自邸を建てる

自邸を建てようと決めてから２年がたったらしい。いろいろな条件を整理して土地を探して、東京中を右往左往した。埼玉とか千葉にも行ってみた。たくさん電車に揺られ、川沿いをみて、坂道を上った。

その度に地盤データを調べて、法チェックからボリューム検討をした。
そしていまだ決まらずにいる。

設計をやっていない人ならば、駅から近いとか、実家が近いとか、勤務先まで近いとか立地と予算で決まることが多いのだろうが、僕の場合は違う。もちろんそれも決める要因の一つだけれど、たくさん住宅の計画に関わってきて、学んでしまった。考えられるリスクはなるべく回避したい。

そうすると、案を計画して、より良い条件を求めてしまう。
もっといい土地があるんじゃないか、あとちょっと探してみようかな、と。そして結果決められずにいる。他人のプロジェクトだとそれができるのに、自分の家だとうじうじと考え込んでしまって思い切りがつかない。

土地探しは運とか、タイミングとかフィーリングとかいろいろいわれるのだけど、ほんとそうだなと最近思う。どんな土地でも工夫次第でよい家になる（というかよい家にします）から、最低限のリスクヘッジだけして、えいやあで決めてしまうのが良いなと思うのです。

思い切って、覚悟を決めて土地を買われて依頼してくれるクライアントの家の方が格段に良くなる。もう土地を決めて建てるしかないと腹をくくっておられるから、たいていのことは受け入れてくださるし、何とか建てよう、良い家にしようという熱意に刺激を受けて、こちらも頑張るからだ。

良い家を建てるのに一番大事なことは、覚悟と熱意、なんだろうなと思う。

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