小川三十一「ノットゥルノ -Notturno-(一部)」
人間はやりたいこととやっていることが 完全に一致していることはめったに無い。食べるとか寝るとかの生理現象は別にして、いや別にしなくてもたとえば食事にしても今食べているものが今食べたいものと完全に一致していることは少ないはず。いや自分はいつも好きなものを食べているよと言う人もいるかもしれないけれど、そういう方は無意識のうちに今食べられるものを食べたいと思うように思考が慣らされているのだと私は思っている。誰でもそれがかなうなら毎晩でも星付きのレストランで出てくるようなものを食べていたいと思っているはずだ、できれば部屋着のままで。(続)
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