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南の島に降る雪は

noteのネタに困った時は検索ウィンドウに”今日はなんの日”と打ち込むのだ。そうすると記念日や過去の出来事、誕生日の有名人までなんでも出てくる。ちなみに今日1月24日は”ボーイスカウト創立記念日”や”ゴールドラッシュデー”らしいが、残念ながらボーイスカウトにもゴールドラッシュにも語るべきエピソードを持たないので”雪”について書こうと思う。

今年の冬は暖冬と言われているが、4年前、2016年の1月24日は強い寒気の影響で全国的に雪の被害が相次ぎ、奄美大島で115年ぶりに、沖縄では観測史上初めての雪が降った日だ。
「観測史上初」「115年ぶり」という触れ書きからそれがどれほど大変なことかわかるだろう。南の島に暮らす人々にとって”雪”というのはおとぎの世界の話なのだ。

私は奄美大島の出身だ。
雪を見た一番古い記憶は小学生の頃で、校庭に敷かれたブルーシートの上に東北のどこかから送られてきたという雪がこんもりと盛られていた。今よくよく考えればほとんど氷のようになっていたのだが、当時はその冷たさに皆が沸き立った。

その次が高校2年生。修学旅行で行った韓国でのことだったが、空から降ってくる雪を見たのは高校を卒業して東京に出てきてからだ。田舎者と笑われないようにできる限りすました顔をしていた私も、その時ばかりは白く積もったまっさらな雪の上に足跡をつけ、そっと雪の中に手を差し込みその冷たさをこっそり堪能した。
今でも雪を見れば心が躍る。しんしんと降り積もる様はいつまで見ていても飽きないし、雪降る日の静かさは特別だ。積もればやはり面倒だが、白く染まった地面に足跡をつける時には子供のような気持ちになる。

 今週末、天気予報では関東にもわずかながら雪マークが付いていた。めんどくさいなと思いながらもつい心躍らせてしまうのは南国生まれのサガだろうか。

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