いしかわごう

サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書…

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サッカーと将棋をコンテンツ化するフリーランスです。Number Webなどに寄稿。著書は「将棋でサッカーが面白くなる本」、「川崎フロンターレあるある1&2」など。

マガジン

  • 第103回天皇杯優勝マガジン

    天皇杯制覇を果たした川崎フロンターレの2023年大会(第103回)のレビューまとめです。優勝までの軌跡をどうぞ。

  • 映画『THE FIRST SLAM DUNK』を語る

    スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DUNK』について書いたnoteをまとめたマガジンです。

  • スラムダンクの新装再編版を語る。

    2018年6月から発売されているスラムダンクの新装再編版を語るレビューです。

  • 谷口彰悟について語るマガジン

    谷口彰悟が川崎フロンターレで過ごした2014年から2023年までの9シーズンの取材雑記をまとめました。全部で約60000文字ほどあります。他では読めない、とっておきのコンテンツです。

  • カタールW杯日本代表レビュー

    2022年のカタールW杯での日本代表戦4試合をレビューしています。50000文字超えの読み応えあるボリュームです。

記事一覧

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第28節・浦和レッズ戦)

 8月24日は埼玉スタジアム2002で浦和レッズ戦です。 ここ最近、埼スタでは勝利がありません。ただ川崎フロンターレには、浦和レッズ戦でよくゴールを決めている選手がい…

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「My Little Step」 (リーグ第27節・横浜F・マリノス戦:1-3)

 「ただいま」  2022年の新体制発表会見でのこと。184cmの新人GKは、そう挨拶しました。  小学校5年生からのアカデミー育ち。それも、小学生時代から熱心に等々力競技…

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第27節・横浜F・マリノス戦)

8月17日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで横浜F・マリノス戦です。神奈川ダービーですね。  この試合の注目は、やはり山田新でしょう。現在3試合連続2ゴール中。…

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「彼はゲームを支配していた」 (リーグ第26節・FC東京戦:3-0)

 試合後のミックスゾーン。 山田新に報道陣が殺到していたタイミングで、気配を消して通り抜けようとする選手がいました。  大島僚太です。 ピッチだけではなくミックス…

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・FC東京戦)

8月11日は味の素スタジアムでFC東京戦です。 今季リーグ戦初の連勝を飾って迎える多摩川クラシコとなります。 「神戸相手でもボールを握れるっていうのはこのチームの強…

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いしかわごう
2週間前
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「世界中の誰よりきっと」 (リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦:3-0)

 受け手が動きで相手を外すのか。それとも、出し手がパスで外すのか。 勝利を決定づけたこの日の3点目のゴールに関して言えば、出し手がパスで外して生まれたゴールだっ…

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦)

 8月7日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでヴィッセル神戸戦です。  さぁ、リーグ再開ですね。  ヴィッセル神戸とは、今シーズン三度目の対戦となります。過去2…

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いしかわごう
2週間前
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「叫び」 (リーグ第24節・柏レイソル戦:3-2)

「終わった・・・・」  VARによるチェック、そしてオンフィールドレビュー(OFR)が終わるまで約2分間、針のむしろ状態だった橘田健人は、自らのハンドがPKとして宣告さ…

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いしかわごう
1か月前
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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第24節・柏レイソル戦)

7月20日は三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソル戦です。  リーグ中断前、最後のゲームとなりますね。現在、チームはリーグ戦5試合連続引き分け。公式戦は7試合勝ちな…

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「STAR LIGHT」 (リーグ第23節・セレッソ大阪戦:1-1)

 この日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに足を運んだ報道陣は普段よりも随分と少なかった。  近場で味の素スタジアムで東京ヴェルディ対FC町田ゼルビア、日産ス…

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第23節・セレッソ大阪戦)

7月14日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでセレッソ大阪戦です。  天皇杯を挟んだ夏場の3連戦のラストとなります。 チームの中で、連覇を目指していた天皇杯で敗退…

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「百折不撓」 (天皇杯3回戦・大分トリニータ戦:1-3)

 レゾナックドーム大分で天皇杯大分トリニータ戦は1-3で敗戦。これにより天皇杯は3回戦で敗退となり、川崎フロンターレの天皇杯連覇の目標は潰えました。

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯3回戦・大分トリニータ戦)

 7月10日はレゾナックドーム大分で天皇杯3回戦・大分トリニータ戦です。 今回の天皇杯は川崎フロンターレにとって連覇のかかった大会となっています。クラブは過去2度優…

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「一番近くて遠いもの」 (リーグ第22節・ジュビロ磐田戦:2-2)

 試合後のミックスゾーン。 傍目からも憔悴していたチョン・ソンリョンを呼び止めて最後の失点場面を聞くのは、正直、心苦しい部分もあった。 しかし、聞かないといけな…

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第22節・ジュビロ磐田戦)

