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トイ・ストーリー4での失敗を5で繰り返さない方法を真面目に考える

トイ・ストーリー4肯定派のワシもこのニュースには不安しか感じない(苦笑)

『トイ・ストーリー5』製作決定 ─ ディズニーCEOが発表

ディズニー&ピクサー映画『トイ・ストーリー』シリーズの第5作が製作されることがわかった。2023年2月8日(米国時間)、ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・アイガーCEOが収支報告会にて明らかにした。

現時点では、ウッディ役のトム・ハンクス、バズ・ライトイヤー役のティム・アレンらおなじみのキャスト陣の続投や、監督・脚本家など新たな製作陣の顔ぶれは不明。タイトルもまだ発表されていないが、シリーズの慣例にならえば『トイ・ストーリー5(Toy Story 5)』となるのが自然だろう。アイガーCEOは、本作について「すぐに新たな情報をお知らせします」と述べている。

なお、ディズニーは『トイ・ストーリー』第5作のほか、『ズートピア』(2016)や『アナと雪の女王』シリーズの続編もあわせて発表した。これらの戦略について、アイガーCEOは「我々が唯一無二のブランド&フランチャイズに取り組んでいく最高の事例」だと述べている。

https://theriver.jp/toy-story-5-announcement/

4で音声ボックスを手放したのはある意味ウッディのTHE ENDだと私は思ってたんだが…アイデンティティの喪失やろ…あの紐がなかったらウルトラマンからスペシウム光線を奪うようなもんやぞ。しかも「今生の別れ」を決意したバズも再登場となったら、もうなんと言えばいいのか(苦笑)

そりゃ可能性の話だけするなら「ウッディもバズも出てこない物語」だって作ることは出来るけどさ、さすがにあの2人を出さずしてトイ・ストーリーの看板を名乗ることはできないよね。だってCEOが「唯一無二のブランド」って話してるから、新たに「何者でもない誰か」を連れてきたら、もうそれはトイ・ストーリーじゃなくても良いことになってしまうし、アナ雪もズートピアも別物になってしまうでしょ。かつては『ドラゴンボール』だって孫悟空から孫悟飯への世代交代に失敗した。『THE FIRST SLAM DUNK』だって映画一本限りだから宮城リョータでも良いけど、今後も続くなら主人公は桜木花道しか考えられないでしょ。主人公は変えられないのよ。

今回のディズニーの発表は、普通の記者会見やプロジェクト発表ではなくて、主に株主向けの「収支報告会」だったことが重要である。つまりディズニーは色々ともっともらしいことを述べているが、本音としては、要するに「金になるIPは使い続けまっせ。だから株式を所有してる投資家の皆さんは安心してね」というだけの話である。まあ近年ディズニーは新規IPを起用したアニメ作品で興行不振が続いているので、こうでも言わないと投資家の理解を得られないという事情はあったのかもしれないが。


トイ・ストーリー4でウッディが音声ボックスを手放すのは、いわゆる終活の暗喩だと思っていたよ。

私自身、すでに日本人の平均寿命の半分に差し掛かり死に際を意識するようになってきたので、この描写は心に刺さったものだ。

ありがとう、そして、さようなら。

そして全てのチルドレンに、おめでとう!

…と思っていたら、5がくるという告知よw


私の感想にかなり近い記事を見つけた。(ただし「キッズ向けアニメ映画でやることじゃないだろ」という批判が起きたのは当然だと思ってる)

