五十嵐 理人 建築家/IGArchitects

建築家/IGArchitects 清水建設設計部、SUPPOSE DESIGN OFF…

五十嵐 理人 建築家/IGArchitects

建築家/IGArchitects 清水建設設計部、SUPPOSE DESIGN OFFICEを経て、2019年より自身の設計活動を開始。 https://igarchitects.jp/

マガジン

  • プロジェクトのお話し

    設計事務所IGAのプロジェクトをご紹介しています。 アイディアの生まれるプロセスや、建築家に頼む雰囲気のようなものがお伝えできれば幸いです。

  • 家をつくろうと思ったときに

    家をつくろうと思ったときにぜひ読んでください。 つくる前の心構えや気を付けたほうが良いことを書いています。

  • 家づくりの時に悩んだら

    家を作っているときに悩むこと、たくさんあると思います。 ここではそんな時に役立つ内容を書いていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

noteはじめます IGArchitects

はじめまして。五十嵐です。 清水建設設計部にて6年、SUPPOSE DESIGN OFFICEという谷尻誠主宰の設計事務所にて5年、経験を積み、独立しました。ゼネコン設計部という大きな会社での設計と小規模な設計事務所での設計の両方の経験を活かし、優れたデザインで魅力的な付加価値の創出と、確かな性能と適正な価格での設計を心がけています。 どんなに予算がなくてもデザインを求められるのであれば、クライアントの言葉にできない思いを引き出して、その方ならではのデザインをご提案してい

    • オープンハウス/内覧会

      8月末から9月頭にかけて、二つのプロジェクトの内覧会を行いました。コロナな以前猛威を振るう中ですが、時間や人数を限定して、可能な限りたくさんの方にご覧いただき、ご感想や次のプロジェクトへの新しい出会いに恵まれました! 内覧会とは、完成した住宅やお店をクライアントにお引渡しする前に、家づくりやお店作りを考えている方にご覧いただき、参考にしていただいたり、こちらからアピールをさせていただく場です。あまり馴染みがない方もいらっしゃると思いますが、内覧会のポイントを簡単に書こうと思

      • アイディアのセカンドオピニオン

        家づくりは高い買い物。だから後悔したくない。 「セカンドオピニオン」という言葉も市民権を得て、建築の世界でも聞くようになりましたね。インターネットで見ず知らずの相手にアドバイスを求める、なんていうのも少なくありません。 家づくりはわからないことだらけだし、欠陥住宅になったらどうしよう、と、皆さん藁にも縋る思いでいろいろな質問をされます。もちろんアドバイスをもらったり、ご自分で調べたことを設計される方にぶつけて、不安を解消しながら進めていくのは建物にとって良いことです。 だ

        • ローコストはもうやめよう

          プロジェクトのご相談の中には、「ローコストでつくりたいです。DIYでやれることはやります。この坪単価でできますか」なんて相談も少なくありません。大きな買い物だし、夢も膨らむ。どうせつくるんだから誰だって後悔ないように、満足のいく建物にしたい。それは設計する僕も、工事してくれる施工者さんも同じ気持ちです。だからなるべく希望を叶えたいし、できる限りのことはします。 だけど、、、中にはこんなご相談があります。 とにかく費用を抑えたい。だけど希望は妥協できない。というもの。 建

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        記事

          「理想の間取りができない」理由

          「要望通りなのですが、いい間取りかどうかわかりません」 「この間取りの改善点はありますか?」 この手の質問をよくいただきます。 悩みを抱えている多くの方がこう言います。 全部自分で指示して希望通りになっているけど、いい間取りなのか不安。 はっきり言って希望通りだからいいんじゃないかと思ってしまいます。間取りに正解なんてありません。個人の暮らし方に合わせてゼロから作るものです。間取りは要望や構造、法規、寸法、デザインなどたくさんのものが緻密に積みあがってできています。ちょ

          「理想の間取りができない」理由

          キッチンの天板は何が一番いいのか?

          家づくりの中でも、皆さんこだわりが色濃く出るのがキッチンです。 インスタやピンタレストでおしゃれなキッチンを見て、これにしたいというご要望も少なくありません。ですが、キッチンはデザインもさることながら、水や油が飛び散り、多少荒く使っても大丈夫なように、機能性も重要です。今回はキッチンの天板の材料について、メリットデメリットをまとめてみたいと思います。 キッチンの天板は大きくはステンレスと人造大理石の2択です。多分人造大理石を選ぶ方が多いんじゃないかなーと思います。 天板

          キッチンの天板は何が一番いいのか?

