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ルフィ名言Vol.58「行くぞ!!!”グランドライン”!!!!」

物語と名言

バギー達の介入や海軍から逃れたルフィたちは、「始まりの街ローグタウン」を出航する。
船がひっくり返りそうなほどの嵐の中、”グランドライン”の入り口を目指し、偉大なる海に船を浮かべる進水式をする。

まず、言い出しっぺのサンジから樽の上に足を置き、

「おれはオールブルーを見つけるために」
「おれは海賊王!!!」
「おれァ大剣豪に」
「私は世界地図を描くため!!」
「お・・・お・・・おれは勇敢なる海の戦士になるためだ!!!」

サンジに続き、ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップが、それぞれの目的を宣言し、今回の名セリフ。

「いくぞ!!!”偉大なる航路(グランドライン)”!!!!」                  出典 ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社

ついに麦わらの一味は”グランドライン”に突入する。
そして、ゾロに負かされた軍曹のたしぎはゾロを追うため、スモーカーはルフィを追うため、命令違反をしてまで”グランドライン”を目指す。いざこざで、海軍から逃れることができたバギー達も、”グランドライン”を目指すことになる。

この回は連載100話目にして、タイトルは「”伝説は始まった”」というものだった。

名言の意味

今回は、名言そのものにはあまり意味はないかもしれませんが、物語の節目にして、麦わらの一味の面々が、それぞれの夢と目標を宣言します。この名言の裏には、一味のそれぞれの夢が込められています。つまり、”グランドライン”という場所は、は夢を叶える場所であるということです。麦わらの一味は、それぞれが違う夢を持ち、夢は違えど「目的地が同じ」という共通意識を持った仲間です。船長はルフィなので、ルフィが気に入った、自分に持っていないものを持っていて、自分が必要だと思うヤツが、麦わらの一味になったのです。

『ONE PIECE』はよく、理想的なチームや組織の形と言われていますが、これが一つの理由と言えるかもしれません。逆に言うと、同じ夢を持つ人は、麦わらの一味には一人もいません。今は5人で”グランドライン”に入ってからさらに仲間が増えますが、一人として、同じ夢を持つ仲間はいません。これは、ちょっと面白くないですか?ついつい、同じ夢を持つ同志を探したり、そういう人とチームを組もうとしたりしますが、実は、それではチームとして機能しないことを意味します。

麦わらの一味が理想的なチームの理由

わかりやすくいうと、「海賊王」になりたい人がチーム内に二人いたら、果たしてチームは成り立つでしょうか?無理ですよね。相成らず別れるか、争って片方を負かし、追い出すか諦めて従うかということになるのは目に見えています。それに、ルフィが海賊王を目指すヤツを仲間にすることは絶対にありません(笑)。ドン・クリークと戦ったときも、「どちらが海賊王の器か?」と聞かれたときに、ルフィは即答でおれ!!!お前ムリ!!と答えます。
麦わらの一味においては、ルフィが船長なので、同じ夢を持つことは、共存できないことを意味します。だから同じ夢を持つものは共存できないのですが、夢とは別に「役割」というものも重要です。例えば、サンジは「オールブルーを見つける」ことが夢であり、「料理人」という役割があります。仮に「オールブルーを見つける」という夢を持つ仲間が別にいても、取合いにはならないし、むしろ協力できそうなものですが、麦わらの一味において、仲間になるには「役割」が重要になります。

ルフィにとっての仲間

最初に仲間になったゾロは「”1人目”」というタイトルがついています。そして、出会いの順番でいけば、ナミ、ウソップ、サンジの順番ですが、次に「”○人目”」というタイトルがついたのはサンジの「”4人目”」でした。そして、アーロン編でアーロンを倒した時、ナミにお前はおれの仲間だ!!!!と言った回で「”2人目”」というタイトルがつきました。ということは、ウソップは・・・。麦わらの一味においてというより、ルフィにとっての正式な仲間ではまだないのです。「お前はさ、”狙撃手”で決まりだな」というセリフがあるのですが、まだ、ルフィが必要とするほどの役割を担っていないからだと推測します。後の展開でわかることなのでウソップについては、その時にまた触れたいと思います。

役割については、ルフィ以外の仲間は自分にできないことを仲間が担当しますが、料理人は何人いてもいいですよね。でも、もし料理人が何人もいたら、サンジのアイデンティティが薄れてしまいます。もちろん、少人数の海賊団だからと言えるのですが、「役割と必要性のバランス」がとてもいい為、理想的なチームになっていると言えます。

理想的なチームとは

理想的なチームを作るには、自分が作りたいと思う場合、同じ夢を持つ人とは一緒になることはできないということ。仲間にする人は、

1.自分が気に入っているということ
2.自分とは違う夢を持っていること
3.自分が持っていない能力を持っていること

これらが重要なポイントになります。

どこかのチームに所属する場合は、

1.リーダーと同じ夢を持っていないこと
2.リーダーを尊敬し気が合うか。
3.自分とは被らない能力、役割を発揮できること
4.同じ目的地であるということ

が重要なポイントになります。
必ずしも同じ夢では行けないということはありませんが、自分もチームを作るための一修行の為として、経験の為に参加するなら、敢えて同じ夢を持つ人のチームに入るのもいいと思います。要は、目的と考え方ですね。
ただ、麦わらの一味が「理想的なチーム」と言える理由は、役割が被らないことで、誰もが主役になれるということです。船長にならなくても、明確な役割があれば、主役にはなれます。船長だけが主役ではありません。『ONE PIECE』は、必ず物語の中で、それぞれが主役になるエピソードが描かれます。きっと尾田っちが、役割によって「誰もが主役」という認識があるのだと思います。

会社、コミュニティ、セミナー、オンラインサロンなどなど、今では色んなチームの形がありますが、どこかに加入したり立ち上げる時に、「麦わらの一味」というチームの形は、何かしら参考になるのではないでしょうか?

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