朗読劇直前チャレンジしすぎて病んでしまった鬱患者の記事

9/14朝、私は配信オーディションへの参加を表明しました。その内容とは、ドラマ『聖徳太子のレストラン』のOP曲である「ドリームイーツ」のMV出演を懸けたもの。なぜそのオーディションに見切り発車で参加したのかについて。

私は「ドリームイーツ」を歌唱しているアーティストであり偉大な舞台俳優であるKIMERUさんを尊敬しています。今の私とそう変わらない年齢でデビューし、約20年間2.5次元俳優のトップを走り続けている。性別も年齢も超越した演技力で舞台に夢を見せてくれる。ライブでは一人一人の目を見て、心に火をつけるように、時には優しく歌いかけ、MCで転勤したファンの方の話をする。私の心身を200%動かすとんでもないパワーの持ち主なのです。

私も初めて出演作を観た時なんかはただ神格化して見ていて、共通項はあれど違う場所に立っている人としてパワーをもらいながら活動したいな〜くらいの思いでした。

それが覆されたのが6月に行われたK's Arkというライブ。本格的なKIMERUさんのライブに行ったのは初めてでした。
圧巻。
「そのまま動くな 言の葉ゆれるの感じな
我慢できなかったら それが本当のライブだ」
マテリアルクラブというアーティストの00文法という曲の歌詞。
踊り出したくなるライブをするアーティストは今までもいました。でも、暴れたくなる、アーティストのパワーと同じものをぶつけたくなるほどのライブは初めてでした。

運動なんてしたくないし、そもそもの運動能力が生き物として劣っているのに、バフがかかって周りよりちょっと高く飛んでいた気がします。浴衣で。

そんな感情をぶつけ合った(と私は思っているし絶対あの熱量はそう)ライブの後、ファンクラブ会員の私はハイタッチ会に臨みました。言葉を伝えたい元気はあるけど念のため名札をつけて、ボードに役者だということを書いて。

近づいたら話せなくなった。
「楽しそうだったね」「お召し物素敵だね」と話しかけてくれるKIMERUさん。
ボードを見せると「ご一緒しましょう」と言ってくれた。
「うっ」
返事がちゃんとできなかった。
その言葉自体は社交辞令で言うことだってできる。でも、客席を指差して「福岡に転勤になったらしい」なんて言う人だ。ツイキャスのコメ欄やZoomでのファンミで見た名前と私の姿を一致させて、同じ職業の役者として見てくれているのかもしれない。

役者を名乗っているけれど実際のところ出演頻度が少なくて集客力もなくて、今年に入ってからはうつ病の病状が悪化して生きるので精一杯の私には、勿体ない言葉だった。役者と名乗ったのは私のくせに。

後ろめたかった。でも、帰路でだんだん実現できる人間になりたいという気持ちが湧いてきたのです。

帰ってから手紙を書いて、ライフプランを組み立てました。
就職、安定した生活を目指し、少しずつ出演もする。それが軌道に乗ったら事務所に入って大きい舞台を目指す。そしてご一緒する。
朧げに「一生演劇をしたい」と思っていた少し前より、確実にやるべきことが見えたのです。

今回、「ご一緒する」というゴールに最速で到達する手段が提示されたことで、ライフプランや病状、目の前のことを無視してしまったのです。

別のアプリで配信オーディションに参加している友達に励まされて、お昼に配信して、楽しかったのに合間は胸が苦しくなって、夕方に配信して、しばらくしてまた息苦しくなって、

明日が来ないでほしいと思った。配信しなければ、スケジュールや配信のネタを考えなければ、そんな思いに支配されると心拍数が上がって、他のことを考えようにも上手くできなくて、結局朗読劇もあるので、体調を優先してこれ以上の配信はしないことにしました。

一番にフォローしてくださった人、応援すると言ってくださった人には申し訳なかったけれど、代わりのきかないお仕事をできないことはもっと申し訳ないことです。

友人が「上向いて歩くとうんこ踏むから私たちは下向いて歩いた方がいい」と言っていたのを思い出します。
今回の私は上向きすぎて側溝かなんかにはまって怪我したような感覚です。しばらく痛いし、3歳児とかだったら側溝恐怖症になっちゃう。
そんな無茶をしてしまいましたが、一つ諦めたらやりとげて後はどうにでもなれという朗読劇を無事成功させるという意識にシフトして、下を見て、前も見て、何より周りの人の力をお借りしてこの日を終えられました。優しい言葉もかけていただきましま。本当に申し訳なくて、とても有難いです。

私は今回自分にできる範囲をおそらく大幅に超えてしまいました。それによって万全な健康状態でなければ掴めるチャンスも掴めないこと、「辛い」と言って冷たい態度をとる人は今私の周りにいないこと、キャパシティを徐々に広げていくべきということ、今のご縁を大切にすること、たくさん学びました。

KIMERUさんと同じ舞台に立つために猛進するのはまだ先になると思います。後退でなく、元のライフプランに戻っただけ。甘えではなく、お仕事としてちゃんとできるようになってから、対等にやり合いたいだけ。

MVのオーディション、どんな人が合格するのだろう。その人もKIMERUさんの輝きで良い影響を得られたらいいな。
私はKIMERUさんがこんなに素晴らしい人なんだよって伝えたくて、そうやって話している時間は本当に楽しかったです。

今お世話になっているのは、私の病気をきっかけに声をかけてくださった方で、無茶にならない範囲で、でもちゃんと楽しくて出会いと学びが得られるイベントに参加させてくださる方です。だからずっと大切にしていたい。

現在地も目的地も大切にして、撤退はせずに、これからさらに素敵なものを見せられるようやっていきます。

【募金箱】うつ状態で何もできない中ふと思いついた写真集を作ろう計画をゴールとしたら、今更なる目標を掲げて活動を続けられています。サポートしてくれたらシンプルに生きる支えになるし、もっと色々できちゃうかもしれないので、興味があれば是非。