タイトル:
トイ・ストーリー4は「さよなら」に美しさと喜びを見つけた

ディズニーとピクサーが24年目のフランチャイズをやるに際して、意地悪な目で見ないようにするのは難しい。トイ・ストーリー3部作でやれなかったことで、まだやれることってあるのか?どうすれば続編を作るたびに前作を超えてきたトイ・ストーリーで、目新しい何かが作れる?
Heading into the fourth movie of a 24-year-old franchise, even one helmed by Disney and Pixar, it’s hard not be cynical. What could Toy Story 4 do that Toy Story, Toy Story 2, or Toy Story 3 couldn’t? And what would it take to make yet another story about Toy Story, which has constantly outdone itself in movie after movie, feel new?
しかし答えは簡単だ。ゴージャスでとてつもなくチャーミングなトイ・ストーリー4は最初の場所に戻ってきた。すなわち、紐で引っ張るおもちゃのカウボーイのウッディ(トム・ハンクス)の、おもちゃのリアルな暮らし、愛、そしておもちゃである意味にフォーカスすることだった。
But the simple answer in the gorgeous, absolutely charming Toy Story 4 is to go back to where it all began: telling a story centered on the pull-string cowboy Woody (Tom Hanks), and about fictional toys’ very real feelings about life, love, and the meaning of it all.
そしてこの物語の中で、ピクサーはまたしても私達を感情的な世界に連れて行ってくれる。そこは私達の多くが予想もしなかったか、もしくは敢えて行かないようにしていた場所。ましてやアニメーションのキッズ映画でこれをやってしまうなんて。
And in telling that story, Pixar once again takes us to an emotional place — one where many of us never may have expected or dared to visit, especially by way of an animated kids’ film.
ボーとウッディの再会はスウィート。しかしすぐにビターになる。ウッディはボーに会えて幸せだけど、彼の内には彼女の今の暮らしぶりを見下す部分がある。ウッディはボーのように持ち主がいない生活になることを認められない。この映画を見ている私達は、彼がすでにボニーから戦力外通告を受けているってとっくに分かっているのに。
Bo and Woody’s reunion is sweet, but then it turns bitter. While he’s happy to see her, there’s part of him that looks down on the life she lives, making the most of her new circumstances. He can’t see himself living as a self-sufficient toy like her, even though we all see the dead-end situation he’s in.
これは私達に大きな警鐘を鳴らす。何かに別れを告げて別の道を歩むことの必要性は、誰にだって明らかなのだ。ただ一人、それをやらなきゃいけない本人を除いて。
This rings loud and clear for us, the viewers: The need to let go and say goodbye can be so obvious to everyone except the person who has to do it.
この教訓は私達(観客)にも重くのしかかる。なぜならこれはトイ・ストーリー・シリーズそのものの反映だからだ。1995年に1作目を観た子供達は今や大人になった。当時の親世代は今や孫がいるだろう。もしかしたら孫のためにウッディとバズのおもちゃを買い直しているかもしれない。紐で引っ張るおもちゃのカウボーイと宇宙戦闘員の物語や、おもちゃ箱の中の秘密の暮らしは私達自身の人生を形づくっており、つまり私達はトイ・ストーリーの旅路の鏡映しなのである。トイ・ストーリーから離れることは私達の誰もがやりたくないことであり、やる必要があってもやってこなかったことだ。
The lesson sits heavily with us, the viewers, because it mirrors the life of the Toy Story franchise. Kids who watched the first movie in 1995 are now adults, possibly with their own children. Parents who took their kids could now be grandparents, perhaps still buying Woody and Buzz dolls for their grandkids. This collection of stories about a pull-string cowboy, a space commander, and their secret lives in the toy box has shaped our own lives has made us reflect on the journeys we’ve taken alongside them. Letting go of Toy Story isn’t something any of us wants to do, and we haven’t yet had to.
しかしもし本作が実際に最終章ならば(そんな目で見るなよ少年、マジでそんな映画なんだよ)、トイ・ストーリーに最後に一つだけ訓戒を垂れるチャンスを与えてほしい。トイ・ストーリー4のメッセージとはこういうことだ。私達は離れてしまうからという理由だけで大好きであることを止める必要はない(離れてしまっても大好きなままで居て良いんだよ)。人生の中では、大好きな誰かのそばにあなたが行けないこともあるだろうし、その逆に大好きな誰かが来てくれないこともあるだろう。でも大事なのは一緒に過ごした時間であり、一緒に感じたことであり、お互いにしてきたこと、してあげてきたことなのである。
But leave it to Toy Story to teach us one final lesson, if this is in fact the end (boy, does it sure feel like it). Toy Story 4’s message to us is that we don’t have to stop loving someone just because they’re not in our lives anymore. There’s going to be a time when we won’t be there for someone we love, and there will be a time when they won’t be there for us. What matters is the time we did share, and the feelings we did, and do, have for each other.

https://www.vox.com/2019/6/13/18668903/toy-story-4-review-woody-buzz-goodbye

トイ・ストーリー4がなぜ素晴らしいのかと言えば、かけがえのないものを失うことを肯定的に描いたビターエンドだったからだ。あなたが、これを受け入れられるかどうかで本作の評価は大きく変わるだろう。(*受け入れない態度もこのシリーズの「正しい」楽しみ方の一つだと思う)

