛べるフライングヒルは世界に4箇所。

五輪シーズンにその3/4のフライングを周る

しかも3週続けて連チャン。

中々ぶっ飛んだスケジュールだと思います。。。

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【コラム42〜ジャンプ選手の苦悩〜】

【コラム42〜ジャンプ選手の苦悩〜】

ここ数試合、試合でうまくいかない。

試合の次の日には、心が荒んでいる内藤です。

昨年は特に酷く、昨年の雪印メグミルク杯直前に書いたコラムです。

メンタルコントロールメンタルを保つ上で重要なことは

「自分でコントロールできないこと」は気にしないということです。

これに尽きます 笑

スポーツメンタル系の人たちはこれしか言いません。

この思考に導くようにカウンセリングやセッションをします。

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北京五輪を終えて

北京五輪を終えて

すっかり祭りは終わり

パラリンピックの最中とはいえ、世界では大きな問題を抱えてしまい

五輪の話題はすっかりなりを潜め

出場した選手たちは各々の持ち場に戻り、戦いを繰り広げています。

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五輪の映像は権利関係が厳しく、無断転載も厳しい目で見られ

あっという間に動画が消されるイメージがありました。

しかし、今のご時世はYoutubeでいつでも全編見れるらし

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