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何も考えてない、なんて思われたくなかった


何年前のことだっただろうか。
占いを読んでいて「今まで積み重ねてきたことが結果へと繋がる」と書いてあって絶望的な気持ちになったことがある。
だってここ数年、洗濯をし、買い物に行き、シャンプーを詰め替えて、子供達にご飯を食べさせ、幼稚園を往復する。そんな毎日の繰り返しだ。
twitterで誰かが言っていた。

”お気楽な主婦”

それが私である。
子供におっぱいをあげるだけで1日を終えた、そんな日だってあった。
結果が出るようなことを積み重ねていない。そもそも目標を立てて生活していない。何も生み出さない自分がとても無価値なもののように思えた。

そんな日々の中で、テレビや雑誌でやりがいのあることをして輝いている主婦たちが取り上げられていると「お、」とつい見入ってしまう。
自分と同じカテゴリーにいる誰かのサクセスストーリーを見て希望を持ちたい。そして子育てが少し落ち着いたら、私もきっとそっち側へ行ける。漠然とそう思っていた。
しかしいつだって彼女たちは私とは別物だった。
有名大学を卒業していたり、結婚する前はバリバリのキャリアウーマンだったり、掃除がとても得意だったり。料理がプロ並みだったり。
すると私はあからさまにがっかりして「全然、ただの専業主婦なんかじゃ無いじゃないか」と不貞腐れるのだ。

誇れる学歴も大した職歴も特技もない。旅にも出ない。素敵な写真もファッションセンスもない。受賞歴もない。何もない。
失われていく共通点に途方にくれる。
結婚する前は何をしていたのか思い出せなかった。私は種を蒔いてきただろうか?

今となって思えば、その当時の私はきっとひどく落ち込んでいて悪いことばかり考える時期だったのだろう。化粧もせず美容院にも行かない自分の姿を鏡で見ては、このまま年老いていくのだとどん底にいるような気持ちになった。

お気楽な主婦だって毎日ものを考える

暗い話を長々としたが、長男も小学校3年生になり、子供も3人に増え、忙しいがいろんなことに余裕が出てきた。
美容院にだって行くし口紅も塗る。「気楽な主婦を満喫しております」と言えるくらいには厚かましく成長した。

種を蒔いていないことなんてなかった。
一歩も家を出なかった日も、SNSで「専業主婦は能力のない世間知らずだ」という書き込みを見て落ち込んだ日も、子供と一緒にブンバボーンを踊った日も、私は色んなことを感じて考えていた。

タイトルの「何も考えてない、なんて思われたくない」というのは未来の自分へ向けての言葉だ。私は今お気楽な主婦だけれど、毎日いろんなことを考えているんだと忘れないように、埋もれていかないようにこの場所に記録していこうと思う。
「何もない」なんて自分を責めてしまわないように。


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