イシザキナナセ

スナック感覚で食べられる人生。 劇団畝傍座OG。フリー役者です。 「女の子」という概念…

イシザキナナセ

スナック感覚で食べられる人生。 劇団畝傍座OG。フリー役者です。 「女の子」という概念が好き。着物とメイクも好き。Twitterを見てくれ。アメブロもはじめたよ。写真集作ろうと必死マン

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あなたは特別。そして私も

「わかる」とか「同じ」ってすごく便利な相槌だ。 自分も同じ経験をした、自分も同じ気持ちになった、自分はあなたの話を理解している その言葉は悪いものじゃない。 ただ、辛くて仕方ないときに言われた「わかる」に反発心を抱いたから、辛くて仕方ない人に「わかる」とか「同じ」とか言うのは私の姿勢とは違うと思っている。 中等度うつ状態と言われる数ヶ月前、友人に自分は死んだほうがいいとこぼしたことがあった。 友人は同じ講座を受講していて、同じサークルで、私が辛くて吐き出していた言葉

    • 朗読劇直前チャレンジしすぎて病んでしまった鬱患者の記事

      9/14朝、私は配信オーディションへの参加を表明しました。その内容とは、ドラマ『聖徳太子のレストラン』のOP曲である「ドリームイーツ」のMV出演を懸けたもの。なぜそのオーディションに見切り発車で参加したのかについて。 私は「ドリームイーツ」を歌唱しているアーティストであり偉大な舞台俳優であるKIMERUさんを尊敬しています。今の私とそう変わらない年齢でデビューし、約20年間2.5次元俳優のトップを走り続けている。性別も年齢も超越した演技力で舞台に夢を見せてくれる。ライブでは

      • 途絶えた場所から、20年を追いかける

        私は今年、20年もの活動歴のあるアーティストを推し始めた。 きっかけは数年前に観た舞台映像。一般的だけど大っぴらに言うのが憚られるルート。ネットのおもちゃの延長線上。 あまりに切実で、美しくて、強く優しい歌声だった。清い佇まいだった。 この人は何者だ。 画面に流れる愛称を目で追った。 Kime様。Kimeru様。 それがこの人の名前か。 澄んだ歌声を事故によって奪われ、ネットのおもちゃにされた少年とともに舞台に立っていた。 少しずつ、少しずつ知っていった。この映

        • 「味方」なんだって

          世の中の99.9%は私の敵だ。 小学生の頃、男子にいじめられた。 中学生の頃、ほとんどの子にいじめられた。 高校生の頃、友達ができなかった。 大学生の頃、誰も助けてくれなかった。 今、外から聞こえる音が怖い。一人ぼっちだ。 それぞれの時代で具体的に羅列できるものはあるけれど、それよりずっと前から、私には敵がいた。 父は私に父にとっての「正解」の行動と言動を強いていた。 兄は私が「女の子であること」を否定して、乱暴な言葉を教えていた。 もう一人の兄や祖母はそれ

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        • 拙い脚本
          1本
        • 人生の路上ライブ
          13本
        • How to 記事まとめ
          1本
        • 過去の絶望とか
          10本

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          家庭の事情

          「家庭の事情によりお休みをいただきます」 それと、復帰時期の目安。 これだけで十分だろう。 でも推しは細かく説明してくれた。 家族との関係、その時の家族の状況 そこまでする必要はないけど、言葉にすることで気持ちの整理がつくなら、それを受け止めたいと思った。 ただ、他のヲタクみたいにリプを送れなかった。 推しに伝えるにふさわしい言葉が出てこなかった。 そしてしばらくして、推しは同じく「家庭の事情」でワンマンライブや生誕祭に出られなかった。 少し経って、卒業した

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          私の素敵なところ

          顔がかわいいところ 人と話すとき目をかっぴらくせいで二重の線ができてきたほど愛嬌があるところ 自分に合ったメイクが上手いところ 黒や紫が似合うところ 大人すぎも幼すぎもしない等身大なところ 謎の勢いのあるフットワークができるところ 話し方が独特で和ませられるところ 演技でかわいくなくなれるところ 当たり前に真面目なところ 人を傷つけないように気をつけているところ ダメなことを言う人をダメだってちゃんと思えるところ 感情の感覚を大事にしているところ ちゃ

          私の素敵なところ

          ひとり合唱がすき

          私は歌が好きだ。 実際の歌唱力はヘタウマくらいなもんだろうけど、それでも好きだ。 歌ってみたに興味があった。歌ってみたい曲があった。 だから、iPhoneで作ってみた。 この曲は私がどハマりしたゲーム『NEEDY GIRL OVERDOSE』の主題歌で、かわいくて、激しくて、毒で、私のやりたいことに合致していた。ゲームのヒロインはインターネットエンジェルで、私は自称悪魔の子っていう違いはあったけど。 無名の役者が「全部わし」で作った低クオリティ動画はありがたくも10

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          演劇は楽(※当社比)

          叩かれそうなタイトルですが、何とどういう点で比べてってのが大事ですよねこれ〜! あくまで、昨年末私が出演したライブといままで出演した演劇の経験をもとに書いていまして、「イシザキナナセが舞台に立つこと」「見られること」の「精神的負担」についてです。結論だけタイトルにしたレポです。 それ以外は演劇のほうがしんどいところもあるね。でもライブなかなかしんどかったよっていうエッセイ。 私は初めてライブ出演という誘いを受けて、「いいのか……?」という思いを上回る好奇心で「はーい!は

