伊藤タカヨ

おいしいものが好き、旅が好き、楽しいことが好き 自分の周りで起きることやワタシが引き起…

伊藤タカヨ

おいしいものが好き、旅が好き、楽しいことが好き 自分の周りで起きることやワタシが引き起こす様々なことについて書き綴っています。 ときどき「大人の童話」も書いてみたいと思っています。

最近の記事

牡丹灯籠に思うこと

お盆は牡丹灯籠三昧だった。 まず京都南座で坂東玉三郎。 チケット情報が出た時は「牡丹灯籠」とだけの記載だったので、玉三郎と愛之助の美男美女で「お露新三郎」を演じられるのかな?と早とちりをしてチケットを取った。 実際は「お札はがし」と「お峰ごろし」だとわかり、華やかさに欠けるかな?と少しがっかりしたのだけれど、なんのなんの玉三郎のお峰がとても良かった! ところどころ笑わせる場面も入れつつ、人間の持つ、業、欲深さ、哀しみへと私たちを引き込んでいった。 特に伴蔵にお札はがしをけし

    • ChatGPTにエントリーシートを書かせてみた~キャリアコンサルタントとして考えたこと~

      あちこちでAIの活用法について議論がなされている。 便利だからどんどん活用すべき。考える力を奪うから学生には使用法を考えねば、等々。 『就活にChatGPTで活用広がる 30秒でエントリーシート作成 タイパ良い』とうとうこんな記事がネットに流れた。 大学生の就職支援を行なっている者として、傍観者ではいられなくなった。先日、時間があったので、ChatGPTで自分の自己紹介書を書いてみた。 自分のプロフィールを具体的に入力すればするほど、なかなかな文章にしてくれる。 『学生時

      • はさみ将棋のランチ

        ランチに6月12日にオープンしたばかりのココイチワールドへ行った。 カレーのcoco壱番屋が海外で出しているメニューを『逆輸入』で食べさせる店だ。 私が選んだシーフードトマトクリームカレードリアは、どこが海外仕様なんだろうか?というくらい、日本のココイチの味だったけれど。 問題はワタシの席の両脇に座ったカップルたちだった。 右隣の席には、ワタシが案内されたときにはすでに若いカップルが座っていた。 仕事柄なのだろうか?ワタシは周りの人たちがどのような仕事についているのか?人相

        • 「余裕を持ってお帰りください」の怪

          最近、このフレーズを聞いたことがありませんか? ワタシは先週の金曜、土曜と、たて続けに聞いてしまった。 金曜日は激混みのJR在来線の中。 あの豪雨の中、東海地方では午前中から次々と運転休止の区域が増えていたが、ワタシの利用する区間は動いていたから、夕方まで断れない仕事をして帰路についた。 ホームに行くだけで入場制限で長時間待たされ、やっと来た電車はすでに満員。雨は激しく降り、何時運休になるかも知れない。乗らなきゃ!気合いもろとも列車に乗り込んだ。 激混みの電車は絶望的最徐

        牡丹灯籠に思うこと

          疎ましくも懐かしい光景~序列行動と豪傑笑い

          先日、友人と食事をしていると、4人の会社員が店に入ってきた。 お店は大人が集うお好み焼き屋。とってもおいしいけれど庶民的なお店で、鉄板料理もやっているからお酒が進む。参考価格生ビール500円。 まず、三下奴がへこへこと案内された席へやって来て、直立不動で「こちらですっ」といわゆる上座を示している。 一拍置いて、おごそかにやってきた年かさの男がそこへ座る。三下が「〇〇さんこちらへ」と言うようなことを言って、おそらく次にエライ奴を座らせ、最後に通路側の下座に三下奴の先輩らしき

          疎ましくも懐かしい光景~序列行動と豪傑笑い

          ≪小説≫クリスマスは誰にもやって来る

          1999年晩秋 私のデスクに上野先輩がやってきて書類を置いて行った。書類の束の上にはポストイットのメモが。 メモはあの頃、社内恋愛の通信手段としてよく使われていた。しかし我々の場合はまったく違う。 そこには『30分後に煙』と書かれていた。 上野先輩は「他も呼んどいて」とだけ言って、自分の席へ戻って行った。 『煙』とは喫煙所のこと。当時でもさすがに自席での喫煙は禁じられてはいたが、喫煙者にはまだ市民権が与えられていた。勤めていた会社には立派な喫煙所が設けられていて、テーブルも

          ≪小説≫クリスマスは誰にもやって来る

          ≪短編小説≫幸せのありか 朱美の場合

          酔った主人が戻ったのは日付が変わる頃だった。 仕事がらみの宴席は多いがここまで酔うのは珍しい。 「ここへ来てくれないか?」 酔いでグラグラしながらリビングの定位置に座って私に対して言った。 そこで主人が私に告げたのは、会社を辞めることになったこと。転職のあてはなく無く、これから知り合いなどに頼んでみるということ。暫くは貯金を切り崩して生活をしてほしい。 一方的に告げられた後、どうして辞めるのか?なぜ私に相談してくれなかったの?今朝は何も言っていなかったじゃないの。こんな大