          頼むということ

          設計の仕事はクライアントの望む家を設計する事だ。 勘違いされがちなのだが、建築家に、設計士にお願いしたら、自分の希望の望む家が自動的に出てくるわけではない。お願いする側にも努力と責任と覚悟が必要だ。 設計する側としては、クライアントに全部あなたの好みで設計してくださいと言われたら、これほど嬉しくてらくちんなことはない。だけど現実的には住まい手・クライアントの希望や予算や法規、構造、イメージに合わせて計画しないとならない。これが設計としては苦しくて楽しいのだが。。。だから設

          設計事務所とのマッチングサイトに気をつけろ

          最近はすごいもので、こんなサイトをたくさん見かけるようになりました。匿名で、敷地にどんな家が建つのか複数の建築家から案を募ることができて、しかも無料だったりする。土地を買う前にどんなお家になるのかみんな心配で、高い買い物だから慎重になるからこういうサービスが普及するのは至極当然なことなのかもしれない。 だけど、一回立ち止まって考えてほしい。 設計をしている人たちは、そのプランを考えることで対価をもらって生活をしている。前にも書いたけれど、そのプランには、独創的なアイディア

          設計事務所とのマッチングサイトに気をつけろ

          「設計事務所」にも種類がある

          最近いくつかのプロジェクトを通して、改めて気づかされたことがある。 それは「設計事務所」にもいくつか種類があるということだ。 そしてなぜか、家のつくり方がまるで違うのに、同じ「設計事務所」と名乗っているのだ。 もちろん、ボンヤリとわかってはいたつもりだけど、一般の人からするとそれらの違いはよく分からない。というか全くわからないみたい。だけど並べて比較すると、「建築家の設計事務所」は依頼する上で最も不安材料が多いように映るようだ。実際どう違って、どんなメリットデメリットがあ

          「設計事務所」にも種類がある

          設計料とは2。

          建物は、当たり前ですが、設計する際に実物を見たり中に入ることができません。車のように買う前に、実物を確認したり、使ってみることができないわけです。だからどんなものができるか(建てられるか)提案してほしい、その提案をみて依頼するかどうか決めます、となるわけです。 高い買い物だし、いろいろ見て比較して、少しでも良いものを建てたい、という気持ちは皆同じだし、理解できます。ただ、わかっていてほしいことが一つだけあります。 案を作成するのは、本来無料ではありえないのです!!!!

          2020年に日本で最も注目されたプロジェクト

          日本最大級の建築系インターネットメディア、アーキテクチャーフォト®で2020年に最も注目されたプロジェクトとして1位をいただきました! https://architecturephoto.net/108348/ 若手から超有名建築家まで、たくさんの建築家のプロジェクトが年間でとてつもない数掲載されているのですが、たくさんの偶然やタイミングが重なってありがたい結果をいただくことができました! カウントはページビューではないそうなので、各人が複数回閲覧した場合でも、その数値は1

          2020年に日本で最も注目されたプロジェクト

          白い壁

          おしゃれな住宅で画像を検索すると白い壁の住宅の写真がたくさん出てきます。やっぱり普及している住宅は白い壁が多いし、見慣れていて、なんとなく普通の家は白い壁、そういうものだと刷り込まれているのでしょう。 ですが!僕はあまりお勧めしていません。 白い壁は、はじめはきれいですが、汚れや小さな傷なども目立ちますよね。壁紙だったらちょっとはがれてきたり、ぶつけた痕が気になるし、塗装の壁だと小さなひびが気になります。(建物と言えど、地震やそれ以外でも多少は揺れます。この揺れによってどう

          盛岡のアパート プロジェクトのお話し#13

          老朽化したアパートをどうするか、最近よく聞く相談の一つです。収益物件として計画するけど、費用優先でとりあえずつくるから、基本的に入居する側からしたら家賃と立地でしか選ばない。そうすると同じ家賃なら何の変哲もない古いアパートより、新しいきれいなアパートに住みたいですよね。 このプロジェクトもそんな経緯から、リノベーションして、長く使ってもらえる建物にしようと始まりました。集合住宅はいまだに○○LDKで計画されるから、どの建物も全然面白くない。どうせリノベーションするのだから、

          盛岡のアパート プロジェクトのお話し#13

          自邸を建てる

          自邸を建てようと決めてから2年がたったらしい。いろいろな条件を整理して土地を探して、東京中を右往左往した。埼玉とか千葉にも行ってみた。たくさん電車に揺られ、川沿いをみて、坂道を上った。 その度に地盤データを調べて、法チェックからボリューム検討をした。 そしていまだ決まらずにいる。 設計をやっていない人ならば、駅から近いとか、実家が近いとか、勤務先まで近いとか立地と予算で決まることが多いのだろうが、僕の場合は違う。もちろんそれも決める要因の一つだけれど、たくさん住宅の計画に

          建物の性能

          ネットでたくさんの情報が得られるようになって、住宅の性能に関する内容もいろいろと調べられるようになりました。 耐震等級、断熱気密性能Ua値、長期優良住宅、24時間換気システム、、、 言葉の力はすごいもので、これを満足している住宅ですと言われてもっともらしい図を見せられると、実際はよくわからなくても途端にそれが必要なものに思えてくる。 例えば耐震等級なんて1より3の方が良くて、3にすると地震保険料が安くなるとかいいことばかり書いてあるけど、構造家は何も言われなくても耐震等

          X プロジェクトのお話し#12

          世の中には不思議な形をしているけれど、実はそれ単体で構造的に強い形があります。そうした形の純粋な力強さにいつも心惹かれます。 都内に計画しているアーティストの自邸で、自宅を美術館のように、建物自体も美術品のようにしたいという要望でした。形の持つ純粋な力強さは彫刻やオブジェにどこか通じるものがある、、、と、Xの形を持つ住宅を考えたのです。 建物の構成は単純で、「X」の下側の三角は外部になっていて、屋外のアートを展示したり、バーベキューなどをできるようにしてあります。将来お子

          X プロジェクトのお話し#12