#映画レビュー
本気で生きれば、いつかわかってくれる~映画『無理しない ケガしない 明日も仕事!新根室プロレス物語』~
このドキュメンタリー映画はプロレスファンのみならず全ての人から愛される作品だ。それは、プロレスのみならず全ての人を愛し、愛された主人公の男の生き様につながる。
確かに、映画『無理しない ケガしない 明日も仕事!新根室プロレス物語』(湊 寛監督、2024年。以下、本作)は、北海道根室市の小さなプロレス団体を扱っているが、それはたまたま主人公のサムソン宮本がプロレス好きだったからであって、そうじゃな
生きることと働くこと。失敗してもやり直せる~映画『チョコレートな人々』~
「失敗しても、温めればまた作り直せる」
映画『チョコレートな人々』(鈴木祐司監督、2022年。以下、本作)で繰り返されるナレーションだ。
タイトルからもわかるとおり、冒頭の言葉はチョコレートに対するものだ。失敗しても温めて溶かせば、また作り直せるし、だから無駄が出ない。
しかし、それは、チョコレートに限らず、人生にも言えることではないか、本作を観ながらそう思った。
本作は、愛知県豊橋市に本店を
「銀平スカラ座」の物語を川越スカラ座で観る~映画『銀平町シネマブルース』~
私は映画などのモデル・ロケ地を巡る、所謂「聖地巡礼」に興味がない、と以前の拙稿に書いた。
映画『銀平町シネマブルース』(城定秀夫監督、2023年。以下、本作)を川越スカラ座で観るのは、「聖地巡礼」ではない。
スクリーンに映る「銀平スカラ座」は架空の映画館だが、川越スカラ座にほとんど手を加えることなくそのまま使っている。川越スカラ座は本物の映画館であり、そこで映画を観るのは当然の行為だ。だから、「聖