あかつき

愛知県在住 大手企業のザ・会社員勤めから退いて、出版社にてアルバイト中。好きな作家は倉…

あかつき

愛知県在住 大手企業のザ・会社員勤めから退いて、出版社にてアルバイト中。好きな作家は倉橋由美子と江戸川乱歩。歯列矯正日記と自作小説を掲載しております。

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(1)ご挨拶

はじめまして。あかつきです。 趣味で小説を書いております。LINEノベルに掲載をしておりましたが残念ながらアプリサービスが終了してしまいまして、今は公開をしておりませんが、いずれ何らかの形で公開を再びしようと考えております。 文庫本にはしてみました。。この形に感動。そして自己満足。 さて、一方でnote。 これもずっと気になっていて、何かのきっかけがあれば始めるんだろうな、とぼんやり思っておりまして。 ようやくその時が来た。 小説とは別で文字に残したいことが出来た。

    • (29)それでも、今日よりも明日はって、思っている。

      恐縮です。今回、矯正日記の部分も無くはないが、大幅に横道にそれます。 どうしてもこの状況を記録に残したいので、ご容赦ください。 2022年後半はひどかった。 ざっくり言います。描いていた道に進むことに対しての挫折→停滞→そこに父の死去→自身に起こる体調不良→隠れていた持病発覚→あんなに周りを巻き込んで息まいて目指していた新しい道はあきらめることを決断。ついでに婚約破棄。(ついでに?) もう、株の暴落みたいに、悪い兆しが見えたなと思ったら悪の先端まで行くのって早いなあ。 さて

      • (28)リテーナー装着して1年経過しました

        なんとまあ知らないうちに一年経ってしまった。 お久しぶりです、あかつきです。 2022年1月、ワイヤーが外れてうれしさと所在なき不安に似た感覚が織り交ざる繊細な気持ちのさなか、それを細かく描写することを怠り、後半はただカラオケ点数の羅列をして終えてしまった前回。 はい。 リテーナー(=マウスピース)をですね、一年装着し続けました。 一日22時間装着すること、つまり食事が済んだらすぐに再装着すること、ほぼずっとつけ続けること! という歯科医院からの指示にはさすがに怯えました

        • (27)ええやん。

          あかつきです。藤井風のライブ映像を見た直後ゆえに、影響を受けまくったタイトルであります。 矯正日記第27話。ワイヤー外れて約2週間経過。 そういや、写真掲載していませんでしたので。 ね、悪くないよね。やってよかったなあ。 これ、矯正前。うんうん。 ってことで、タイトルのええやん、の通りの気持ちなのである。 リテーナー生活が不安で不安で仕方なかったのですがそれもなんとか自分なりにクリアできる気がしてきた。 私の趣味。「週末、ダラダラダラダラ 2~3軒ハシゴ酒」

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        (1)ご挨拶

          (26)血を見た

          こんばんは あかつきです。矯正日記第26話。 とうとう! ワイヤーを取り外す日が来た!! 2019年2月8日取りつけ、2021年12月19日取り外し。約1年10か月。その苦しみにさよなら! さあさあ、どんな解放感を味わえるのかしらとワクワク。 いきなり、先生の第一声「さ、今日、はずれる、かもしれないですね」 ん??  横たわる私、まな板の鯉の私。「かも?」 「そう、まだわかりません」スマイル先生。 「ふふ・・・」 うーん、おもわせぶり。心揺らしてくるわ。

          (26)血を見た

          (25)終わる、あと1か月の限られた時間に

          あかつきです 矯正日記 第25話 矯正生活に飽きすぎてなんの思いも生まれなくなっているため 執筆意欲、ゼロでした。 ごめんなさい。 だが3日前。 「次、ワイヤーはずしますね」 不意に来るプロポーズのような 幸せを運ぶフレーズ 私はリクライニングシートに無防備に横たわり 顔に不織布をかけられているにもかかわらず 思わず両手を上に掲げ やったー! と叫びました。不織布はふわりと一瞬浮きました。 無邪気です。 思えば先月は 「この歯の形がさ、俺さ、許せないんだ

          (25)終わる、あと1か月の限られた時間に

          (24)で、どうなの?

          矯正日記、第24話。50歳になって初めての投稿。 5月に投稿した記事に書いてますが、矯正歯科の先生に「あと、3、4回で終われそうです」って言われまして。で、その4回目を今週末に迎えます。 あれ? 前回、「次で終わり」って言われてない。  そして、やっぱりアイーン すごくアイーン もう少しで終わると言われているから余計に怖い。最後のラストスパートで受け口が劇的に治ったりするもの? こわっ。こわっ。 あと、よくよく考えたら、矯正が終わるわけではなく、ブラケットがはずれて

          (24)で、どうなの?

          【小説】廃屋ネイル(8/8)

          第一話はこちらから 【第八話 最終章】 廃屋に到着する頃にはますます雲は厚く辺りは暗くなり、家を守るガラクタたちが破壊しそうな勢いで雨に叩きつけられていた。ポリ素材の赤いバケツは白く色あせ、原型が無いほどにボロボロに砕け散っている。 中に入ると屋根の穴から雨水が滴り落ちていた。水浸しになったカーペットにバシャバシャと音をたててしぶきがあがり、冷たい風が巻き起こる。そこはもう家の中ではない、屋外なのだと思い込めばどうということもない。 太一はノンアルコールビールを飲んではいち

          【小説】廃屋ネイル(8/8)

          【小説】廃屋ネイル(7/8)

