三谷

ほとんど弱音、たまに春が来ます

三谷

ほとんど弱音、たまに春が来ます

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3日間くらい、うまく眠れずにいた。目を閉じればすぐさま闇が回りだして、よからぬことばかりを浮かべてしまっていたから。瞼が決壊して涙が滲む時、私は私が思っていたより悲しかったのだと気づく。血を見て痛みが増すように。 でもふしぎなの。つらいことには変わりないけど、沈んでおしまいじゃなかった。腫らした目で最後に見えたのは、あなただったよ。 きっとこれからの日々は、第3章目になる。1章目で、生きてるのか死んでるのかも分からないほどの迷いの道を進んだ。2章目で、やっと人を本当の意味

    • 終点

      こんな時、誰をどれを優先すればいいのか分からないけれど、何よりも自分の心が壊れないようにするのは間違いじゃないと思う。耐えられなかったことへの不甲斐なさ、向き合い続けられなかったことへの情けなさは掘り出せばきりがない。誰のことも責めたくなくて、傷つけたくなくて、だから言葉が何も出てこなくて。感情のままに言葉を発しても、何もいいことないし。けど言われっぱなしでむかつかないわけないし、悲しくないわけないし、言いたくなることは星の数ほどある。言葉が生まれて埋もれていく時、どうしたっ

      • 岐路

        夏が始まる前に、私はここを離れる。 長くて短い目まぐるしい日々はもうすぐ終わる。 行く末も知らずに。 初夏のおはなし。 悲観しがちな私に、あなたは間違ってないと 言ってくれる人達がいなかったら。 きっと今頃ひとりで自滅してたろうな。 ありがとうあの時は、って言える日が来るかな。 愛したこと、憎んだこと、忘れないでいよう。 望むなら、きっとどこかでまた繋がるだろうし。 悪い話にはしたくないし、しないよ。 嫉妬も嫌悪も寂しさも一旦置いていくから。 でもね、きっと、寂しかっ

        • 鼻先

          夜の海は空と海の境界線がほとんど見えない。 浮いているような、死んでいるような感覚になる。 意識をしっかり保たなければ、そのまま潮になってしまうんじゃないかとさえ思うほど。 底無しの寂しさは奈落そのもの。 今もきっとその穴で落ち続けている。 誕生日をスケジュールに入れる。 会いたくなって連絡する。 会えない日々がつらくて泣いてしまう。 好きだと言っていたものに興味を持つ。 毎日でも会いたい。 これが恋の定義と同じなら、毎日誰かへの 恋心を募らせていることになる。 友達に

          暗転

          体の中がすっと冷えて、次の瞬間かっと熱くなる。これは、私の中でよくない感情が昂った時に起こる。焦りとか、怒りとか、悲しみ、とか。最近はこれを感じることが増えた。落ち着け落ち着けと深く息を吸っても何の効果も無くて、むしろ拍車がかかってしまう。ここ1年2年は緩やかになったけれども、これはたしかに、発作の前触れ。視界がざわざわとフェードアウトしていく、息が浅くなって吸えなくなって、心音が早鐘のようにうるさくなる。慣れることなんて無い、治ることも無いから、せめて自分で出来るのは感情の

          劇薬

          近しい人の輪郭が思い出せなくなる時が恐ろしくて、ぎゅっと目を閉じる。黒目の真ん中を泳いで、泳いで、泳いで、それでも思い出せない。目を開けるより少し前に目尻が濡れる。そんなことがもう、無ければいいのにね。 だいすきって言ったらだいすきが返ってくる。会いたいって言ったら会いたいが返ってくる、あわよくば会ってくれる。こんな人たちと紡ぐ生活が、どっかなんか寂しいのは、己の影が私をずっと見つめているから。 「またそうやって大切に想いすぎたら、煙たがられてお終いでしょう。」 ばかじ