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見ぃ〜ちゃった見〜ちゃった
古典的な飲食クレーマー
某日、酷暑の中、午前の予定を済ませて少し遅めのランチへ。
この暑さに勝つにはカツだと、昭和なダジャレでトンカツ屋に決定。
まず、店内の様子を説明しなくては。中央にコの字型の大きなカウンターがあり、その周りをボックス席が囲んでいる。
ワタシはおひとりさまだから当然カウンター席。しかもお誕生会席的な場所で、見晴らしが良い。
問題のクレーマーはワタシの左手で既にトンカツに食らいついていた。2度べたっとした視線を感じたので、2度目にはこちらも殺人視線をお返ししておいた。
歳は50代、ポロシャツにキャップなんだけど仕事はしていない感じね。
ワタシの注文したトンカツがやって来た頃に事件は起こった。
男が激しくせき込み、口からバラバラとパン粉ほかをポロシャツにばら撒いた。店の子が「大丈夫ですか?」と駆け寄ると「口の中を切った、あんたではダメだ責任者呼んで。」
こりゃ面白くなってきた〜
細身でカラーリングした髪をキチンと撫でつけた兄ちゃんが駆け寄り、大丈夫ですか?が始まったのだが、お怪我をされたのでしたら病院へ…と言ったらしく、おっさんの小言に火が付いた。
小声で話すところがおっさん場数を踏んでるね。
・怪我したら病院へ行けば良いのか?あんたの謝り方が足りん。誠意がない。
・ポロシャツに血が付いてしまった、このままでは外を歩けない。(確かに血糊的なシミも上手に付けておられる)
・この店は「私の家」という意味らしいな。我が家のように寛いでくださいということでは無いか?それなのにこんな目に遭わされて…
・オレが弁護士を立てて訴えることも出来るんだよ、大事になってはおたくも困るでしょ?
・話の途中からご飯に髪の毛が入っていることにもなっていた
うーーん、食事代タダ、ポロシャツの洗濯代、それからお詫び代、合計1万円くらい欲しいのかな?
店長らしい兄ちゃんは辛抱強くかがんでおっさんの小言を聞いている。決して条件提示をしないのは、店の教育かな?頑張れ!
やがておっさんがシビレを切らして「あんたじゃだめだ、本部の人と話をさせて。電話しろ」となった。しばらくして店長の兄ちゃんがスマホをおっさんに渡す。
スマホに向かっておっさんは主張を繰り返す。
ワタシはとんかつをすっかり食べ終え、お茶を2杯もお代わりしているが電話は続いている。
ここまでで私が入店してから1時間と少し。次の予定もあるので行かねばならぬ。結末を見られないのは後ろ髪を引かれる思いだ。
お勘定をするとき、店の子に小声で「大変ね」とささやき、そのあと大きめな声で「店長さんに暑いなかお疲れ様、頑張ってねと伝えて」と言って店を後にした。(何しろワタシの声は通るのだ)
さて、ワタシが店長ならばどう行動しただろうか?
先手必勝、土下座をせんばかりに「まことにご気分の悪い思いをさせてしまい…」と周りに聞こえるよう大声で謝罪し、「当店名物サクサクとんかつの衣が大切なお客様にお怪我をさせたとあっては一大事です。さあさあ、ワタシも同行いたしますので病院へ急ぎましょう!!」と言って救急病院へ連れて行き、恥をかかせるかな?
それから。血糊が血液でないことを証明するために、各種染み抜きを持ち出して公開実験もやって見せなくちゃ。
しょぼいクレームは、うさばらしなのか、金銭目的なのかは判らないけれど、いい歳なんだからもう止めてよね。
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