ちょっと年齢マウントみたいになってしまうが…少し長く生きていると、こういうビターな出来事は少なからず起きて、人生の経歴に蓄積してくる。それがリアルな人生ってやつだ。

そしてトイ・ストーリー4は、ビターでリアルであるがゆえに、ファンタジーと相性が悪く賛否両論が起きたけど、そこに敢えて挑戦した作り手の覚悟を私は称賛していた。

物語の内容もそうだけど、メタ的な部分でも、トイ・ストーリーという看板でウッディの物語の「正真正銘のフィナーレ」をやり切ったクリエイターの覚悟と決意にも私は感動したのだ。

…だからこそ、5のニュースには複雑な心境なのよ。(苦笑)

事実上、自らフランチャイズの息の根を止めにかかった4に際しては、作品に何か革命的な変化が加えられた時に「人気フランチャイズの続編でやることじゃないだろ」と憤怒する既存ファンの気持ちも分かる。

補足)
ここでは「革命」を辞書に書いてある本来の定義「a forcible overthrow of a government or social order, in favor of a new system(新しいシステムに移行するための、暴力的な手法を用いた政府または社会秩序の転覆)」という意味で使ってます。

でも新規IPでは高クオリティで作れるだけの予算がつきにくいという事情もあるので、なんとも言い難い。特にアニメなんて金を使った分だけピクチャーにクオリティとして目に現れてしまうものだけに、予算はとても重要だ。

そして破壊的創造・創造的破壊への憧れ。美しく、巨大に、丹念に、時間をかけて、作られたものほど壊してみたくなる、破壊することで生まれる価値も大きい …巨大なフランチャイズだからこそ現状を変える(壊す)ことの意義が大きくなる…と思いつくのはクリエイターのサガとして否定できないものだと思う。

じゃあ、それを本当にやってもいいのか?
どうやればOKにできるのか?

…などはまた別の問題なのよね。

4の場合は、たまたま私は許せる側の人間だっただけ。

許せない人が居ても不思議じゃないと思うよ。


https://screenrant.com/star-wars-original-trilogy-best-storylines-ranked/

奇しくも同じディズニー社が抱えるスターウォーズSWでは輝かしい三部作トリロジーの続編を作り出そうとするたびに、主に古参ファンから強い批判を受ける歴史を繰り返してきた。

それこそ最近のSWはエピソード6の後日談のマンダロリアンや、あるいはエピソード4の前日譚であるアンドーに逃げるなど、オリジナル三部作をダシに使った人気取りに甘んじている(言葉は悪いが)状態である。トイ・ストーリーでも「オリジナル三部作の呪い」が発動してしまうのか。

ただ私は、そのようなインターネット民が喜ぶ都市伝説とは少し違って、トイ・ストーリーがこの呪縛から解放されてほしいと願っている。

トイ・ストーリー新作では…

・ボニーが謝罪(反省;懺悔)する機会
・アンディがボニーを許す場面

の2つは用意した方が、既存ファンにとって良い気がする。

4に怒り心頭だったファンが「ボニーも反省してるみたいだし、アンディが言ってるんだから許してやろうかな」って心を鎮める機会になってほしい。

ボニーがアンディとの「カウボーイを大切にする」という約束を破ったのは事実だ。まだ幼児なんだし、やってしまったことは仕方ないが、それでも約束を破ったのは事実だし、これについてはボニー本人が自覚して彼女なりに(彼女の年齢に相応しいレベルで)反省することが望ましい。でも、逆に言えば、必要なのはそれだけである。

まずは4でこじらせた部分は解消しておく。その上でなら、今後のメイン持ち主はどちらでも良い。このままボニーでも、もう一度アンディでも。いくらウッディを紛失してしまったとはいえ、ボニーの手元には仲間達が集結しており、それをアンディに返還するのは現実的ではないので、なんとかボニーが観客に広く愛される道を探るべきである。そのためには謝罪のプロセスは避けて通れない。このままズルズル騙し騙しでトイ・ストーリーを続けても、程なくして破綻してしまうはずである。

…そう、DCEUのように。(苦笑)

https://www.change.org/p/warner-brothers-fire-toby-richard-walter-and-geoff-from-warner-bros-warnermedia
https://youtu.be/OMjemNINCpc

ケンカしても仲直りしようぜって幼稚園や小学校で習ったでしょ?

…あと、少年ジャンプでも。(笑)

了。

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