マガジンのカバー画像

けがれた者達の歌 冬景

441
冬の季節に書いた 冬の詩と物語の在り処 #雪ん子 #お化けの子 #妖 #柊 #白い狼
運営しているクリエイター

#藤丸

甘さと香り

甘さと香り

君の存在が

思考に焼け付く様な痛みと
記憶に甘さを残し

神経に焦げ付く様な痛みと
拭えぬ香りを覚えていくのだ

視線を
僅かに反らしてしまうのは

私の心を眼から
覗き込まれている様な
気がするからだ

バレンタインデー

バレンタインデー

チョコレート1つで

君がもっと…

甘くなるのなら

此の爪で

君の口を

こじ開けてでも

食べさせるよ

赤い蜘蛛

赤い蜘蛛

人の命の灯火は

闇夜の中では

不要な明かり

吹き消す事が出来るのなら

幾らでも消えれば良い

だから

赤い蜘蛛達よ

夜道で迷う者を

明かりで導いておくれ

人の命の灯火を消す為に…

甘さと優しさ

甘さと優しさ

私の言葉に

甘さなど無いだろう
優しさも持っていない

それどころか

私の鋭い牙で
君の骨を噛み付いて
身を裂く痛みを
君に与えようと

此の鋭い爪で
皮膚を裂き
君の骨や血肉を
味わいたいと狙う

今は只
私は気侭に
君に言葉を投げ唄う

独り善がりな
勝手な唄を歌うだけ

あやかしの子の悪戯

あやかしの子の悪戯

人が気付かぬ様に

罠を仕掛けるんだ

悪戯しちゃうよ

ニガテなモノは何かな?

怖いモノはコレかな?

避けてるモノだって見逃さないよ

驚く声が聞けたなら

可笑しくて

笑っちゃうんだ

半々の世界

半々の世界

僕の世界は
クルクル変わる

半々に割れた世界を
行ったり来たりする

割れた歪みから
出て来るモノが
雲のように現れて

青空に形をなすのは
鳥か妖精か

黒ずんだ
曇り空が形をなすのは
獣か鬼か

節分の赤鬼

節分の赤鬼

隠れていても

美味そうな人の血を

此の赤目は逃さぬ

お前の真っ赤な血肉で更に

目を身体を

赤くさせてくれよ

黒ずんだ血の色に

此の身が染まる前に

新鮮な

お前の血肉を

我に喰われて力になれよと

節分

節分

今日、椿の花の様に

ことりと落ちた

鬼の首は

幾つ在ろうか

落ちた鬼の首は

鬼塚へ

幾つ積まれるか

鬼の首

焦げた眼

焦げた眼

太陽が私の眼を焼いた

ジリジリと

焼け付く光りが集まり

私の眼を

黒く焼け焦げさせた

陽の光に弱かった

私の眼が

見えなくなる事は無かった

太陽の下に居れる

証の様に

私の眼が焼け焦げた

椿の唄

椿の唄

寒くなると
艶のある緑の葉と
血の様に
赤い椿の花

寒さの中で
気取らない優美さが
目を惹き付ける

此の歌が聞こえる者に
呪いを掛けようか

聞いてる
お前に呪いを掛けよう

赤い椿が落ちる頃

お前の首も
ことりと落ちる

赤い椿が落ちる頃に

お前の首も
ことりと落ちる

妖

此の白い仮面の下

見つめる視線があるの
気付いているのか

お前の影に潜み夢に潜り
密かに側をすれ違う

身体に原因の分からぬ
引っ掻き傷に
気付かなかったか?

近頃は僅かな血の味では満足できぬ

此の白い仮面の私と
視線が合ったなら

覚えの無い傷から
血が流れ出てるはずだ

「呟怖冬祭り」参加作品

「呟怖冬祭り」参加作品

以前
エントリーNo.22として
参加させて頂きました

この様なイベント参加は初めてで
良い経験となりました

妖

我、封じられし者

暫しの間
眠って居たのだ

あと数日で目覚める者なり

赤目の鬼

赤目の鬼

赤目の鬼①

姿を隠して身を潜めて居ても

どんな暗闇に居ても

此の赤い眼は

赤色のままだ

鬼の隠せぬ赤目

感情のままに

暴走せぬ様に

静かに闇に溶け込んでみせる

今は静かに

鬼は何処にも居らぬと

思う程に…