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下戸の酔いどれ放浪記

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お酒が弱いのにお酒の味が好きというジレンマを抱えたオヤジが、人情を求めて独り酒場を放浪した記録です。
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京都初のひとり呑み④ 最終日 京都人お勧めを食す | 下戸の酔いどれ放浪記

京都初のひとり呑み④ 最終日 京都人お勧めを食す | 下戸の酔いどれ放浪記

二泊三日の夢のような京都旅行も最終日。今日は伏見に行く予定である。幕末の志士に全く興味を示さないわたしの目指したものは平等院であった。幼い頃からずーとそれとはなしに見続けてきた10円玉に刻印されたその意匠をどうしてもこの目で確かめてみたかったのだ。

ポケットのなかにはメモが忍ばされている。メモには昨日呑み屋で知り合ったグルメなお兄さんから教えてもらったお勧めランチ2箇所が書かれているのだが、本当

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初の京都初日、四条河原町でアウェイな空気に怯む①|下戸の酔いどれ放浪記

初の京都初日、四条河原町でアウェイな空気に怯む①|下戸の酔いどれ放浪記

昨年2020年3月後半、コロナが猛威を奮っているなか、顰蹙を買うであろうことを覚悟で京都へと旅にでかけた。コロナ禍のなか、修学旅行生はもちろん、うるさい中国人たちや欧米人の旅行客も当然いない、それどころか日本人の旅行客すらいない、そんな静かな京都を体験することは100年に一度、いやもう今世紀最後の機会ではないかと思ったからだ。だから介護の必要な母を無理言って妹に預け、顰蹙を買うことを覚悟で京都へと

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初の京都ひとり呑み 雪辱戦 ②|下戸の酔いどれ放浪記

初の京都ひとり呑み 雪辱戦 ②|下戸の酔いどれ放浪記

さて今日はどこで呑もうか。昨日河原町の隣客のおばさんに教えてもらった角打ちのお店に行くべきだろうか。運良ければ彼女とも再会できるだろう。それとも別のところにするべきだろうか。

朝方、ネットで古い昭和の趣を残している飲み屋街はないかと検索すると、
心を良さぶるほどに郷愁を駆り立てる写真に出くわした。そこに行きたい、そこに行かなくてはと思った。その呑み屋街は西院という場所にある。

京都はまったく不

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初の京都ひとり呑み 高齢な女将との交歓 ③|下戸の酔いどれ放浪記

初の京都ひとり呑み 高齢な女将との交歓 ③|下戸の酔いどれ放浪記

西院で呑んだあと一旦ホテルへチェックインし、次の目的地である京都駅へと向かった。時間はもう11時近くになっていた。

京都駅近くに、昭和の佇まいを残す呑み屋街があるとはとても想像ができなかった。目的地に向かいながらも、本当にあるのだろうかと訝しむ気持ちが募る。スマホの地図を見ながら近くまでこぎつける。本当にあるのだろうかと小道の先を覗いてみると、ビルに挟まえるようにして小さく明かりを灯した古びた建

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