いのじ

子供が3人います。 写真はこちらからお借りしています→ https://unsplas…

いのじ

子供が3人います。 写真はこちらからお借りしています→ https://unsplash.com/

マガジン

  • 夢とうつつ

    子供の頃の記憶、思い出は不確かで美しい

  • 短歌

    短歌です

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何も考えてない、なんて思われたくなかった

何年前のことだっただろうか。 占いを読んでいて「今まで積み重ねてきたことが結果へと繋がる」と書いてあって絶望的な気持ちになったことがある。 だってここ数年、洗濯をし、買い物に行き、シャンプーを詰め替えて、子供達にご飯を食べさせ、幼稚園を往復する。そんな毎日の繰り返しだ。 twitterで誰かが言っていた。 ”お気楽な主婦” それが私である。 子供におっぱいをあげるだけで1日を終えた、そんな日だってあった。 結果が出るようなことを積み重ねていない。そもそも目標を立てて生活

    • ”お母さん”じゃない”わたし”に価値がある?

      人気ドラマの主人公が「いたしません。」と言う。 ”医師免許がなくてもできることは一切致しません”と。 わたしは医師免許なんて大層なものは持っていないけれど(そもそも運転免許証すら持っていない)先日たまたま同じような言葉が口から飛び出した。 「お母さんじゃなくてもできることはお母さんに言わないで!!!」 ゴム手袋を着けたわたしは、ココアのシミがついたトレーナーや膝やお尻が泥だらけになったズボン、真っ黒に汚れた靴下を洗面所でやっつけて更に1週間はいた上履きを洗っていた。二人ぶ

      • わたしの名前

        わたしの名前の「いのじ」は「ほの字」や「御の字」と同じ。漢字にするなら「伊の字」だ。 御察しの通り、旧姓が「伊」のつく苗字なのでいのじ。特に思い入れもなく、noteにアカウントを作る時になんとなく本名では抵抗があったので適当につけた名前なのだ。 しかし、それとは別にずっと温めてきた名前があった。今日はその話をしようと思う。 高校生の頃わたしは詩を書いていた。 SNSなんて言葉がまだなかった時代、インターネットといえば個人サイトで、わたしも無料ホームページ作成サイトで自分の個

        • 人見知りと育児と年齢という呪縛の話

          人見知りと育児の相性はあまりよくない。 長男が幼稚園に入園した頃、わたしは毎日が憂鬱だった。 それまでの、我が子と二人ほぼ引きこもりのような生活から一変して、たくさんの子供、保護者そして先生たち。どんどん距離を縮める他のお母さんたちにいたたまれなくなって、お迎えの時もまだ遊びたそうにしている長男を急かしてそそくさと園を後にするのが常だった。 それも3年通えば段々と慣れてくるのだが、やっと緊張せずに園に行けるようになったところでステージは小学校へ。”ふりだしに戻る”だ。 小

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        記事

          音楽室のゆうれい

          小学校が、古い木造校舎からピカピカの鉄筋コンクリートに建て替えられたのは私が入学する前の年のことだった。 なので私はギシギシいう廊下も、薄暗いトイレも経験することなく綺麗で日当たりの良い校舎で小学校生活を始めることができた。 新しい校舎で私がことさら気に入っていたのは音楽室である。 吹き抜けの玄関ホールを抜け、正面の大きな階段を2階へ上がる。上がった先を左へ曲がると右手に視聴覚室、左手に音楽室、突き当たりには図書室があった。 うすだいだい色のカーペット敷きの床が、映画館のよ

          音楽室のゆうれい

          何もない日

          2時間パソコンの前に座っているが1行も進まず途方に暮れている。 頭の中の水槽は真っ暗で、釣り糸を垂らしても何もかからなかった。死んでしまったのか、最初からいなかったのか、それとも深い水槽の底で息を殺して隠れているのか。 明日も子どもたちに朝食を食べさせなければいけない私は、この辺りで白旗をあげることにする。残念ながらタイムオーバーだ。

          何もない日

          1月を終えて

          2020年になってひと月が過ぎた。 1月1日に書き始めたnoteもこの記事で31本目。日付は変わってしまったがなんとか毎日更新したことになる。 何も思い浮かばずにパソコンの前でうつらうつらしながら無理矢理に文字を打ち込んだことも1度や2度ではなく、途中まで書いたのに上手くまとめられずに頭を抱えたこともあった。 むしろそんな日の方が多かったかもしれない。 そして今日も書いては消し、消しては書いてを繰り返している。 1ヶ月ぽっちでは何かが変わるわけがなく、かと言って何も変わっ

          1月を終えて

          冒険をする子供たち

          子供の頃の遊び場といえば海だった。 テトラポットの上をぴょんぴょん飛び跳ね、組み合わさったそれの隙間に入り込んで秘密基地にしたり。今思えばゾッとする、私が親ならば絶対に子供にさせないような遊びを当時はみんな平気でしていた。 よく誰も大怪我をしなかった・・・と書きながら、そういえば一度妹がテトラポットの隙間に落ちて溺れかけたことを思い出して胃のあたりがキュッとした。 大人はしばしば自分の子供時代のことを棚にあげる。 防波堤を駆け回ったりテトラポットに秘密基地を作ったり自分は子