          演劇は楽(※当社比)

          助けの手って言いきれない

          私の過眠を治すお薬はもらえなくて、不眠のお薬があんまり効かないみたいで、ここで一緒に平均値をとれればいいのに、なんて思った。 何も言わずになんていられなくて、脳と身体のポンコツさをゲラゲラ笑いながら話して、目の前にいる人たちが毎日立ち上がっている事実を思い出して「この程度なのに」って恥じて、人間の中にゴミやバイ菌の化身が紛れているとしたらやはり自分だと痛感する。 膨大な数の小道具で私が持つものの少なさと、私なしで完璧に成り立つ空間。もっと背負わせてくださいって言いたいのに

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          憎しみに変わる愛のほうが芸術点高いよね

          ここだけの話(というかインターネッツに載せてる時点で「ここだけ」ではないのだけど)、私は新しい恋を探している。 いい恋愛したい!でも文学みたいなダークマターみたいな恋もちょっとしたい! 私の好きな『拝啓 貴方様』の歌詞とかめちゃくちゃ芸術点高いよね!MVも芸術点高いよね!キャッキャッ とはいえ芸術点高い恋愛ってストレスフルだから芸術点高いのであって、私うつだからストレスフルな恋愛あんまりしない方がいいのでは…… ということでここら辺で満足したいがために自分の芸術点高め

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          後輩を女装させた

          私はサークルにしゃしゃりたくなる性格の人間だ。 大好きすぎて、後輩が後輩だけで仲良くしてるのも嫌だったし、みんながピリピリするのは辛かった。 そんな私は引退してもちょいちょい現れては後輩と絡む。 まず、U-33projectの役者募集を流して、ミヤモトサオリちゃんをゲットした。本番期間中「うちの子」って呼んでた。 そして、ホリプロのオーディションを受ける子を見つけて配信イベントの応援に行った。そう、彼こそが私が女装させた後輩、遠藤一真である。かずまじゃない、いっしんだ

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          夢遊病

          アイドル活動をすることになった。アイドル好きを名乗ってきたけど、不本意なことだった。だって私、あなたの輝きを見てきたから。あなたの優しさを見てきたから。あなたの人生を見てきたから。 ねえ、あなたがいなくなったら、私はどう舞台に立てばいい? これは私の、美しくも醜い十日間。 M0:からくりピエロ 「鹿鳴館ナナセでした!それでは皆さん、おやすみなさい。」 「小さなライブハウスに響く拍手の音。私は人生ではじめてのライブを終えた。私は細々と役者をやっているイシザキナナセだ。鹿鳴

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          眩しい空は残酷だ

          稽古場へ向かう駅のホーム。 ふと気付いた。 私が芸能に関わり始めてから今月で10年目だということに。 好きなアイドルが出ていたテレビドラマは小学校高学年の私を厨二病患者にするには十分で、国語の音読の時間が昔から好きで、思えば小一の頃の学芸会で演出なんかを提案してなんか周りに冷たい目で見られたこともあった。本能的に演じるということを求めていたのだろう。 好きなアイドルのドラマをきっかけに女優さんになりたいと言うようになった。小六の頃の担任の先生はこわかったけど、私よりも

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          ママの行った占いによると私は愛される

          私がスピリチュアルになんとなく惹かれてしまうのは、ママの影響だろうか。 ママの本棚には数冊の小説と細木数子の本が並んでいた。 私たち兄妹の名前は姓名判断に基づいて「吉」と「大吉」だけ出てくるようになっている(2番目の兄はサイトによっては「凶」もある)し、私が物心ついてから二度、占いで私たち家族のことを占ってもらっていた。 一度目のとき、私は「子ども」だと言われた。年齢も当然子どもだったけど、魂が子どもという意味もあるようで。どうなるかわからないと言われた。 そしてその

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          私とエンターテイメントについての雑記

          朝、何となくインスタを開いた。 素晴らしく芸術的な衣装を纏った、かわいい友人がいた。 ショートヘアの彼女はロングヘアのウィッグを被り、叶わない欲望を秘めた童話の中の女性を演じていた。 私って、いらないんじゃないか。 彼女は少年も女の子も演じることができる。 ロングヘアの大人な美女まで演じてみせた。 私は、 全部女の子だ。 19歳の「人間じゃない」と呼ばれる地位の女の子、悪魔を信仰しティーンエイジャーのまま生き続けてきた双子の姉、女神のような小麦粉の化身の女の子

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          誰もいない

          充実した日々が過ぎていった。 眠るのに適した時間以外のほとんど、眠気が止まらなくてどろどろになって眠っている。 去年の今頃も、次へ進めない自分に悩んでいた。 その頃はカトリーヌという不良品の人形として生きて、踊れないダンスを踊って、月明かりのような照明と本物の月明かりを感じながら生きた、その反動だった。みんなと同じように次に進むには惜しいほど美しい日々だった。 この半月の間には、沢山の人と出会った。 私のことを変わっていると言う人、何もできない中食らいつく私に感謝し

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