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Ching-O)))の映画雑記

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ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oの人生を弄んできた色々な映画についての雑記をここに一堂に集めました。人の頭の中を覗く悪い趣味があるあなたのため…
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2020年9月の記事一覧

【映画雑記】観音様とシンボルちゃん。1970年代アメリカンハードコアポルノ。

【映画雑記】観音様とシンボルちゃん。1970年代アメリカンハードコアポルノ。

 ここ数日、ダラダラと1970年代のアメリカの初期ハードコアポルノを海外のアダルト動画サイトで色々と眺めていた。みんなが大好きなPornhubやXvideosの検索窓にvintage pornと入れると、1970〜80年代に制作されたハードコアポルノがヒットするのだ。
 
 いわゆる洋ピンって女優も男優もやたらと「ア〜ッ!イェ〜ッ!カモーンッ!カモーン、ンーッフ!ンーッフ!」ってとにかくうるさい印

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【映画雑記】このたび「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を好きになった人たちへ。

【映画雑記】このたび「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を好きになった人たちへ。

 「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(もうめんどくさいからFury Road略してFR)地上波放送により、にわかに新しいファンがたくさん出来たであろうタイミングで2015年の公開当時に書いた感想を引っ張り出してみる。5年前、その異様なまでに高いテンションに圧倒された観客たちのために、絶叫上映なんてイベントまで開催されてまぁとにかく盛り上がった印象のあるFR。しかし、当時、その内容を深く考察する

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【映画雑記】「マッドマックス 怒りのデス・ロード」地上波放送、頑張ったね、でもがっかりしたね、という話。

【映画雑記】「マッドマックス 怒りのデス・ロード」地上波放送、頑張ったね、でもがっかりしたね、という話。

 一度の放送延期を経て、遂に放送されました。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。ここ数日、フジテレビでは番宣が繰り返し流れ「地上波編集版」という、それっぽく聞こえる言葉を強調していた。これについては全く文句はない。そもそも公開時は「R15」指定だったわけだし。俺はどの辺がカットされるのかをなんとなく気にしながら観ていた。ただ、冒頭のトカゲかじるとこで既にカットだったので、もうその先は期待しませ

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【映画雑記】1本のレギュラーより1回の伝説(©江頭2:50)「キング・オブ・コメディ」。

【映画雑記】1本のレギュラーより1回の伝説(©江頭2:50)「キング・オブ・コメディ」。

 「キング・オブ・コメディ」は去年「ジョーカー」の元ネタとしてそこらじゅうでタイトルを聞いたのがきっかけで観た。
 
 俺としたことが、大好きなマーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ主演の「タクシードライバー」コンビにも関わらず、観ていなかった…。そして、なんで今まで観ていなかったんだと悔やまれるくらい(観られたからいいんですけど)ものすごく面白かった…。

 テレビのトークショーの人気

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【映画雑記】岸田森の「エクソシスト 地上波吹替版」は本当にカッコいいぜ。

【映画雑記】岸田森の「エクソシスト 地上波吹替版」は本当にカッコいいぜ。

 岸田森は最高だ。カッコいい。
2018年夏、その岸田森が声優を努めた「エクソシスト 日本語吹替日本初放映版」をムービープラスで観ることができました。

 「エクソシスト」は今まで字幕でしか見ていなかった。吹替で見る必要を感じなかったからだけど、さすがに岸田森が悩める神父を演じる「エクソシスト」があるならそりゃ見るしかない。だって、岸田森だもの。

 「エクソシスト」はホラー嫌いにも有名で、オカル

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【映画雑記】世の中には2種類の人間がいる。「ゆきゆきて神軍」を観た人と観ていない人だ。

【映画雑記】世の中には2種類の人間がいる。「ゆきゆきて神軍」を観た人と観ていない人だ。

「ゆきゆきて神軍」。

 スキモノは絶対に見ている超有名ドキュメンタリー映画ですが。なんで今まで見ていなかったのだろうと思うくらい滅茶苦茶面白かったっす。

 サブカル界隈でクソ有名な元軍人のキチガイアナーキスト、aka街角のテロリストである奥崎謙三という人物が終戦のどさくさの中で起こったとされる上官による部下銃殺を、映画のキャッチコピー「知らぬ存ぜぬは許しません」を地で行く大迷惑な行動力で糾弾し

