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頼むということ

設計の仕事はクライアントの望む家を設計する事だ。

勘違いされがちなのだが、建築家に、設計士にお願いしたら、自分の希望の望む家が自動的に出てくるわけではない。お願いする側にも努力と責任と覚悟が必要だ。

設計する側としては、クライアントに全部あなたの好みで設計してくださいと言われたら、これほど嬉しくてらくちんなことはない。だけど現実的には住まい手・クライアントの希望や予算や法規、構造、イメージに合わせて計画しないとならない。これが設計としては苦しくて楽しいのだが。。。だから設計する側はクライアントの生活ぶりを見せてもらったり、好きな空間のイメージを聞いたりして、その人の住まい方や好みを反映させて設計をする。

クライアントは可能な限り、イメージや希望を伝えないといけない。(あまり細かく詳細に指定しすぎると、がんじがらめで変な建物になっちゃったりするので、いい塩梅で伝える、、、というのが本当に難しいのだが。)

設計の仕事は、英会話の講師みたいなもの、と聞いたことがあってなるほどと思った。建築家・設計士(英会話講師)に依頼したら理想の家ができる(英語が喋れる)わけではない。家をつくる(英語をしゃべる)コツとか技術を教えるだけで、クライアント自身が努力しないと、家はできない(しゃべれるようにならない)というのだ。

これをサボって、建築家を「使ってる」と思っている人ほど、出来上がると「イメージと違う」、「これが欲しいとは言ってない」っと平気で言うのだ。イメージを伝える努力をしていないのだから当たり前なのだが。。。(それに、建築家を「使っている」のではなくて「お願いしている」のだとと思うのだけど。。。)

建築家は魔法使いじゃない。
だからクライアントの頭の中を読み取ってイメージ通りの家をつくるなんてできない。クライアントと一緒に手を取り合って、理想の家をつくるパートナーなのだ。

「クライアント」とは建物としてよくなるように考えてくれる建築家・設計士の意見を尊重しつつ、住まい手としてのイメージや希望を伝えるという重要な仕事をする「建築家のパートナー」という仕事なんじゃないだろうか。

だから頼む側のスタンスで建物は良くも悪くもなるし、建築家・設計士を活かすことができるかどうかも変わってくる。

頼むって、難しいですね。


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