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家族だからこそ許せない事、がある。

気付けば、湯船の中。
私は泣いていた。

シャワーの音に隠れ、
さめざめと。涙は自分の意思に反して
流れ続ける。


子供のころから変わらない、くせ。
怒られたり喧嘩したり、悲しい事があると
お風呂で、静かに泣くの。


家族は、仲が良い。

ただ、私は小さな時から、父とよくぶつかる。
今日だって、些細なことで
言い合いになった。

だいたい揉めるのは、
仕事のこと、お互いの生き方について。


私は普通の会社員、
父は、昔から自営業で、
人の上に立ち、まとめる仕事。

見える景色も、考える事も、
何か起きた時の責任も、全く違う。

だからこそ、
違うのは当たり前で。
分かり合えないのは、分かっているのだ。

なのに。

「私のため」
このことばを盾に、
私の小さな、ため息みたいな愚痴や文句に
対しても、
父は、反論する。お前が悪い、とまで
言われてしまうことがある。


私は、会社でがんばっている。自分なりに。
がんばっているからこそ、苦しいこともある。

ただ、その愚痴を
「気を遣い過ぎだ」
「相手にそれは文句を言うべきだ」
「それは、違う!」

いちいち評価されてしまうのだから、
かなしい。くやしい。




私の中で、なんとなく
家族には味方であってほしい。
そんな願いがあって。

家に帰れば、自分のスイッチをオフにして
まっさらになりたいんだ。

「私のため」「成長のため」
「これからのため」

ためためため。何のための、誰のための。

受け入れてほしいと、願わないから。
受け止めてくれるだけで、いいのにね。

家族は、むずかしい。
家族だから、信じたいことがある。
家族だから、褒めてほしい。
家族だから、許せないことがある。

そんなことを想いながら
最近寝てる和室に行くと
いつもより丁寧に、布団が敷いてあった。

下の階から、声が聞こえる。
「ふとん多めにしておいたぞ、
ゆっくり休めよ」

悔しいけれど、私の父は、こんな人。
優しさが不器用だな。私にそっくりだ。

少し疲れた。今日はゆっくり、
おやすみなさい。

気付けば、涙はもう枯れていた。

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