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ランドセルリメイク:素材と思い出を生かし、別の製品へと生まれ変わる(CASE: 39/100)

▲「ランドセルリメイク」とサステナビリティ

近年卒業シーズンになると時々SNSを賑わせるのが「ランドセルリメイクサービス」です。6年間使ったランドセルを、パスケースやペンケースにリメイクしてくれるサービスで、その非常におしゃれな仕上がりに驚きのコメントが多数寄せられていました。また、思い出の詰まった製品を捨てずに再利用できることに喜びを感じる人も多く、人気が高まっているようです。

この事例からは、良いものは形を変えても良いものである、という当たり前の事実に気付かされます。6年間小学生がアクティブに使うことを想定して、ランドセルは非常に良い素材を使っていることが多く、パスケースなど毎日何度も使われる製品に変えてもなお、高い耐久性を発揮してくれます。

そして思い出の詰まったものは、あえて手触り感や元の形を残すことで、懐かしい思い出を感じながら使い続けることができます。皮に残った傷やシミは、その時々の懐かしい記憶を思い起こさせてくれます。

この事例を目にしたとき、私が思い出したのは「婚約指輪のリフォームサービス」です。婚約指輪を購入するとき、デザインや値段に悩んでいた私たちに販売員の方が教えてくれたのは、少し高齢になった時に、指輪の石を取り外してネックレスなど別のジュエリーに変えてくれるサービスでした。例えば子供が生まれると石のついた婚約指輪は危ないため取り外さないといけなくなったり、洗い物が多くなると邪魔で取り外してそのままになってしまったりします。「価値の高い婚約指輪を眠らせてしまうのではなく、別の形で使い続けられる」、その考え方に惹かれて、そうしたリフォームサービスを自社で行っているブランドで私たちは購入を決めたのでした。

サステナビリティを考えるときに、「鞄であれば鞄として、指輪であれば指輪としていかに長く使えるか」を我々は考えがちです。しかしこれらの事例から分かるのは、既存の製品カテゴリに縛られずに、良い製品を様々な形で使い続けられることの可能性や重要性です。良い製品・サービスは、そこにユーザとの思い出・使用履歴を溜めながら、様々な形に姿を変えて、その人に/何世代にも渡って使われ続けていく。そんな製品・サービスのあり方が今後はより当たり前になっていくのかもしれません。

▲参照資料

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イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。
2022年のテーマは「サステナビリティ」です。


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