逆夢

ずーっとそう。

誰と居ても、心の深い深い所にある寂しさは埋まらない。どんなに楽しくても、どんなに愛しくても、結婚しても。親に愛されなかった子の呪いは一生解けない。人一倍寂しがりなのは、この呪いのせい。

許してもいい、と許せない、が交互に来る日々。私がいなくなってからあの人は変わったそうだけど、また信じてまたやっぱだめでしたを体感するのはもう嫌なの。
許してしまったら、過去の私を置いていってしまうんじゃないかとさえ思う。己でさえ計り知れない痛みを、こんな簡単に許してしまっていいの?と引っ張ってくる。そんなわけない、許せるわけない。真っ当な家に、真っ当な親にうまれていれば、私は今まで、血を吐くような寂しさを知らずに済んだんだから。普通の女の子として生きていけたんだから。

でもなあ。

許してもいいのかな、と思い始めたのは、周りの人のおかげなの。はぐれて、逸れて、絡まった道を間違いじゃないようにしてくれたから。普通の人生がよかった、こんな痛み知りたくなかった、と泣く度に、普通の人生だったらあなたに会うことすらなかったのかもと気づく。普通の子だったら、あなたの細かい優しさにも隠した痛みにも気づけなかったかも。あなたがくれた優しさが私を作ってる、って言っても過言じゃない。もう、いいかなを数年後には言えるのかしら。

それはそれ、これはこれ。過去を掘り返す度に未だに腕を切りそうになる程でいる。ふたりの私がこれからどんな答えを出すか、焦らないで見ていよう。すぐに出さなきゃいけない答えではないし、待っている間おいしいものでも食べようかな、遊びに行こうかな。

今日はどこに行く?

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