 7月6日はヤマハスタジアムでのジュビロ磐田戦です。  昇格組であるジュビロとヤマハスタジアムで対戦するのは2022年以来となります。当時はまだコロナ禍でした。  そ…

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「それでも続いていくのだから」 (リーグ第21節・サンフレッチェ広島戦:1-1)

 手応えを語るにふさわしい結果がついてきていないからだろう。 ピッチでは際立ったパフォーマンスを見せ続けた瀬古樹だが、試合後のミックスゾーンでコメントする表情は…

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いしかわごう
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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第28節・浦和レッズ戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第28節・浦和レッズ戦)

 8月24日は埼玉スタジアム2002で浦和レッズ戦です。

ここ最近、埼スタでは勝利がありません。ただ川崎フロンターレには、浦和レッズ戦でよくゴールを決めている選手がいます。

 脇坂泰斗です。
今年も去年も等々力での浦和レッズ戦でゴールを決めていますが、アウェイの埼スタでも2年に1回ぐらいのペースでミドルシュートを突き刺しています。何気に浦和キラーだったりしますからね。

 今年の等々力の勝利後

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「My Little Step」 (リーグ第27節・横浜F・マリノス戦:1-3)

「My Little Step」 (リーグ第27節・横浜F・マリノス戦:1-3)

 「ただいま」

 2022年の新体制発表会見でのこと。184cmの新人GKは、そう挨拶しました。

 小学校5年生からのアカデミー育ち。それも、小学生時代から熱心に等々力競技場や麻生グラウンドに足を運ぶ熱烈なサポーターであった早坂勇希にとって、それはごく自然に出た言葉だったのだと思います。

「休みの日には、ふらっと麻生まで練習を見に行ってましたよ。もちろん、一般のサポーターとしてです(笑)」

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第27節・横浜F・マリノス戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第27節・横浜F・マリノス戦)

8月17日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで横浜F・マリノス戦です。神奈川ダービーですね。

 この試合の注目は、やはり山田新でしょう。現在3試合連続2ゴール中。今季11得点と二桁得点に達しています。

 ただ当然のことながら、活躍したら相手に対策されるのも宿命です。

相手守備陣からは最も警戒されるでしょうし、かなり厳しい監視下に置かれることは間違い無いでしょう。マリノスの

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「彼はゲームを支配していた」 (リーグ第26節・FC東京戦:3-0)

「彼はゲームを支配していた」 (リーグ第26節・FC東京戦:3-0)

 試合後のミックスゾーン。
山田新に報道陣が殺到していたタイミングで、気配を消して通り抜けようとする選手がいました。

 大島僚太です。
ピッチだけではなくミックスゾーンもすり抜けるのが得意な選手ですが、こちらが声をかけると立ち止まってくれました。他の記者があまり寄ってこなかったので、マンツーマン気味に少しゆっくりと話を聞くことができました。

 聞きたかったのは、追加点を奪った後の前半の試合運び

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・FC東京戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第26節・FC東京戦)

8月11日は味の素スタジアムでFC東京戦です。

今季リーグ戦初の連勝を飾って迎える多摩川クラシコとなります。

「神戸相手でもボールを握れるっていうのはこのチームの強さですし、楽しいサッカーだなと思いました」

レビューの追記でも紹介した三浦颯太の言葉です。前節のヴィッセル神戸戦は、後半に相手が9人になったということを差し引いても、良い試合内容だったと思います。やっていた選手が楽しいサッカーと話

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「世界中の誰よりきっと」 (リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦:3-0)

「世界中の誰よりきっと」 (リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦:3-0)

 受け手が動きで相手を外すのか。それとも、出し手がパスで外すのか。

勝利を決定づけたこの日の3点目のゴールに関して言えば、出し手がパスで外して生まれたゴールだった。

 攻撃で大事なのは、相手を見ることである。そして相手の届かないところにパスを出せば、味方はフリーで受けられる。ごくごく当たり前のことだが、川崎の14番はそれが出来る選手である。

「横パスをもらう時に、山田新がフリーになればいいな

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第25節・ヴィッセル神戸戦)

 8月7日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでヴィッセル神戸戦です。

 さぁ、リーグ再開ですね。

 ヴィッセル神戸とは、今シーズン三度目の対戦となります。過去2回はどちらも国立競技場で対戦したもので、2月FUJIFILM SUPER CUPは1-0で勝利、6月のリーグ戦は0-1で敗戦。特に2ヶ月前のリーグ戦(第18節)での完敗は覚えている人も多いかもしれません。

 あの黒

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「叫び」 (リーグ第24節・柏レイソル戦:3-2)

「叫び」 (リーグ第24節・柏レイソル戦:3-2)

「終わった・・・・」

 VARによるチェック、そしてオンフィールドレビュー(OFR)が終わるまで約2分間、針のむしろ状態だった橘田健人は、自らのハンドがPKとして宣告された瞬間にそう思ったという。

