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展覧会レポ:アートと触れ合う新たな形式 HAPS HOUSEの展示で驚きの体験

【約800文字、写真12枚】
 街頭でポケットティッシュを配布するアート? 描いた絵をみてもらうのではなく、アートが文字通り手をだしてくる!? 勇気を出して接触してきた。

会場のHAPS HOUSE(京都市南区東九条東山王町)

会場は奥なんだけど

 京都駅の南、HAPS HOUSEで開催中の「お隣から50円引スクラッチ」【Enjoy Exhibition Club #1 】は、アートと触れ合う新しい形を提案している。

左;アーティスト・田村久留美、峰松沙矢によるエッセイのような短冊

 奥の白いスペースが会場らしい。が、会場へ行くまでの壁に、何か、言葉が貼られている。
 田村久留美と峰松沙矢の作品は、観て楽しむだけでなく、関わることで発動するらしい。

「そんなに仲良くなかった人に誕生日プレゼントをあげてみるとか。」
 親しくない人からプレゼントを貰ったら、困っちゃうけど嬉しいっすね。日常的にありえる行為を通じて、物語に触れるキッカケを作り出している?!

 言葉がパイプに沿って貼られている。かつて、こんな会話があったのかもしれない。たくさんのつぶやきに、思わず微笑んでしまう。
 お水やお湯のように、言葉が運ばれてゆく。

「好んで絵を描かなくなってしまった」

 私がお邪魔した日は、小雨が降っていた。雨粒を感じながら、奥のスペースを眺める。

 左手に絵画が一点、奥に原稿用紙が展示されている。文字情報から、感情が伝わり、浸透してくる。

「私はいつからか、好んで絵を描かなくなってしまった。~」から始まる衝撃の告白文。夢中になって読む。(この作品は触れてよい)

 雨音を聞きながら、アートが生み出す感情の世界に没頭してしまう。これぞボットー体験。

移動するアートに挟まれる

 会場の右手には、京都市の地名に写真? ヒモ??

 展示は移動するアートとして展開され、京都の地図に沿って街中を巡ったらしい。
「『接触する体験』、つまり広い意味で『他者』に触れる経験は、自分の身体や感覚を知覚し、同時に『他者』を想像することだと言えるでしょう。」¹

 アーティストたちが、制作した絵画を自力で街頭に運び、街の様々な場所で展示したツワモノ写真だった。
 アーティストの方にお話を伺うと、「今日も雨さえ降らなかったら行こうと思ってました」とおっしゃる。

街頭展示が再現されている

 HAPS HOUSEさん、今後の展示方法もユニークだ。展示を行ったアーティストが、次回に展示するアーティストを指名していくリレー形式なのだとか²。

 アートに「接触する体験」は、つづく。

■information
Enjoy Exhibition Club #1  
田村久留美・峰松沙矢 「お隣から50円引スクラッチ」
会期:6月14日(金)~7月7日(日)13:00~19:00 会期中の金・土・日曜日オープン
会場:HAPS HOUSE(〒601-8004 京都市南区東九条東山王町1)※駐車場、駐輪場なし
料金:無料
SOA(SPECIAL OTASUKE ADVISOR):岡留優
事前予約:不要
所要時間:約15分
混み具合:ガラガラ
写真撮影:全て可能


グッズ?!

 入口付近に置かれたポケットティッシュ。「ガバっともらってください」と仰っていただき、ひさびさにポケットティッシュをいただく。

 家に帰って、カードを取ると、裏面にドローイングがっ!

田村久留美(ポケットティッシュ)2024、木材パルプ•容器包装プラ 約12㎝×8㎝ [Free]

 モチーフは、紙と手だ。う、嬉しいー。
 しばらく袋のまま飾っておこうと思う。

ソース;
¹:あいさつパネル「お隣から50円引スクラッチ」展、SOA(SPECIAL OTASUKE ADVISOR)|岡留優
²:web【HAPS】「Enjoy Exhibition Club #1  田村久留美・峰松沙矢 「お隣から50円引スクラッチ」展開催のお知らせ」https://haps-kyoto.com/enjoy-exhibition-club-1/


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