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黒電話:停電時でも使えるレジリエンスな機械 (CASE: 4/100)

▲「黒電話」とサステナビリティ

私が小学生の頃、長崎県に超大型台風が直撃し数日間にわたって停電状態が続きました。その時に、家の黒電話だけが鳴り響き、小学校が休校となることがわかりました。
あまり知られていませんが、黒電話は停電時でも利用することが出来ます。なぜなら、黒電話は、コンセントなどからの商用電源を用いておらず、電話回線からの給電により動作しているためです。そのため、電話回線が正常な場合には、停電時でも黒電話の利用が可能となっています。
さらに、気温や湿度への環境的耐久性、部品取り替えの容易さによる機械的耐久性、さらには電源喪失時などの防災的観点からの頑強性も持ち合わせている製品です。

黒電話は、黒い筐体と送話器一体の受話器を特徴とする電話機の総称です。日本においては、1933年に逓信省によって日本国内で制式化・提供開始されたものが初代。
現代においては、黒電話を利用している家庭や事業所の数は非常に限られていると思われますが、電話のアイコンとしての黒電話は一般性があり、絵文字や着信音などで、いまだに広く利用されています。

黒電話が出現した時代においては、その製品はまさにイノベーションで、音声品質や耐久性などで、持続的なイノベーションが行われてきたことでしょう。
一方で、現代から見た黒電話には、持続可能性という観点で示唆が多くあるように思います。それは、提供する価値、つまり遠隔地との音声通信に対して、出来るだけ部品点数を抑え、使用電力を最小化し、部品交換可能な設計となっている点です。

「モノからコトへ」は製造業の方との会話でよく聞かれる言葉です。これまではモノを高機能化、そして高価格化して事業を行ってきましたが、黒電話のようにモノを最小機能化することで普及と耐久性、頑強性を増大させ、コトの方で収益化していく。そうした事業モデルへの転換は、他にも可能性がありそうです。

▲参照資料


▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab マネージング・ディレクター 横田幸信

▲i.labについて

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