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注文をまちがえる料理店:ホールスタッフ全員が認知症の方々のレストラン。「ま、いっか」の気持ちを世界に広げる。 (CASE: 50/100)

▲「注文をまちがえる料理店」とサステナビリティ

日本における認知症の有症率が、2030年には20%以上になるという推計があります(厚生労働省:2019)。5人に1人が認知症という社会において、我々はいかにして認知症の方々と周りの人々の幸せを持続可能にできるのか。そのヒントを与えてくれるのが、「注文をまちがえる料理店」という取り組みです。

世界各国のメディアで取り上げられたのでご存じの方も多いかもしれませんが、「注文をまちがえる料理店」のホールで働くスタッフは、全員認知症の方々です。オーダーや配膳を時々まちがえてしまうのですが、お客さんはその前提で来店しているので、「ま、いっか」と笑って過ごしています。店員さんもお客さんも笑顔で過ごしているのが印象的な空間です(雰囲気は参照資料欄に記載のURLからぜひご覧ください)。

この取り組みは、認知症への理解促進と寛容の輪を広げることを目的に、当初はクラウドファンディングのイベントとして始まり、その後は一般社団法人化し、様々な地域・団体が行う「注文をまちがえる〇〇」の支援をしています。

この取り組みの面白いところは、認知症の方々にも認知症ではない人と同じ役割を担ってもらいつつ、ミスが起きてもむしろそれを楽しむ空気感を作っているところだと思います。ミスをサービス品質の低下と捉えるのではなく、人間らしさ、助け合い、許し合いという心の温かさを感じさせるものとして提供する。言い換えれば、「注文をまちがえる料理店」は、「ありのままを楽しむ心のモード」を提供していると言えるのではないでしょうか。

生き物に限らず、あらゆるものは時間の経過には抗えない以上、「ま、いっか」と現状を楽しむことも、幸せを持続する秘訣なのかもしれません。

▲参照資料

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000519620.pdf

▲キュレーション企画について

イノベーション事例についてi.labがテーマにそって優れた事例のキュレーションを行い、紹介と解説を行います。

2022年のテーマは「サステナビリティ」です。

▲今回のキュレーション担当者

i.lab シニアビジネスデザイナー 島村祐輔

▲i.labについて

i.labは、東京大学i.school ディレクター陣によって2011年に創業されたイノベーショ ン創出・実現のためのイノベーション ・デザインファームです。東京大学i.school(2017年4 月 より一般社団法人i.school)が世界中のイノベーション教育機関や専門機関の知見を研究しながら独自進化させてきた理論知と、i.labが産業界で磨いてきた実践知の両輪で、企業向けにイノベーションのためのプロジェクトを企画·運営しています。

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