渋沢栄一に浸る10日間 Vol.4📖「智恵・情愛・意思」
弊社インソースでは現在、“偉人の金言” を基にした研修 を開発しております。 その開発過程で心に残った偉人の金言を特選し、3月からこちらのnoteで配信しております。
第1周目として取り上げている人物は「渋沢栄一」。全10回ほどの配信を予定しておりますので、是非お楽しみに。
渋沢栄一に浸る10日間 Vol.4 「智恵・情愛・意思」
「智恵と情愛と意思との三者があってこそ、人間社会の活動もでき、物に接触して効能を現(あらわ)してゆけるものである」(渋沢栄一『論語と算盤』角川文庫p92)
この言葉は、「智恵・情愛・意思」の3つがあってこそ、常識的に人間社会の活動を送ることができ、物事に触れた際にも善悪や利害について適切な判断ができる」という意味です。
ここでいう「智恵」は、「善いことを善いと認めたり、利あることを利ありと見分け」る判断力(『論語と算盤』p93)、「情愛」は感情・心のことで、ここでは人への思いやり、人を動かす情熱などの意味合いが近いと思います。
「意思」は自分の信じることを貫く心のことですが、渋沢はこの3つをバランス良く発揮することが重要としています(渋沢は「中庸」に生きるのが大事とも話していますが、具体的にいうとこういうことなのだと思います)。
また、戒めとして、渋沢は以下のようにも言っています。
「徒(いたずら)に意思ばかり強くて、これに他の情も智も伴わなければ、ただ頑固者とか強情者とかいう人物となり、不理屈(ふりくつ)に自信ばかり強くて、自己の主張が間違っていても、それを矯正しようとはせず、どこ迄も我を押し通すようなる」(『論語と算盤』p95)。
さて、みなさまは「智恵・情愛・意思」のバランスはとれているでしょうか。
私は3つのうち「意思」を保つことが最も難しいと思っています。「継続は力なり」という言葉は月並みな言葉になってしまっていますが、これほど難しいことはないと思います。
これまで優秀な方、成功をされている方も何人もみてきましたが、そのいずれも毎日、自分の仕事や研究のことを考え、努力していました。
昔、私が大学院生だった時、担当教授に、「良い研究者になるためにはどうしたら良いですか」という陳腐な質問をしましたが、その答えは、「毎日必ず1本論文を読みなさい」というものでした。
休日の遊んで帰った後も、飲んで帰った後でも毎日必ずやるべきことをやるということは難しく、私はすぐに挫折しました。――
在宅勤務社員イシハラの感想
日本古代史の研究を14年経験され、現在はインソース メディア事業部の責任者である小林さんが綴る、「渋沢栄一に浸る10日間」 Vol.4 でした。
小林さんと同じく、私も個人的には「意思」を保つことが3つの中で最も難しいように感じます(「健康的でヘルシーな食事を心がけよう」と意気込んだ数日後には、我慢できず家系ラーメンを食べに行ってしまうこともしばしば……)。
人によって、発揮しやすさが異なりそうな「智恵・情愛・意思」。
すべてを自分だけでバランスよく発揮するのは難しい、と感じた際には、周囲の多様なメンバーと共生し、チーム・組織単位で「智恵・情愛・意思」をバランスよく発揮していくことも、ダイバーシティ時代ではひとつの策かもしれませんね。
以上、3分ほどでさくっと読める本シリーズでした。ぜひ、次回もお気軽に覗いてみてください🍵🌸
▼渋沢栄一の金言に学ぶ研修もできました!
▼「渋沢栄一に浸る10日間」他の回はこちら
📖Vol.1 「争いを恐れるな?」
📖Vol.2 「大きな仕事は細かい仕事の積み上げ」
📖Vol.3 「目先のことばかりにこだわらないで」
📖Vol.5 「趣味をもって仕事をする」
📖Vol.6 「完全な成功とは」
📖Vol.7 「目の前の成功や失敗に囚われるな」
📖Vol.8 「親が子に孝行をさせる」
📖Vol.9 「立志の要」
📖Vol.10 「《最終回》溌剌たれ!」