見出し画像

光風(こうふう)

てんきごじてんによりますと「雨上がりに、光を帯びた草木を吹き渡る風。春光うららかな時季に、気持ちよく吹きよせる風。

だそうです。
そんな具体的な場面無いでしょうに、と思われたあなた。私もそうだったんですが騙されたと思って一度想像してみてください。
驚くほどたくさん、私たちはこの風を見て、感じて、知っているのです。

私の知ってる「光風」は、
カマキリの卵嚢から、孵化という祭典を今か今かと待ち侘びていたかのように出てくる幼虫たちを苛(さいな)む北風もようやく落ち着いてきた頃、虫取りに行こうと実家の前の公園の、自分の身長と同じくらいの門を通ってから見上げた時に公園の遊具の間を気持ちよく通り去ったあの風でした。



ハイ Sinomicrurus japonicus boettgeri 

そんな色の風が吹く山の中でこの蛇と逢瀬を重ねたいなぁ、と思ったので本日は「光風」、このタイトルにしました(笑)

しかしまぁ、この蛇は実に不思議なデザインですなあ。

ちょいと石の上に移動してもらって撮影。

有機的な規則に則った模様なのですかねぇ・・・見れば見るほどその暗い四本線と橙色に惹き込まれてしまいます。さながらそれはゴッホの「ひまわり」の花弁に重なる筆遣いを、油絵の固まった雫の先端の色まで、まじまじと見るようなのと全く同じなのでございます。


ハブ Protobothrops flavoviridis

野生動物の写真を撮影するに差し当たって、「構図」というのは下手をすればライティングなんぞよりもよっぽど重要な項目かも知れませんね。



う〜〜ん。話し言葉の口調なのに、字面、書き言葉としてのアイデンティティーまでも気にしてしまうから変な文章になるのかな。


おっと、危ない。話が飛ぶところでした。

そうそう構図。構図の話でしたね。

アバウトでナンセンスな話になってしまいますが、私は「恋心」を意識しております。

私が恋した相手にしかレンズをむけないということです。
以前姉をモデルに撮影したRyo さんという方のInstagramの投稿文で見かけ、似たようなことを考えていたことに深く感動いたしました。

私の場合その「恋心」とやらはヒトに飽き足らず、毒蛇、大百足、ミサゴ、カエル、花、とさまざまに、剰(あまつさ)え人さまに「不埒だ」と言われても致し方ないぐらい、たくさんのものへ恋心を向けています。自身の話をするのは大変恐縮ではありますが、凡(およ)そ、この自由奔放な矢印の向き具合というのは私の「素直さ」が原因に大きく寄与していることかと思われます。

他人に対して素直であることは私の生きていく上で最も重要な規範かも知れません。ただ「素直さ」も、昆虫のように時間(彼らは気温だったりもしますすがまぁここはお見逃しください)と共に脱皮を重ねていき変態しますので昨日までの「素直さ」を例える言葉は、風を前に意味を成さない塵のように空虚なものになってしまうのですがね。
恋心は、日常の景色を様々に魅せてくれます。例えば「寂しさ」が普段だったら青一色で見えているのに、恋心を持って見ると冬の山々に囲まれ、大きな湖面にうなだれる白鳥が薄暗く描かれている油絵のように見える、そんな感じです。

必ずしも負の感情が悪いというわけでは無いこともご理解いただけると思います。とはいえ、この暴虐的な脳内ハッキングを「素直さ」とやらにダイレクトにくらう事もたま〜にあるのですが、そこは麻雀で一発ツモで待ってたドラを偶々引くくらいの確率ですからご愛嬌なもんですよ。


みなさんにも生きていく上で一番大事・・・一番じゃァなくてもいいけど・・・な規範ってありますか?
あなたと共に探せたらきっと、私は幸せな時間を生きることができると思います。



恋心、怖いですねぇ。(笑)
人の脳みそをここまで狂わせることができてしまうんだから。たまったもんじゃないわねぇ。笑

取扱注意だわよ、全くもう。笑



それでは皆さま、ごきげんよう。

良い1日をお過ごしください。

この記事が参加している募集

眠れない夜に

お楽しみいただけましたら幸いです^^