          ≪短編小説≫幸せのありか 朱美の場合

          ≪短編小説≫幸せのありか

           きょうはこの人にだけには会いたくないな、と思っていた人物が目の前に立っている。 ああ!なんということ。  晴れた日のランチは職場付近の公園で摂ることにしている。長年勤める会社では昼食も会議室で一緒にという暗黙のルールがあった。それが息苦しくて外食をするフリをして公園へ来ていた。 きょうは午前中に重い会議があり、気持ちを変えるためにも外の空気が必要だったのだ。 暑い夏もやっと終わりに近づき、木陰のベンチには心地よい風が流れていた。 「あーら、こんなところで食べてるの?日焼

          ≪短編小説≫幸せのありか

          わが愛しのスナフキン

          十九ハタチの頃、理想のタイプはスナフキンだった。 寡黙で思慮深く、必要な時には良いことを言ってくれる頼りがいのある男。 念ずれば通ずることもあるようで、やがて寡黙な男子が私の目の前に現れ、もちろん恋に落ちた。 焚き火に照らし出された彼の横顔をうっとりと眺め続けたものだった。 しかし甘い時間は長くは続かなかった。わがスナフキン氏は、寡黙ではあったが寡黙なだけだったのだ。 何を話しても相槌を打つわけでもなく、素敵な言葉なぞ一度として発しなかった。 何を食べようか?といったこ

          わが愛しのスナフキン

          見ぃ〜ちゃった見〜ちゃった

          古典的な飲食クレーマー 某日、酷暑の中、午前の予定を済ませて少し遅めのランチへ。 この暑さに勝つにはカツだと、昭和なダジャレでトンカツ屋に決定。 まず、店内の様子を説明しなくては。中央にコの字型の大きなカウンターがあり、その周りをボックス席が囲んでいる。 ワタシはおひとりさまだから当然カウンター席。しかもお誕生会席的な場所で、見晴らしが良い。 問題のクレーマーはワタシの左手で既にトンカツに食らいついていた。2度べたっとした視線を感じたので、2度目にはこちらも殺人視線

          見ぃ〜ちゃった見〜ちゃった

          ドキドキ初版本

          友人が本を上梓した。 「自分のやりたいことがわからない人のための本」 大多喜ぺこ著 自分の半生で行動したこと考えたこと等々を描くことで、これからの生き方で悩んでいる人たちへのエールになっているという本。 彼女を知っていても知らなくても、生き方に迷っていても迷っていなくても面白い本。ぜひご一読ください。 今後、出版にまつわる裏話?を語る講演会(zoom)なども企画されているのでご期待ください。 初版本で思い出すのが「ある童話」のことだ。 今から二十数年前のこと、年上の友人(オ

          ドキドキ初版本

          劇場の咳とくしゃみについて(ごく個人的独善的考察)

          先日出かけたクラシックのコンサートでの出来事。 曲がだんだんと弱くなり楽器の音色の微かな余韻が残り…一拍置いて曲の終盤へ上り詰めるという時、一拍の静寂の時にワタシの右へ3人向こうのおっさんがくしゃみをやらかしてくれた。 クシュンという可愛らしいものではなく、バクショォ~~イと盛大なやつを。 演奏はおっさんのくしゃみなどお構いなしにクライマックスへ向かって行ったのだが… 狙いすましたように静寂の一拍にぶち込んだくしゃみ。やってくれたわね!曲が台無し。 その絶妙さ加減が可笑しく

          劇場の咳とくしゃみについて(ごく個人的独善的考察)

          おひとりさまはお気の毒さまなのか?

          おひとりさまはお気の毒さまなのか? 答えは否であるのだけれど、先日興味深い「仕打ち」に遭ったので報告。 その日は午後から大切なミーティングがあったけれど、それまでの時間はゆったりとしていたから久しぶりに孤独のグルメを楽しむことにした。 さて何を食べようかな?ガツンと韓国料理、本場のカレー、ガーリックの効いたパスタもいいね!暑さのせいかスパイシーな料理ばかりが思い浮かぶけれど、大切な仕事相手のところへ昼ご飯の香りたっぷりまとって行くのはマズイね。 迷いに迷った挙句、おしゃれな

          おひとりさまはお気の毒さまなのか?

          タカヨついに焼きが回る

          少し前の出来事。 あるかたとの打ち合わせに名駅周辺のコメダ珈琲店を指定された。 名古屋駅周辺ならワタシのお庭だ。〇〇店ね、はい楽勝楽勝! 丁寧にメールで地図もお送りいただいたが、地図なんか見なくたって簡単に行けるわとタカを括っていた。 さて当日の昼下がり。まだ残暑厳しく気温は30℃を軽く超えていた。 でも大丈夫、地下街をささーっと歩いて〇番出口から出たらすぐだもん。 すぐに着くはずだった。 しかし思っていた場所にコメダが無い! 悔しいけれど送っていただいた地図

          タカヨついに焼きが回る

          ご恩は決して

          先日、若い友人から言われたこと。 「部屋を片付けていたら、去年の今ごろタカヨさんから貰ったマスクカバーが出てきました〜懐かしくて…もう使わないけど、とっておきたいです」まあうれしいことを! 昨年の今ごろはコロナ予防関連の物資が何もかも無くて苦労したなぁ。 もともとマスクカバーは別の友人が私に作ってくれた。 不織布マスクも入手しづらい頃、カバーをかけたら長持ちするよとわざわざ縫ってくれた。 このカバーが大層使いやすく重宝した。(不織布マスクも何度も洗うものだからヨレヨレだけれど

          ご恩は決して