見出し画像

はさみ将棋のランチ

ランチに6月12日にオープンしたばかりのココイチワールドへ行った。
カレーのcoco壱番屋が海外で出しているメニューを『逆輸入』で食べさせる店だ。
私が選んだシーフードトマトクリームカレードリアは、どこが海外仕様なんだろうか?というくらい、日本のココイチの味だったけれど。

問題はワタシの席の両脇に座ったカップルたちだった。
右隣の席には、ワタシが案内されたときにはすでに若いカップルが座っていた。
仕事柄なのだろうか?ワタシは周りの人たちがどのような仕事についているのか?人相風体や話す内容で推測してしまう癖(趣味)がある。
この二人は間違いなく大学生だ。一目見ただけで判る。

男がこの店のコンセプトについて延々と語り(内容はweb情報のまま)女はアイドル風な発声で「すっごーい」「まじぃ~」と相槌を打っている。やがてコンセプト解説は終わりとなり、注文決めのための協議に入った。(今からか?!こちらはとうの昔に注文をしてしまっている。外の「待ち」の列のことは気にならないのか?)
「ねぇ太郎はどうするぅ?」
「花子は何が食べたいの?」
「うーんどうしようかな、あたし辛いのが苦手なの~」(おいこら!ここはカレー屋だ)
「二人で別々なのを注文して半分ずつ食べようよ」
「うん、いいかも。でも~花子ぉ~辛いのが苦手なの~」
「ココイチはね、辛さが選べるんだよ。(誰でも知っとるわ!)二つとも甘口にしよう」
「ありがと、優しーね」

その頃にはワタシの注文した品が届き、「辛い」カレーに舌鼓をうっていると…左隣にもカップルがやってきた。
(甘口カレーは勘弁してくれよ)

左のカップルは席に着くなり、店員に注文をした。
(混みあっているときにはそういう気配りが大切よ)
しかし、注文の伝え方がよろしくない、若いのに偉そうなのだ。
(会社員ではないのかな?それともカノジョの前で良いところ見せたいのか?)
飲みたくもない水を飲むふりをして、左方を観察すると…
男は30代前半、ラフな格好をしている。さっきの注文の仕方は社会性がない。しかし話しぶりはアホではない。となると、フリーランスで仕事をしているか?またはポスドクか?
女は20代後半、OL。

左隣の男がスパイスについてのうんちくを語り出した。
「そもそもカレーというのはカレーというスパイスではないんだよね。クミン、ターメリック、コリアンダーなどのスパイスの集合体で…」(おー集合体と来たか!難しい言葉を使う割には内容は平坦)

男という生き物は、ウンチクを語ることが好きだ。こんなに物知りだということをアピールして尊敬されたいのかしら?ご苦労さまなことだ。
こちらの女もウンチクを語る男をうっとりと眺め、アイドル声を出すのかと思いきや、そうではなかった。

男のウンチクを途中で遮り「私、家でスパイスカレーを作るんですよ。自分でスパイス調合して作ってます。」この後、スパイスカレーの作り方を詳細に語り出した。この話も切れ目がなかったのだけれど、今度は男が話をぶった切って「スパイスカレーって大阪が盛んじゃないの?こないだ大阪で食べたスパイスカレーはね…」と食べた自慢。次はこの話を終わりまで聞くことなく女が「私、ご飯はターメリックライスを炊きます」と言い出した。すると男は「バターライスも良いよね」とかぶせる。

この女が言いたいのは、家庭的な女であるアピール?それとも無類の負けず嫌い?
いずれにせよ、この二人は相手の話をまったく聞かない。自分がしゃべりたいだけ。これで楽しいんだろうか?
そしてカレーに詳しすぎる二人が何故にココイチワールド?

右隣の学生カップルのところには、甘口カレーが2種類届き、女が「あつ~い、から~い」と甘え、男はかいがいしく冷たい水をコップに注いでやっている。
左隣の話題はスープカレーの名店を知っているか競争に移り、ココイチのキーマ麻婆豆腐カレーが運ばれてきた。すると、しばし競争を止めてキーマ麻婆カレーと共に二人で仲良く自撮り。

ワタシはというと、カレードリアを平らげ、おなかは満ち足りたのだけれど、両隣の珍妙な会話で疲れてしまった。
この疲労、元はと言えばワタシの旺盛すぎる好奇心が招いたことなのだが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?