          冒険をする子供たち

          順応する高齢者たち

          世の中は目まぐるしい程のスピードで進化していく。 流行をキャッチして、その波に上手く乗るのが若い世代は得意だ。しかし高齢者たちも負けていないな、と最近は思う。 先日のことだ。 ある晴れた日の昼下がり、幼稚園のバスを待っていた私はスマホを手に夕飯の献立を考えていた。冷蔵庫の中身を頭の中に浮かべながらレシピを検索していく。少し夢中になっていただろうか、ふと顔を上げるとそばにあるお寺の境内にお年寄りが3〜4人集まってチラチラとこちらを見ていた。赤ん坊を抱っこしていた私は”子供がい

          順応する高齢者たち

          寒い朝の風景

          南の島だって冬はやはりそれなりに寒いものだ。 子供時代、朝なんかは寒い寒いと言いながら起きてきて居間に敷いてあるカーペットの上で丸くなっては、やれ「早く着替えなさい」やれ「遅刻するぞ」と母に叱られた。当時の我が家は”とても通気性の良い家”だったため、廊下も自分の部屋もどこもかしこも寒い。顔を洗ったり、制服に着替えたりするためにいちいち居間を出るのが苦痛で仕方がなかった。 そんな南の島の冬の朝、私も妹も寒い寒いとグズグズしているのに母はなぜあんなに寒い台所に立っていられるのだ

          寒い朝の風景

          私は料理が苦手だ

          私は料理が苦手だが、主婦なので家族が食べるご飯を作っている。 夫、長男、長女、母そして私。家族であっても味覚はバラバラだ。長男は私と味覚が似ている。薄味で野菜なんかもモリモリ食べてくれる。対して長女は偏食家だ。何を作っても気に入らなければ食べない。先週は食べたのに今週は食べないなんてこともざらにある。夫は肉があまり好きではない。ちょっと凝った料理なんかも進んでないことが多い。 私は料理が苦手だ。 彼らを全員喜ばせる料理なんて作れるはずがない。それこそ毎日カレーにしたい・・・

          私は料理が苦手だ

          38度の発見

          昨晩ひさしぶりに38度を超える熱を出した。 これまで25日せっかく更新してきたのに・・・そんな気持ちだけで、日付の変わる間際にウンウンと唸りながら下書きに残っていた文章をnoteにアップした。 しかし体調の悪い時には潔く休むべきだなと翌朝noteを読み返して思った。納得できない文章だから下書きに残っていたのに、それをそのままアップしてしまったのだ。そして今日、なんとか熱は下がったものの頭痛が残っていて頭の回転がいつも以上に悪い。 ”潔く休むべきだな”なんて言っておいて、やはり

          38度の発見

          ”新着メールはありません”

          私が初めて携帯電話を持ったのは、確か高校1年生の時だったと思う。 当時国内最小カメラ付き折りたたみ型携帯電話として登場した機種で、漫画雑誌に掲載されていた広告を見て、その丸っこいフォルムと豊富なカラーバリエーションに一目惚れしたのだった。(ちなみに私が買ってもらったのは”しゅわしゅわラムネ”という水色のものだ) その頃は日本全国どこでも電波が入るという時代ではなく、電波を探して家の中を行ったり来たりしたものである。 そんな電波状況だったものだから購入した当初はそれほど使用頻

          ”新着メールはありません”

          南の島に降る雪は

          noteのネタに困った時は検索ウィンドウに”今日はなんの日”と打ち込むのだ。そうすると記念日や過去の出来事、誕生日の有名人までなんでも出てくる。ちなみに今日1月24日は”ボーイスカウト創立記念日”や”ゴールドラッシュデー”らしいが、残念ながらボーイスカウトにもゴールドラッシュにも語るべきエピソードを持たないので”雪”について書こうと思う。 今年の冬は暖冬と言われているが、4年前、2016年の1月24日は強い寒気の影響で全国的に雪の被害が相次ぎ、奄美大島で115年ぶりに、沖縄

          南の島に降る雪は

          2020宇宙の旅

          21日の夕方、私は空を見上げていた。宇宙ステーションが日本の上空を通過するのを見ることができると聞いたからだ。 実は20日の夕方も私は空を見上げていた。18時37分ごろ、ベランダに出てスマホのコンパスで方角を確認しながら宇宙ステーションが空を流れていくのを今か今かと待つ。しかし上空を飛び交う飛行機の光に、あれじゃないこれじゃないと言っているうちに1分2分と時間は過ぎ、結局見つけられないまま10分が過ぎたのだった。 21日、今度は絶対に見逃さないように広い視野でもって空を見上げ

          2020宇宙の旅

          字が綺麗

          先日わが家に保険の外交員がやって来た。夫を名指ししたものの、あいにくの不在でインターホン越しに私が対応する。しかし、チャイムの音で昼寝から目覚めてしまった次女の泣き声に追い立てられるように、外交員の女性は資料だけを置いてすぐに帰っていった。 それは、夫に頼まれて私が資料請求のハガキを出した会社で、透明なビニールの袋の中には、冊子とおまけの絆創膏そして手書きの手紙が同封してあった。 とても読みやすくさっぱりとした綺麗な字だ。 「赤ペン先生の字」といえば分かる人には分かってもら

          字が綺麗