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現代を「鬼滅の刃」から読み解く

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現代を「鬼滅の刃」で読む(完):天照す太陽

現代を「鬼滅の刃」で読む(完):天照す太陽

ついにコミック23巻です。「時間がない時間がない」と言いながら、「時代を読むのだ」となんだかんだ読む口実をつくることができました。

永遠の命と強さを求めつづけ、1000年もの時間を生きた鬼舞辻無惨。太陽を克服した禰豆子の登場で、不老不死に手が届くかと思いきや、鬼殺隊の一斉攻撃の前に崩れ落ちる寸前です。

鬼舞辻が作り出した鬼は、彼の死とともに消え去ります。逃れ者の鬼であった珠世の言葉によれば、鬼

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現代を「鬼滅の刃」で読む(陸):無惨のパワハラ

現代を「鬼滅の刃」で読む(陸):無惨のパワハラ

鬼舞辻無惨のパワハラ会議はいっとき話題になったそうですね。パワハラをしている側は自覚がないということがこの問題を難しくします。(主観的に)正しいことをしているだけのようです。

パワハラをする側の辻褄はあっているわけです。彼の合理性に照らし合わせれば彼の言動のロジックに何の矛盾もない。

これも「認識のフレームワーク」の違いと言ってしまえばそれまでなのかもしれません。

ただし、途中のロジックが正

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現代を「鬼滅の刃」で読む(弐):一人称複数の狛治の視点

現代を「鬼滅の刃」で読む(弐):一人称複数の狛治の視点

誰が言ったのかも忘れてしまったのですが、私の意識の片隅にあるのが「一人称複数」という言葉です。おかしな言葉ですよね、私が複数いるわけですから。

私の理解では、これは「僕」「俺」「拙者」という呼び方のことではなく、「子どもである私」「働き盛りの私」「病気を患っている私」「高齢になった私」という複数の視点が同居した「私」です。

個人の業績主義がもてはやされる今の時代に、これからの持続可能な社会を語

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