          第一話はこちらから 【第七話】 雨は弱々しくだらだらと三日間降り続いた。漫画喫茶から出るとようやくそれがやんでおり、湿ったビニール傘が邪魔になった。 眠り心地の良くないソファに丸まって眠り、シャワーを浴びて朝にはこの廃屋に戻る。その生活を始めてもう一ヶ月が経ってしまう。 こんな生活を私はいつまで続けるだろう。 先を考えると、その希望の無さに空恐ろしくなり、結局考えることから逃げるために昼間は廃屋の中にこもってネイルチップの制作ばかりしていた。誰にも会わない、誰とも話さない。

          【小説】廃屋ネイル(7/8)

          【小説】廃屋ネイル(6/8)

          第一話はこちらから 【第六話】 漫画喫茶でゴロゴロしていると頭上から声がした。 「いたー!」 見ると太一が仕切りの扉の上から首を出してこちらを見下ろしている。 「ルミさんのピンクのスニーカー、分かりやすかった」 「なかなか推理力に優れているな。頭がいいのだな」 「全然メールも電話もくれないからさー」 全く忘れていた。かわいそうに、ネイルを落とすすべがなく困っていたのだろう。 太一は個室の扉を開け私の隣に勢いよく座った。主人にじゃれる子犬のように小刻みな興奮が見える。生温かさ

          【小説】廃屋ネイル(6/8)

          【小説】廃屋ネイル(5/8)

          第一話はこちらから 【第五話】 マンキツのパソコンで「コンカツ」と入れて検索するとそういう会社はたくさんあった。時代遅れかと思いきやそうでもない。ふざけ半分で検索したつもりが、意図せず手の皺に汗を滲ませる。見合いパーティーの所要時間は九十分でほぼ毎週末に開催されている。登録料も不要で女性は参加料も格安だ。想像が次第に明確なものになり前向きな気分になって来る。対象五十歳までなどというノアの箱舟まで用意されていて、素直にそこに食らいつく。氏名、年齢、携帯番号と嘘偽りなく入力し

          【小説】廃屋ネイル(5/8)

          【小説】廃屋ネイル(4/8)

          第一話はこちらから 【第四話】 汚れを落とすという目的だけならば人は風呂には入らない。贅沢にあふれるほどに湯船に湯を満たし、どこにも力を入れることなくただただ体は解放された。毛穴は開ききり、毒素がH2Oに染み出していくのがわかる。体が無限に広がるこの感じ。人の体は七十%が水でできている。だから人の体は水に親和するのか。 ユニットバスのヘリに頭を乗せ浮力にまかせて、死体のマネー、とばかなことを考えながら体を遊ばせた。息を吸うとふわりと浮かび、吐くと静かに沈む。肺の存在を明確に

          【小説】廃屋ネイル(4/8)

          【小説】廃屋ネイル(3/8)

          第一話はこちらから 【第三話】 太一を畳の上に座らせると私は折りたたみ式のテーブルの上にネックピローを置き、タオルを被せた。猫みたいに太一は小刻みに首を動かして様子を追う。段ボール箱の中からネイルセットを取り出し、色とりどりのマニキュアやオレンジスティック、ピンセット、ポリッシャーをこれ見よがしに並べた。今まで目にしたことのない秘密道具に少年は興味を示しているに違いない、と思いきや、 「あれは大丈夫なの?」 と屋根の穴を見上げて言った。鼻の穴の奥が思い切り見えた。 「大丈夫

          【小説】廃屋ネイル(3/8)

          【小説】廃屋ネイル(2/8)

          第一話はこちらから 【第二話】 私は呆然と変わり果てたその様を見つめながら煙草を一本吸った。 敷地を囲う塀との狭い隙間には家電やら、ベニヤ板やら、植木鉢やら、壊れた水道設備やらが、そもそもの役割を捨て、オブジェとしてそこにある。その、金属や木、プラスチック等々から成るガラクタたちは姿を魔法で変えられた騎士みたいに誇り高く主を守る使命を全うしているようにも見えた。彼らは家屋の壁面を覆い隠すほどに高く積み上がり、奇跡的な固定のされかたをしていてどんな雨風が吹いてもびくともしな

          【小説】廃屋ネイル(2/8)

          【小説】廃屋ネイル(1/8)

          会社は飛ぶ鳥跡を思い切り濁して辞めてやった。 午後二時、唐突に勢いよく立ち上がり事務所を出た。電話が鳴り続けていたがそんなのは無視だ。ロッカーにあった私服を紙袋に詰め込んで制服のまま更衣室を出た。出る間際に見えた姿見に映った自分はかなりイタかった。 ピンクのチェックのベストにベビーピンクのリボンタイ。ほうれい線の目立ち始めたくすんだ肌の四十二歳が似合う格好ではない。このセレクトをした責任者はこの残酷な事態を予測できなかったのだろうか。いや、予測したのだ。きっとわかっていてそう

          【小説】廃屋ネイル(1/8)

          【小説】かさぶたミミちゃん(ショートショート)

           いわゆる、変質者とカテゴライズされる人に大通りでスカートをめくられて、その衝撃で転んでひざにひどい傷を負う。  親切なドライバーが私に駆け寄って、ドライブレコーダーで録ってますから、大丈夫ですよ、何かあったら提供します、どうぞ、車に乗ってください、と言うそちらの方が怖いって。  そんな自分しか信じられない世の中で唯一、慈しむ存在を、生み出した。  変質者のせいで負った大きな膝の切り傷からは黄色い水がひたひたとあふれ出て、しばらくは湿った細胞があーだこーだと落ち着きを見せな

          【小説】かさぶたミミちゃん(ショートショート)