仲村 次朗

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デヴィッドボウイと季節

――夢だから、猶生きたいのです。   あの夢のさめたように、   この夢もさめる時が来るでしょう。   その時が来るまでの間、   私は真に生きたと云える程   生…

仲村 次朗
4年前
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二つのリンゴ

梅雨空を林檎を背中に減込せ __つゆそらをりんごをせなにめりこませ 赤くしてりんごの無罪且つ無罪 __あかくしてりんごのむざいかつむざい

仲村 次朗
1か月前

私す

向日葵の首かたくして花の影 私す私の名前発つ烏

仲村 次朗
2か月前

露草

露草やすべらす舌と余すもの 露草や忍びの猫の鳴き処 露草や漕ひでいつかの膝枕 露草や重ねし嘘も無垢の艶 ほつと落葉暈取る遠く鳥の声

仲村 次朗
7か月前
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指人

仲村 次朗
1年前
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ベイコンの夜

仲村 次朗
1年前

本人の行方を追って

仲村 次朗
1年前
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夜行性

仲村 次朗
1年前
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日和

仲村 次朗
1年前

排窓

仲村 次朗
1年前
1

切れない切り絵

はたらいて、はたらいてんのに、 なんにもはたらいていないよね 春にくすむ食堂から聞こえてきたため息は わかっているくせに かさねたつもりで、あかるくしたとこで、…

仲村 次朗
1年前
3

雲雀散る

桜咲くはじまってもまだいないのに 桜散る写真に撮られた人の今 雲雀鳴くたくさん読んだ午後の目に

仲村 次朗
1年前
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フィルタ-R

仲村 次朗
1年前

存在の軽さ

静かにたへてラムネの栓は透けてなほ

仲村 次朗
1年前

落花生六摘

割ってしまえばふたつはふたつ落花生 落花生揉まれるだけで剥ける皮 落花生つぶやいてなほ消せぬ実は 落花生味のせぬ実は殻ばかり 落花生摘む手のうちの労働歌 落花生…

仲村 次朗
1年前
+1

天地

仲村 次朗
1年前
デヴィッドボウイと季節

デヴィッドボウイと季節

――夢だから、猶生きたいのです。
  あの夢のさめたように、
  この夢もさめる時が来るでしょう。
  その時が来るまでの間、
  私は真に生きたと云える程
  生きたいのです。
  あなたはそう思いませんか。
  (芥川龍之介「黄梁夢」1917.10)

――僕の右の目はもう一度
  半透明の歯車を感じ出した。
  歯車はやはりまわりながら、
  次第に数を殖やして行った。
  僕は頭痛がはじま

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二つのリンゴ

二つのリンゴ

梅雨空を林檎を背中に減込せ

__つゆそらをりんごをせなにめりこませ

赤くしてりんごの無罪且つ無罪

__あかくしてりんごのむざいかつむざい

私す

私す

向日葵の首かたくして花の影

私す私の名前発つ烏

露草

露草

露草やすべらす舌と余すもの

露草や忍びの猫の鳴き処

露草や漕ひでいつかの膝枕

露草や重ねし嘘も無垢の艶

ほつと落葉暈取る遠く鳥の声

切れない切り絵

切れない切り絵

はたらいて、はたらいてんのに、

なんにもはたらいていないよね

春にくすむ食堂から聞こえてきたため息は

わかっているくせに

かさねたつもりで、あかるくしたとこで、

まったくひろがりもしないよね

誰か歌にしてくれないかな

右車線に降り口のある

どでかいばかりの環状線

わかってるくせに

誰?てラインに

いまだこだわりすぎて

くりかえすパターンに

思うことはたくさん、

もうたく

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雲雀散る

雲雀散る

桜咲くはじまってもまだいないのに

桜散る写真に撮られた人の今

雲雀鳴くたくさん読んだ午後の目に

落花生六摘

落花生六摘

割ってしまえばふたつはふたつ落花生

落花生揉まれるだけで剥ける皮

落花生つぶやいてなほ消せぬ実は

落花生味のせぬ実は殻ばかり

落花生摘む手のうちの労働歌

落花生歯軋りと変へらぬ味に