 川崎フロンターレが3-2でリードしていたアディショナルタイム。OFRを終えた中村太主審は、四角のテレビモニターを示すシグナルの後、左手でペナルティスポットを指し示していた。

 それは、柏レイソ

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第24節・柏レイソル戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第24節・柏レイソル戦)

7月20日は三協フロンテア柏スタジアムで柏レイソル戦です。

 リーグ中断前、最後のゲームとなりますね。現在、チームはリーグ戦5試合連続引き分け。公式戦は7試合勝ちなしと、白星が掴めない日々が続いています。

そんな状況の中、川崎フロンターレの歴史を知る小林悠が言いました。

「やり続けるしかないし、自分たちから崩れちゃいけないと思います」

実は彼は、自身がブレイクしたプロ2年目の2011年夏場

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「STAR LIGHT」 (リーグ第23節・セレッソ大阪戦:1-1)

「STAR LIGHT」 (リーグ第23節・セレッソ大阪戦:1-1)

 この日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuに足を運んだ報道陣は普段よりも随分と少なかった。

 近場で味の素スタジアムで東京ヴェルディ対FC町田ゼルビア、日産スタジアムで横浜F・マリノス対鹿島アントラーズがあった影響なのだと思うのだが、取材に来た記者も少なく、ミックスゾーンはどこか閑散としていた。

 そんな中、試合後のミックスゾーンに小林悠が現れたので声をかけた。手には、盟友

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第23節・セレッソ大阪戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第23節・セレッソ大阪戦)

7月14日はUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでセレッソ大阪戦です。

 天皇杯を挟んだ夏場の3連戦のラストとなります。
チームの中で、連覇を目指していた天皇杯で敗退したショックがどれだけあるかはわかりません。ただ、それを引きずってしまってはいけません。それでも試合はやってくるからです。

そして、自分たちが向き合うべきリーグ戦に関して言えば、4試合連続引き分けで5戦勝ちなしとい

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「百折不撓」 (天皇杯3回戦・大分トリニータ戦:1-3)

「百折不撓」 (天皇杯3回戦・大分トリニータ戦:1-3)

 レゾナックドーム大分で天皇杯大分トリニータ戦は1-3で敗戦。これにより天皇杯は3回戦で敗退となり、川崎フロンターレの天皇杯連覇の目標は潰えました。

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯3回戦・大分トリニータ戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(天皇杯3回戦・大分トリニータ戦)

 7月10日はレゾナックドーム大分で天皇杯3回戦・大分トリニータ戦です。

今回の天皇杯は川崎フロンターレにとって連覇のかかった大会となっています。クラブは過去2度優勝していますが、前回の天皇杯連覇を阻まれた相手というのが、実は大分トリニータでした。

2021年のJリーグを制覇し、年末に天皇杯との二冠を目指して迎えた準決勝の舞台は、ホーム等々力競技場。圧倒的に攻め込みながらも、大分のGK高木駿で

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「一番近くて遠いもの」 (リーグ第22節・ジュビロ磐田戦:2-2)

「一番近くて遠いもの」 (リーグ第22節・ジュビロ磐田戦:2-2)

 試合後のミックスゾーン。

傍目からも憔悴していたチョン・ソンリョンを呼び止めて最後の失点場面を聞くのは、正直、心苦しい部分もあった。

しかし、聞かないといけない。

勝負の恐ろしさが凝縮されたようなあの瞬間、彼の中で何が起きていたのか。それは選手本人に聞かないとわからないからである。

 これまで見たことのないほど鎮痛な表情で応じてくれた彼は、「引っかかってあの状況が起きてしまった。申し訳な

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試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第22節・ジュビロ磐田戦)

試合をディープに観戦するためのワンポイントプレビュー(リーグ第22節・ジュビロ磐田戦)

 7月6日はヤマハスタジアムでのジュビロ磐田戦です。

 昇格組であるジュビロとヤマハスタジアムで対戦するのは2022年以来となります。当時はまだコロナ禍でした。

 それ以前となると、2019年6月となります(3-1)。この試合後の監督会見中に、当時の指揮官だった名波浩監督が辞任を口にする出来事がありました。自分も取材していたので、その瞬間のことをよく覚えています。

 監督会見での開口一番、彼

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「それでも続いていくのだから」 (リーグ第21節・サンフレッチェ広島戦:1-1)

「それでも続いていくのだから」 (リーグ第21節・サンフレッチェ広島戦:1-1)

 手応えを語るにふさわしい結果がついてきていないからだろう。

ピッチでは際立ったパフォーマンスを見せ続けた瀬古樹だが、試合後のミックスゾーンでコメントする表情は厳しかった。

「この3連戦は勝ち切らないといけないゲームでした。前半は集中力もあったし、自分たちのやりたいこともできていた。ただ3連戦とも後半で失点してしまっている。そこは課題として取り組んでいかないといけないと思います」

 22分に

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