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「頑張れ」って励まされると泣きそうになる。「頑張れ」って励ましている方こそ泣きそうになる。

昨夜、小学校3年生の末っ子の娘と寝るときに、
真っ暗にした部屋で、ポツリとこんなことを話してくれました。

「みんなに、頑張れって応援してもらって、何か泣きそうになるんよね」

少し嬉しそうに、何だか自慢げに話してくれました。

その泣きそうになるって言うのは、嬉しいような、辛いような、悲しいような、苦しいような。色んな感情が混ざった末の体の反応なんだろうと思います。


こんな言葉を唐突につぶやいたのは、こんなことがありました。
昨日の出来事を少し時計を遡ってご紹介します。

一昨日、バスケの公式戦。
新年度、新チームになってから2回目の公式戦です。
1勝1敗。
1試合目はボロ負け。力の無さを痛感しました。
2試合目は何とか勝ちました。やっぱり勝つ喜びを知ります。

試合に出ている5年生の上の娘は、できたこと、できなかったこと。
悔しさもあり、成長を感じている達成感も少しはあり。
もっと上手くなりたい。レギュラーになりたい。そんな想いが増してきているようです。

試合をしてみて、課題がまた明らかになります。
家でも自主トレのメニューを考え直します。やればやるほど上手くなる時期です。

そんな毎日を重ねていってほしいと思います。


そして、昨日。
午後からの半日の練習です。

ぼくも体育館に行きます。
ウォーミングアップのランニングからスタート。
いつものように淡々と、ある意味、ダラダラと走っています。

ぼくが近くに歩み寄り、「もっと声出せ!!」檄を飛ばします。

学年も下で実力もろくに無いのに、レギュラーになろうと思うのなら、練習中からしっかりと大きな声を出す。そんな姿勢や、チームメイトからも信頼されることが大切です。
プレーが上手いというだけではないと思います。

フットワークやストレッチメニューでの声出しも同様です。
ぼく(父親)にガミガミ言われます。
練習の雰囲気もいつもとは違ってピリッとしています。

上の娘も言われるもんだから、下の娘も同じように言われます。

この子は、まさに末っ子タイプで、要領が良く、お利口さんキャラ。あまり叱られるのにも慣れてません。
「ちゃんと声出しとうやん」って言い返してきます。
「いや、聞こえん。もっと大きな声出せ!」そんなことをまたぼくに言われます。

不服そうにしながらも、徐々に頑張り度合いを増していきます。
大きな声が出てきたなら、ぼくもそれを褒めます。

フットワーク。
ただ流すだけ、形だけをするなら、特にきつくないです。
でも、この日は違います。
ぼくに厳しく指摘されます。

もっと速く!!もっと遠くまで!!!

娘2人とも、見違えるほど、見事なフットワークができるようになっていきます。
まわりの子たちもそれに刺激を受けて、いつも以上に頑張っていました。

でも、もう顔は真っ赤。
いつも力を抜いてやっているときとは違います。
キツイんです。

そうやって、キツイ思いをしていくから上達・成長していくんですよね。
コーチからもとても褒めていただきました。

キツイんだけど、達成感もある。
そんな嬉しさを少しは感じているような顔つきでした。


一番チビッ子で、最後尾の列でメニューをこなしていく末っ子。
顔は真っ赤。力を抜くとぼくに檄を飛ばされます。
一生懸命、メニューをしていきます。

まわりのお姉ちゃんたちから、「頑張れ〜!!」って応援されます。

それを続けていくと、メニューをしながらも、涙が止まらなくなりました。
「大丈夫?休む?お茶飲んでおいで?」
お姉ちゃん達が優しく声をかけてくれます。

女子のミニバスの素晴らしいところです。

「大丈夫。できる。」
そんなことを答えます。

ぼくも、その涙の正体が何なのかは分かりませんでした。
でも、ぼくは手を差し伸べません。
キツイでも、やりきれ。心を鬼にします。

いつも以上に、小さな身体を目一杯つかって頑張っています。
泣きながら、メニューをこなしています。
キツイはキツイのでしょうが、イヤとか、ツライとか、そんな感じでもないです。不思議な感じでした。
メニューを完了した後には、達成感に満ちたような顔もしていました。


休憩後、また次の練習があります。
もうそのことには触れませんでした。

家に帰って、妻に、「練習をとっても頑張ってたんよ。きつかったと思うけど、その分、上手になってる」って、娘たちにも聞こえるように報告しました。


そして、夜、寝る頃になって、娘がつぶやきました。
「わたしね、みんなから、がんばれって応援してもらったら、なんか、泣きそうになるんよね」

ようやく涙の正体が分かりました。
キツイとか、イヤとかじゃなかったんです。
応援されて、感情がぐちゃぐちゃになっていたんでしょうね。
心身ともの、刺激と成長ができた練習となったと思います。


そこで、ぼくも一言返しました。
「そうやったんやね。でもね、お父さんはね、頑張れって言っている方が泣きそうになるんよね」

これは真実です。
いつも応援しています。
「頑張れ〜!」言っているこっち側の方が泣きそうになります。

大きな声で励まし、ときには心を鬼にして檄をとばし。
一生懸命がんばろうとしている姿に、
応援しているこっち側が泣きそうです。


子どものスポーツの応援だけでなく、大人のスポーツにも、それ以外の活動・行動にも通じると思います。

頑張っている姿は、美しいです。
頑張っている姿は、見る人に勇気やエネルギーを与えます。

応援する人、応援される人、
両者にステキなものを与えているように思います。
それは、頑張る姿があるからです。


娘には、最後にこう伝えました。

「頑張れ」でも、「頑張って」でもなく、
『これからも頑張ろうね』



今日もご覧いただきありがとうございます。
貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。



冒頭のイラストは、新波 歩(Ayumi Shinba)|noteさんの作品を使用させていただいています。ありがとうございます。



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