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【映画雑記】「偶然完全 勝新太郎伝」を読んでブルース・リーを想った。

【映画雑記】「偶然完全 勝新太郎伝」を読んでブルース・リーを想った。

 勝新太郎の評伝「偶然完全」を読んだ。

 ブルース・リーが六本木の勝プロダクションに来て、今度自分が出る映画に悪役として出演してほしいと直談判しにきた、という逸話が前書きでさらっと出てくる。ブルース・リーファンの間では有名なエピソードだ。当の本より詳しく書くと、事務所に来たブルースに勝新が座るように促したら、大好きな座頭市を演じた俳優の前で座ることはできないと尊敬のまなざしで直立不動で立ってたと

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【映画雑記】小松左京原作ものでトホホなのは「日本沈没2020」だけじゃねぇぞ、という話。

【映画雑記】小松左京原作ものでトホホなのは「日本沈没2020」だけじゃねぇぞ、という話。

 NETFLIXで配信されているアニメシリーズ「日本沈没2020」が1本の映画に再編集され劇場公開されるとのこと。件のシリーズ、今年の初めに俺のハートをがっつりカツアゲしていったテレビアニメ「映像研には手を出すな!」の湯浅政明監督の作品ということもあり、すごく楽しみにしていた。が、フタを開けたら主人公の主観という前提を頑なに守るあまり、本来パニックものというジャンルに不可欠な詳細なディテールが遠く

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【映画雑記】動く心霊写真。黒沢清監督の「回路」。

【映画雑記】動く心霊写真。黒沢清監督の「回路」。

 黒沢清監督の「回路」がNETFLIXで配信されていました。

 自分は公開当時は加藤晴彦、小雪というキャスティングに心惹かれず敬遠しておりました。しかし、CMや告知で流れる工場の塔の上から飛び降りる女性の映像は印象に残っていました。初めて観たのはほんの数年前です。そして、久しぶりに夜に思い出して怖くなり、眠れなくなりました。おっさんになって以降、ここまで緊張感を持って観たホラーはあまりなかったで

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【映画雑記】「仁義の墓場」。渡哲也が魅せた狂気。

【映画雑記】「仁義の墓場」。渡哲也が魅せた狂気。

 個人的には、渡哲也と言えば「仁義の墓場」です。

 ヤク中の厄介者、やくざの世界の言葉を借りると「ぺー中のヤクネタ」が大暴れする映画で、実録路線の中でも一際異彩を放つ。「仁義なき戦い」は東映京都ですか、「仁義の墓場」は東映東京製作とあってやはりトーンというか熱量が独特。同じ東映東京の「女囚さそり」シリーズのような、どこか醒めた佇まいで虚無感溢れる風格を帯びています。

渡哲也演じる石川力夫は実在

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【映画雑記】「犬鳴村」、正統派の恐怖。チビリます。

【映画雑記】「犬鳴村」、正統派の恐怖。チビリます。

 映画「犬鳴村」素晴らしい怪談でした。

 実話怪談好きからすると、わ、よく調べてるなぁとハッとする怖さがあってなお良かった。そんな元ネタを知らなくても充分楽しめますが。横溝正史やカーペンターの「ザ・フォッグ」などの血縁や隠された過去が恐怖を呼び起こす正統派の仕上がり。オススメです。幻の村の手前にあるという「この先、日本国憲法通用せず」という看板に、人間の強欲と、それがもたらした惨劇が凝縮されてま

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【映画雑記】「ペンタゴン・ペーパーズ」が我々に突きつけるもの。

【映画雑記】「ペンタゴン・ペーパーズ」が我々に突きつけるもの。

 「ポスト安倍、権力をめぐる熾烈な争い」という趣旨の見出しで始まったテレビのニュースが、「○○のコスプレが話題に」、「広島カープの始球式に出た」、「いろいろなマスクで注目を浴びる」などなど各候補者の親しみやすさをアピールする全くどうでもいい内容になっているがなかなかのディストピア感ですね。マスメディアがそれ言い出しちゃうと本質の矮小化が進んでしまって、日本中、古今東西津々浦々、みんな馬鹿になってし

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